もし、櫛田桔梗が綾小路清隆に一目惚れをしたら   作:主義

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一目惚れ

『一目惚れ』というのは避けようがない。だってその人物を見た瞬間に恋に落ちてしまうのだから。私は一目惚れなんかしないと思っていた。だけど現実は……ある男子生徒に一目惚れをしてしまった。彼を見たのは登校のバスの中でだった。別に意識した訳じゃなく、ある理由があってバスに乗っている人を見渡す機会があった。そしてそこで私は…ある生徒に一目惚れをした。

 

 

 

 

 

その生徒の名前は綾小路清隆と言うらしい。これは後々分かったけど彼と私はクラスメイト。クラスでは決して目立つような人間ではないけどなんか底知れないものがある気がする。彼と同じクラスに成れたのは正直、嬉しい。だけどあの『堀北』が綾小路くんの隣の席に座っているのは気に食わない。本当は私が隣の席に座りたいのに何であいつが隣の席なんだ。あいつがもし、あの事件の事を綾小路くんにあの事を知らせたら私は確実に終わりだ。どんな手を使ったとしても確実に堀北の口は封じないといけない。

 

そして高度育成高等学校での生活から一週間が経過した。この学校での生活も慣れてきた。最初は一か月十万という金額に驚きはしたものの時が経てば違和感は少しずつなくなっていく。

 

 

 

 

綾小路くんとはあんまり話せていない。接点を持ちたいから積極的に行きたい、だけど嫌われるのだけは絶対に嫌だ。結果的に言うとこの一週間で数えられるほどしか会話を交わしていない。それに比べて堀北は隣の席というのもあってよく話しているのが見えてしまう。話しているところを見るたびに苛立ちが募っていく。

私もあんな風に話せたら…何度思ったか…。だけど声を掛けられない。

 

そんな事を考えながら私は今日も一日を過ごしていた。

 

 

 

 

そしてチャンスは突然に訪れた。休みの時間に次の授業の用意をしていると…宿題を忘れたことを気付いた。これはもしかしたらチャンスかもしれない。これを口実に綾小路くんに声を掛けることが出来るかも。それに今、ちょうど綾小路くんは教室にいるし、休みの時間というのもあって教室には半数ぐらいの生徒しかいない。これはチャンスだ。

 

 

そう考えた私はすぐに綾小路くんの元に行った。

 

「あや…のこうじ君、ちょっと……良いかな?」

 

 

緊張しすぎていつもの自分の口調でないのは分かっているが…それでも話し掛ける事の出来たことは大きなことだと自分を褒めたい。

 

 

 

「…ああ、別に良いが」

 

 

「あの…今日の宿題を忘れちゃったんだけど…見せてくれないかな?綾小路くんに絶対に迷惑掛けないからお願いできないかな」

 

別に彼と話す口実のためにわざと忘れたとかではない、これは只の偶然。

 

 

「………良いぞ」

 

 

「え!?本当!?」

 

 

「あ、ああ別に貸すくらいなら問題ないしな」

 

 

その後、私は綾小路くんからノートを貰って自分の席に帰った。

 

 

 

 

端から見たら只、女子生徒が男子生徒にノートを貸してと頼んで貸してもらっただけ。だけど私にとっては…そんな当たり前のような事でも嬉しい。今日は綾小路くんと話せたし、綾小路くんのノートも貸してもらえた。他の奴だったらこんなに喜ぶことはない。好きな相手だからこそ、ここまで嬉しいのだ。

私が今まで感じてきた幸福感の中で一番と言っても良いかもしれない。

 

 

 

 

幸福感に浸りながら私は綾小路くんの宿題を写した。

 

 

 

 

 

これだけで幸福感を感じるほどに私は彼を愛しているんだ。

 

綾小路清隆に櫛田桔梗への恋心に近いものは生まれるのか?

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