平凡メイサーの異世界冒険譚   作:えんてぃ

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魔界へと降り立った焔斗達。道中、ゴブリンから情報を貰いながら紫紅の元に向かおうとしていた。しかし、突如謎の少年サトシが現れ、紫紅のいるという魔王城へ空間転移で直行した。同時に進む、しゃろん制圧への準備。こちらも準備が完了し、あとは焔斗と紫紅が再会するのを待つのみとなった。各所で戦いの幕が上がる。
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第3話『紫紅奪還及びしゃろん制圧作戦開始』

 

「……以上です。と、とりあえず落ち着いてください。」

 

「これが、落ち着いていられるか?……はあ、でもそうだな、ここでイラついても仕方ない。とりあえず紫紅を助ける方法を考えないと……。」

 

︎︎︎ㅤサトシに連れられ、魔王城を走る焔斗。ちなみにレーヴァテインは、「……俺の用があるやつは少し離れたとこにいるみたいだ。俺はそっちに行くぞ。兄なら、妹の一人くらい助けて見せろ。じゃあな。」と言って、別の場所に飛んでいってしまった。おそらく、離れた場所に感じる膨大な魔力の持ち主の所へ行ったのだろう。これでも抑えている感じがする。さすが魔界、恐ろしいところだと思った。

 

「……そうだ、行く前に。紫紅の戦い方というか、その辺のことを教えてくれ。聞いてるかもしれないが、元いた世界じゃこんな戦いも魔法も無かった。だから、戦いの癖とかは分からないんだ。」

 

「そう、でしたね。では軽く説明しますね。紫紅さんが使うのは主に雷属性。『紫雷纏装』でしたっけ。近距離ももちろんのこと、雷のメイスを生成して遠距離も対応してきます。もちろん、拘束技も持ってます。そして、さらに本気を出すと『紅雷纏装』となり、雷や髪、目が紅くなって莫大に魔力が上がります。この状態は当時まだ慣れてませんでしたが、完成してると仮定するとかなり危険です。お気を付けて。」

 

「……さすが俺の妹だな。って、今回は感心してる場合じゃないな。やっべ強そ〜、何とか耐えないと。」

 

ㅤ話を聞く限り、多分勝てないかも、と思った。というのも、相手が妹というのもあり本気で殴るなんてとてもできないし、恐らく軽く見ても焔斗と互角だ。その中で呼びかけながらどうにか洗脳を解く方法を探さなければならない。

 

「……すみません、俺達が介入したら、紫紅さんの心の核?のようなものを壊されてしまうので。こちらはこちらでその核の奪還に向かいます。同時に、しゃろんさん……しゃろんを潰します。」

 

ㅤ昔からの知り合いだったのだろうか、さん付けから呼び捨てに変わっている。おそらく、以前まではこんな酷いことをする人だと思っていなかったといったところだろうか。

 

「ああ、頼む。正直信じられない事ばかりだけど、今は信じるしか無さそうだ。」

 

「はい、この扉のむこうです。では俺はこれで。」

 

ㅤある大きな扉の前に着くと、サトシはそう言い残し空間を裂いて消えた。

 

「さて、と。この向こうに……紫紅、紅葉がいるのか……。随分長いようで早かったな。まあ、平和な再会じゃなさそうだけど……。兄ちゃんが助けてやるからな。……よし!行くか!」

 

ㅤ色々と不安はあるけれど、焔斗は自分を鼓舞して、扉を開ける。もちろん、不意打ちに備えて纏装状態だ。慣れるために常に張ってたものではなく、しっかりと戦闘用の。

ㅤ部屋に入ると、そこは修練場のような広い場所だった。戦うにはちょうどいい、それは逆に、戦うしかないということでもあった。

 

「……紅葉、いや、紫紅のほうが、いいか。久しぶり。」

 

ㅤ背を向けて立っていた、元の世界では見なれていたメイド服に紫髪おさげの小さな女の子。こっちに来ても見間違えるはずもない、大切な妹。

 

「お兄ちゃん……、やっと、来てくれたんだね……。」

 

