もし、櫛田桔梗が綾小路清隆に一目惚れをしたら   作:主義

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隠しきれないもの

あの日から私と綾小路くんの関係性は何も変わっていない。普通の人だったらあんな風な私を見たらこれから関わるのを止めたりする人も多いはずなのに彼はいつもと変わらず接してくれている。綾小路くんが離れていくとは考えてなかったけど、少しは余所余所しくなるかもとは思っていた。

 

 

このクラスでもある程度の地位を築くことが出来たと思い始めた時期に事件は起きた。事件と言っていいのか分からないけど、須藤くんが他クラスの人と揉め事を起こしてしまったらしい。正直、私にはまるで関係のない事だからどうでもいいのだけど、ここで須藤くんを心配しなかったら綾小路くんに冷たい人という印象を持たれるかもしれない。それだけは何としてでも回避したい。

 

 

クラスの人たちよりも綾小路くんからの印象が一番。

 

 

だから、私は綾小路くんに須藤くんの揉め事を目撃した人を探してくれるように頼む事にした。綾小路くんに苦労を掛けてしまうのはとても心苦しいところがある。愛しい人に重労働をさせてしまうのだから。

それもこれも須藤が問題を起こる事をしなければしなくて良かったんだ。大人しく普通に生活していてくれれば私は綾小路くんと平穏に過ごすことが出来たというのに。

須藤のせいで全てが台無しだ。

 

 

だけど、一つ嬉しいことがあるとすれば…それは綾小路くんと一緒に過ごす理由が出来たこと。それだけが唯一、感謝したい。

 

私や平田くんが声を掛けた事もあって協力してくれる人もそれなりに居るから目撃者がいれば発見できる。

 

 

「まずは目撃者を探してみようか。誰か一人ぐらい目撃者がいたかもしれないしね」

 

 

「うん、そうだね」

 

 

「櫛田ちゃんのために目撃者を見つけ出すぞ!!」

 

 

「「「「おう!!!!」」」」

 

 

こういう人たちを上手く使って早く目撃者を見つけ出すことが出来れば良いけど。なるべく長引かせることなく見つけ出したい。

 

 

最終的に目撃者は見つからなかった。Bクラスにも協力してもらっても見つからなかった。綾小路くんを無駄に働かせてしまった。その日はそれで解散になった。このまま探していたとしてもすぐに目撃者が見つかるなんてことはないということに。

 

 

 

 

その日は、私は一人で帰路についていた。綾小路くんと一緒に帰りたかったというのが本音。でも、池や山内が私が誘うよりも前に綾小路くんを連れ去っていった。私が目を離した隙に……。そこで仕方なく、私は綾小路くんと一緒に帰る事を諦めることにした。無理やりにでも綾小路くんを奪うことは出来たが、そんなことをしたら色々と面倒なことになるのは目に見えている。

それに綾小路くんにも迷惑を掛けてしまう。

 

 

「櫛田さ~ん」

 

私を呼ぶ声がして後ろを振り返るとそこには―――――――――

 

 

「一之瀬さん」

 

 

「櫛田さんが一人で帰っているのは珍しいね」

 

 

「うん、今日はね」 

 

 

「最近は綾小路くんと一緒に帰っていることが多かったもんね」

 

私って一之瀬さんに綾小路くんのこと話したことってあったっけ。自分の記憶では誰かに私の口から綾小路くんのことを話したことはなかったと思うんだけど。

 

 

「あれ一之瀬さんって綾小路くんのこと知ってるんだね」

 

 

「うん。少し前に迷惑を掛けちゃったからね」

 

綾小路くん、全然何にも言ってくれなかった。プライベートまで全てを言って欲しいとまでは思ってないんだけど、綾小路くんが一之瀬さんと話しているところを想像するだけで気分が悪くなる。

 

 

「そ、そうなんだ……」

 

 

「櫛田さんって綾小路くんと話すときってとってもいい笑顔なんだもん。他の生徒には絶対に見せないような顔をしているしね」

 

 

「……」

 

 

「でも、私としては櫛田さんが本当の意味で笑っている姿が見れて良かったよ。誰だって好きな相手に見せる顔は違うもんだからね」

 

 

「………そんなに違う?」

 

 

「うん。全然違う」

 

一之瀬さんはためらいなく否定した。

 

 

「それで綾小路くんのどこが好きなの?」

 

 

それから私は一之瀬さんに質問攻めにあったのは言うまでもない。

綾小路清隆に櫛田桔梗への恋心に近いものは生まれるのか?

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