もし、櫛田桔梗が綾小路清隆に一目惚れをしたら   作:主義

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無人島試験⑥

オレという人間は誰も理解できない。自分が生き残るためであれば他人を蹴落としても何とも思わない。

 

 

櫛田桔梗はオレに依存している。それもかなりヒドイ。このままいけばかなりヤバい状態にまで落ちるだろう。それにしても偶然とは…本当にすごいな。今回の無人島試験で櫛田を襲った男に関してもオレは何も関与はしていない。もう少し櫛田の依存度を高めたいとは思っていたが…まだ手を打つ時ではないと感じて、オレからは何もしなかった。

 

 

ただ一つだけ…間接的ではあるがあいつらを助けた。それは…『報告』だ。櫛田は襲われた。これ教師側に伝えれば少なくともこの試験の中断、もしくは中止。そして襲った男に退学処分が下るのはほぼ確実だろう。だが、これを利用しない手はない。

 

 

櫛田はオレに依存しているから、オレの言うことであればある程度のことは従う。そして櫛田に口外しないことを約束させて、襲った奴には言わない代わりに手足となる駒にもらった。襲った奴に関しては…拒否権もないし、弱みを握られている状況。この状況でオレに逆らえばこれからの人生を棒に振ることになる。

 

 

だが、偶然とはいえ、最終的にオレの望む形よりも少早いもののかなり良い状態に持ってこれた。

 

これだけだとオレに櫛田への愛がないかのように映るかもしれないが、そんなことはない。オレは今まで『恋』というものをしたことがない。だから正確なことは言えないが…『愛着』のようなものは湧いているのではないかと感じる。

 

――――――――――――

 

無人島試験もそろそろ佳境。他のクラスが色々と動き出しているのも分かっている。このままではうちの

クラスはそれなりの被害を被ることになる。

 

だが何よりも…オレのバックの中に誰からか分からない手紙が詰め込まれていた。その手紙には日時と時間、そして落ち合う場所らしくものも書かれていた。これが誰からなのか…確実に分からないが少なくともオレと接触を持とうとするような奴。

 

 

無視をしてもいいが、オレを呼び出すような奴に興味はある。オレのクラスに用があるのか、それともオレ個人に用があるのか。それによって全然違う。

 

そしてオレはこの手紙通りの場所に行くことにした。だが一つだけそれには障壁があった。それはオレの腕を掴んで離そうとしない。

 

 

「櫛田」

 

 

「なに?」

 

 

「ちょっと出掛けたいんだが…離してくれないか?」

 

 

「だめ…ご、ご、めん…」

 

櫛田の精神状態のことを考えるのであれば…ここに放っておけば色々と面倒なことになる。いざとなったら、櫛田がどんな行動を取るのか分からない。

 

 

「そうか。それなら櫛田も行くか?」

 

 

「うん」

 

櫛田は本当に重症だ。ここまで来ると一人での生活にも支障をきたすところまで来そうだな。

 

 

そしてオレと櫛田は指定された場所まで適当に話しながら歩みを進めた。かなり生い茂っているところだが、草木をかき分けてやっと指定された場所に到着した。

 

「ここでいいはずだが…」

 

辺りを見渡しても人の姿すら捉えられない。本当に落ち合う場所はここであっているのかともう一度手紙に目を通すが、ここであっている。

 

 

十分ぐらい待つと…一人の生徒が姿を現した。

 

「オレをここに呼び出したのは…お前であっているか?」

 

 

「ええ、少なくともあなたのカバンに手紙を入れたのは私であっている」

 

少し言い方は気になるところがあるが、手紙を入れたのはこいつだ。

 

 

「オレを呼んだ理由を聞いても良いか?」

 

 

「あんたに会いたいって言う奴がいるのよ」

 

 

「オレにか?」

 

 

「ええ、だけど、そいつはこの試験に来ていない。帰ったら会いたいって言ってるわよ」

 

 

「そうか。それを伝えるためにオレを呼び出したのか?」

 

 

「まあ、それも呼び出した理由の一つね」

 

 

「他の理由があると?」

 

 

「ええ…まあでもその目的もあなたがここに来てくれたお陰でどうやら達成出来たわ。あとこれを」

 

そう言って…オレにある紙切れを渡してきた。そこには…電話番号らしきものが書かれている。

 

 

「これは?」

 

 

「あなたに会いたがっている人の電話番号よ。今は無理だけど…この試験が終わればデジタル機器も返されるはず。その時に気が向いたら連絡してやって…。私としてはどちらでもいいけど」

 

 

「お前の名前は?」

 

 

「私は1年Aクラスの神室真澄。あんまりあんたらと関わっているのが人目に触れるのは私も避けたい。それはあなたたちも同じでしょ」

 

確かに今は試験中。他のクラスの者と話しているところを同じクラスの奴らに目撃されると色々と面倒事になるのは目に見えている。裏切者の汚名を着せられることもあるからな。

 

 

「そうだな」

 

 

「それじゃあ…」

 

そして神室は去っていったが、オレたちはその場に留まる。櫛田にくぎを刺さなければらない。

 

 

「櫛田」

 

 

「…?」

 

 

「さっきの話は他言無用だ。オレはお前を信用している」

 

 

「うん!!私と綾小路くんの秘密だね!!」

 

 

「あ、ああ…」

 

なぜか櫛田は嬉しそうだが、言わないでくれるなら別に問題はない。女心はどうしても理解できないからな。




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作者のモチベーションのために

綾小路清隆に櫛田桔梗への恋心に近いものは生まれるのか?

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