ㅤ久しぶりに聞く声。どこか寂しそうな声、やっと会えたと嬉しそうでもある声。本当に洗脳されているのだろうか、そう疑いたくなるほどの落ち着き。だが。

 

「……、紫紅。なぜこっちを向かない?」

 

ㅤ焔斗の知ってる、紫紅なら。いつもの自立できない妹ならば。再会できた時には、笑顔で突進して抱きついてくるはずだ。それが、無い。明らかに落ち着きすぎている。今の、今の彼女は焔斗のしってる妹では、ない。

 

「……っ、それはね、お兄ちゃん。」

 

ㅤゆっくりと紫紅が振り向く、そして、怪しくギラついた目に、ニヤついた口元が見えた。その、刹那。

 

「がっ!?」

 

「やっとお兄ちゃんを殺せるって思うと、ニヤけが止まらないからよ!」

 

ㅤ目にも止まらぬ速度で接近され、腹に紫紅のメイスがめり込む。そのまま振り抜かれて吹っ飛ばされた。

 

「ふふ、どうお兄ちゃん?あのゲーム基準でこの世界に来たなら、あたしに勝てるわけないもんね?」

 

「それは、どうかな……俺も、鍛えた、からな……。」

 

ㅤ口ではそう言うものの、心の中は想定以上の実力差に驚いていた。

 

(は、速すぎる……!雷だし速いとは思ってたけど、師匠より速いとは……。一応、来てるっていう認識はできたから、時止め系では無い……純粋なスピード……。)

 

「傷つけちゃいけねえって、手抜いてると、ほんとに殺されるな、これ。『獄焔纏装』!」

 

ㅤ流石に小手調べする余裕もなさそうだったので、初めから全力で行くことにした。これも、紫紅が全力を出してきたらお手上げかもしれないがやるしかない。

 

「無駄だよお兄ちゃん。『紫雷纏装』。」

 

ㅤ聞いた話では、まだこの上に『紅雷纏装』があるはず。それなのに今の『紫雷纏装』で来るということは、焔斗の『獄焔纏装』にそれで勝てる、と思ったからだろう。

 

「まったく……洗脳されてなきゃ、褒めまくってたのによ……。」

 

(絶対兄ちゃんが助けてやるからな、紫紅。ちょっと痛くても我慢してくれよ!)

 

ㅤしゃろんが望んだ対決が今、始まった。

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ㅤ魔王城から少し離れた荒野。その一角の陰に造られた建築物。その中でしゃろんは戦いを見ていた。

 

「あはは!始まった!いいね、これから楽しくなるよ〜!」

 

ㅤ流石に、紫紅を洗脳した時の館は遠すぎるため、近くに急遽拠点を作ったのだ。急造とはいえ、魔法があるためそこそこの完成度である。

 

「……で、そんなところで何してるのー?春輝さん?あはは!バレバレだよ〜!」

 

ㅤしゃろんは、物陰に隠れていた春輝に呼びかける。春輝は、大して驚いた様子もなく、スっと陰からでてくる。

 

「やぁやぁ♪流石にバレるよね〜♪やっぱりすごいな♪」

 

「あっはは!おだてたって無駄だよ?何しに来たのさ?」

 

ㅤ紫に光る玉を左手の上に浮かせながら、春輝に問いかける。

 

「心の核、かなにかわからないけど、とにかく、それを取り返しに来た。」

 

「ああ、これのこと?取り返すって言うか、魂じゃなくて起動装置みたいなものなんだけど……まあ確かに、コレ作るのに時間かかるから、取られるのは嫌だなあ。」

 

ㅤ左手の上の光玉をふよふよさせながらそう答える。どうやら、あれを奪えればひとまず、しゃろんから紫紅の心を壊すことは出来なくなるらしい。それが分かれば充分だ。

 

「じゃあ、とりあえずそれから奪わせて貰うよ。その後、たっぷりとおしおきタイムだ。『蒼氷纏装』、『蒼キ氷ノ凍奏演舞』!」(そうひょうてんそう)(あおきこおりのとうそうえんぶ)

 

ㅤ春輝が魔力を纏い、技を放つ。地面に突き刺した蒼氷剣・薇絶(そうひょうけん・らぜつ)を基点に、しゃろんに向かって地面が凍りついてゆく。地面から無数の氷も突き出しているため、拘束だけでなく殺傷力もある。無論、光玉の件があるので牽制程度だが。

 

「おおっと!相変わらずめちゃくちゃするよね!危ない危な」

 

「サトシ!」

 

「!?」

 

ㅤしゃろんが、氷を避けようと空中に浮遊して逃げる。その後、しゃろんの左側の空間が裂けて、サトシが現れ、光玉を奪い裂け目に戻って裂け目を閉じた。今回のサトシの役目は、これを奪い、取り返されないよう、空間の狭間で所持し待機すること。起動、とは言っていたが、これを破壊する事で起動するものだった場合も考慮すると迂闊に破壊できないのだ。

 

「『竜撃天翔舞』!」(りゅうげきてんしょうぶ)

 

ㅤ次に、別の陰からトモが飛び出し、しゃろんに攻撃を仕掛ける。まんまと不意をつかれたしゃろんはもろに攻撃を受け、吹っ飛ばされた。ここまでで、作戦の第一段階は終わりだ。これを成功させるのが大前提だった。あの光玉を奪えてなければ、とても大きい不安要素を残すことになるからだ。

 

「……ぃったいなぁ!もー、不意打ちとかずるいよね!」

 

「どの口が仰っているのでしょうかね?」

 

ㅤ実際、紫紅を洗脳し、人質紛いのこともしたのだ。そんな奴に不意打ちがずるいなんて言われる筋合いはない。紫紅を洗脳する時も不意打ちだったはずだ。

 

「あなたはもう、許しませんよ。『竜鱗纏装』」

 

「あはは!その状態で前押し切れなかったのに、どうしようってのさ!『黒炎纏装』!」

 

ㅤこう言って煽ってはいるが、実際今は光玉をかっさらっていったサトシを除けば二対一。しかも、相手は魔界三銃士のうちの二人。軽く見てもしゃろんが劣勢である。

 

「やれるね?トモ。」

 

「春輝様こそ、女性だからって手加減なんてしないでくださいよ。」

 

「もちろん♪さーて。やるか。」

 

「ええ。」

 

ㅤ二人並んでしゃろんと対峙する。やけに余裕そうなしゃろんだが、魔力を練っている感じ、手抜きでどうにかなる相手では無いとは思っているようだ。

 

「あっはは!いいよ、来なよ!踊ってあげる。」

 

ㅤ不気味にニヤつくしゃろん。そして、その言葉を合図にお互いが衝突した。

 

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ㅤ魔王城から離れた、また別の場所。岩の上に優雅に座る魔界の魔王シハクの元に、現界の魔王レーヴァテインが到着した。

 

「やはり、こっちに来たか。」

 

「予想通りなら何よりだな。じゃあ、これから何するかも分かってんだろ?」

 

「ああ、もちろん。」

 

ㅤシハクは立ち上がり、紅氷の魔力を纏い始める。レーヴァテインも同じく、禁忌ノ焔を纏う。

 

「それにしても意外だな、わざわざ速度を合わせて来ているくらいだから、もしかしたら向こうに加勢するのかと思ってたよ。」

 

「ふん、少しは同情したが、あれは自分の力でやらなきゃなんねぇ。そのくらい出来ないと今後この世界じゃ生きて行けねぇよ。」

 

「くく、それもそうだな。まあ、俺も現界の魔王というのはどの程度なのか気になっていたところだ。楽しもうじゃないか。」

 

「そうこなくっちゃ、なっ!」

 

ㅤ現界の魔王と魔界の魔王が今、ぶつかり合う。

 

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ㅤ魔王城、修練場。

 

「『螺旋ほむっ!?」

 

「だ〜から〜、遅いんだっ、て!」

 

ㅤ焔斗と紫紅の兄妹の戦いは、紫紅が優勢のまま続いていた。段々と慣れてはきたが、未だに紫紅の速さについていけていないのだ。またもやメイスを叩き込まれる。纏装状態だからこそ、致命傷までには至ってないが、それでもかなり危うい。

 

(くそ、ダメだ。このまま持久戦になったらこっちがバテる!『焔ノ鼓舞』使ってもいいが、なにか糸口が……そうだ!)

 

「紫紅!なんで俺を殺すんだ?理由を聞かせてくれよ!」

 

ㅤ洗脳と思って会話は無理と考えていたが、よくよく振り返ってみれば、しっかりと会話は成り立っていた。ならば、ただ単に殺すではなく、何かしら理由、思考を植え付けられてる可能性がある。

 

「ん?お兄ちゃんを助けるためだよ?だから早く殺されてよ?」

 

「は?待て待て、俺を助けるために殺す?意味がわからないんだが?」

 

「はぁ……わかった、何も分からず殺されるのも嫌だろうし、話すね?でも時間ないかもだから、手短に。」

 

ㅤそう言って紫紅は、しゃろんに植え付けられた考え方を説明し始める。普通に考えておかしい事なのだが、洗脳されているのでそこは気にならない。指摘されなければ。

 

「待て待て待て!そんな蘇生魔法ホントにあるのか?そもそも、その見た未来っていうのはホントに未来なのか?助けるために殺すって、もし運命ならそんなんで回避出来るわけないだろ!?」

 

「だから!回避できるからお兄ちゃんを助けるの!お兄ちゃんを殺……して……?あれ?あたし、何を……」

 

ㅤ一瞬迷ったような顔を見せ、直ぐに頭を横に振り、元の好戦的な顔に戻る。

 

(随分と荒い洗脳だな……こんなの、矛盾を突かれたら揺らぐじゃねえか……。そもそも、俺たちを戦わせることだけが目的か?でも、これが分かったところで、今の指摘じゃ意味が無さそうだし……ここはもう全力を出すしか……)

 

ㅤそう考えていると、紫紅の魔力がジワジワと上がっていることに気づいた。

 

「っ?何をする気だ!」

 

「もう迷わせないで!こうなったら、こうなったら一気に決めてやる!『紅雷纏装』!!!」

 

ㅤ紫紅がついに、『紅雷纏装』を使った。髪が赤くなり、左目の横のこめかみ辺りから頬にかけてタトゥーのような赤い模様が現れる。服装はメイド服から変わり、赤を基調とした服へと変わる。背中からはALOのサラマンダーの羽に似たものが出現した。その名の通り、紅い雷を纏っている。

 

(しまった、先に全力を出された!こっちも『焔ノ鼓舞』で……)

 

ㅤ焔斗も『焔ノ鼓舞』で自身にバフをかける。紅い焔がさらに深く紅く輝く。

 

「よし、止めさせてもらっ!?」

 

「今の感じだと、追えないんだね、今のあたしの速さ。ふふ。」

 

ㅤいつの間にか焔斗の背後にまで来ており、すれ違いざまに無数の攻撃を当てられたらしい。体の各所に、猛烈な衝撃と痛みが発生する。

 

「ぐっ……!?」

 

「終わりだよお兄ちゃん。さよなら。いや、またね、かな?」

 

ㅤ魔力の込められた一撃が、焔斗を襲う。

 

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(まずいですね……。)

 

ㅤしゃろんと戦いながら、彼女が焔斗と紫紅の戦いを見るために設置した、水晶に映る映像を横目に見ながらトモは思う。

 

(お兄さんも、相当の実力をおもちだったようですが……完全に押されてますね。やはり、相手が大切な妹だと攻撃に躊躇いが出ているのでしょうか。)

 

「考え事なんてしてる暇あるの?『黒ノ炎禍』」(くろのえんか)

 

「くっ、!」

 

ㅤよそ見をしている隙に、しゃろんが攻撃を放つ。その攻撃はトモに届く直前で蒼い氷にかき消された。

 

「トモ!心配なのは分かるけど、今は集中しろ!思ったより強い!」

 

ㅤこんなに本気な春輝は滅多に見ない。それほどまでに、しゃろんは強かった。何せ、この二人を相手にここまでやり合えているのだ。正直この強さは計算外である。前回、全力を出せなかったのもあって、甘くみすぎていたようだ。

 

「早く終わらせましょう、春輝様。全力で。」

 

「っ、はは、わかったよ♪……やるぞ。『蒼氷薔薇纏装』。」(そうひょうばらてんそう)

 

「ええ。『竜帝ノ加護』。」(りゅうていのかご)

 

ㅤ春輝は、蒼い氷の薔薇が装飾された服とマントになる。いかにも王子様キラキラオーラだ。対してトモは、今よりさらに竜の鱗の強度が増し、服装も執事服から竜の模様が刺繍された、暗殺者風の装いになる。

 

「あはは!とうとう本気かな?焦ったかな?……んー、ちょっと、ヤバいかも……『深黒炎纏装』!」

 

ㅤさすがに今のままだと対処出来ない、と判断したしゃろんは、纏装をさらに強くする。黒より黒い、という表現はここで使うのが正しいのだろうか。魔女服等も全て真っ黒に変わり、黒い炎を纏っている。

 

「こっちも本気だよ。アハハ!」

 

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ㅤ天界。夢の間。天界の一部に設けられた、夢ノ神専用の敷地。そこで一人、魔界の様子を観察する夢ノ神、ユメがいた。

 

「魔界に、夢を使った技を使う人がいるって聞いたから、興味本意で見てみたけれど。大したことないじゃない。それに、この技は性質的に私が使うのとは全くの別系統。少しガッカリだわ。」

 

ㅤ緑の髪で童顔な彼女は、溜息をつきながら肩を落とす。夢に関する魔法を使った下界人がいると聞いて、興味津々だったのだが、それは期待していたようなものでは無かった。

 

「夢って言ってもこれじゃ、ただの精神攻撃じゃない。夢魔法と言うよりは、幻惑魔法ね。」

 

ㅤまあ厳密に言えば私たちが使うのは魔法じゃないけど、と呟きながら、ふわふわと浮かぶ雲に座る。

 

「それにしても、この兄妹といい、魔女といい。低レベルな戦いね。唯一まともなのは……。」

 

ㅤそう言いながら、ユメは視線を魔王同士の戦いが映る水晶へと向ける。降臨メンバーであり、序列九位の彼女にとって、下界のことを探っておきたいのは当たり前のことであった。

 

 

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ㅤ魔界から離れた荒野。二人の魔王がぶつかり合っていた。

 

「『紅キ氷ノ円舞曲』」(あかきこおりのわるつ)

 

ㅤシハクがそう言うと同時に、彼を中心に紅い氷が辺りを埋め尽くす。無論、レーヴァテインを巻き込む形で、だ。

 

「ふん、こんな氷、俺には効かんぞ!」

 

ㅤそう言いながら、禁忌ノ焔で氷を溶かして砕く。氷は彼にとって相性が良すぎるのだ。……普通なら。

 

「!?ちっ、さすがだな。」

 

ㅤ最初は、レーヴァテインの焔が氷を溶かしていたのだが、やがて氷がその焔を凍らせはじめた。相手だって魔王だ、このくらいのことは出来る。

 

「この程度の焔で俺の氷は溶かせんぞ?……ちょっとだけ溶けたけど。」

 

ㅤ魔王なのだから当たり前だが、やってる事が常人離れしている二人。そもそも、これで小手調べなのだ。全く本気を出していない。

 

「そろそろ、準備運動は終わりにしようぜ。俺の焔で焼き尽くしてやる。」

 

「いいだろう。我が氷で永久に眠らせてやろう。」

 

ㅤ現界の魔王と魔界の魔王の本気の対決が、今始まった。

 

 




今回はここまで!いかがでしたか?

今回登場したif民モチーフは、

サトシさん(サトシ)
春輝さん(春輝)
トモさん(トモ)
shihakuさん(シハク)
Revatainnさん(レーヴァテイン)
しゃろんさん(しゃろん)

初登場の夢さん(ユメ)

でした!
ありがとうございました!

次回
『最後の切り札』

お楽しみに!
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