【完結】闇と世界樹の魔法使い   作:アイナll

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後日談です。


エピローグ

 管理局の地球支部で事情聴取などの事後処理などが行われた。

 今回、俺とグリフィス准尉が戦っていた時間は1時間も満たないくらいで、俺が倒れた数分後に管理局が到着したらしい。

 それから保護されたわけなのだが、どうやら俺は2週間も寝ていたらしい。原因は色々ある。重度の魔力欠乏症、無理して動かした体の筋繊維は痛み、骨にはヒビが入っていた。それでも戦えたのはアドレナリンがドバドバ分泌されていたからだとか。

 グリフィス准尉は俺ほどではなかったものの、魔力欠乏、体の負荷で1週間ほどの寝込んでいたらしい。目が覚めてから1週間治療して、まだミイラマンなのだ。明日あたり包帯をとるらしい。

 

 

 さて、事後処理を色々話そう。

 

 

 まずはデバイスだ。

 俺の持ってきたバリアジャケット兼通信用デバイスには機能の縛りとかは無いらしい。ただ、端末内にある未来のデータだけは時限式ロックを掛けるらしく、時がきたら解除されるそうだ。

 魔導書型デバイス“コン”こと〈金色の夜明け〉は内蔵魔力を全て使ってしまったため、機能を停止していた。管理局に回収され、魔力を込められた事で再起動し今は自動修復中。あと1日ほどで終わるらしい。

 戦いの中で壊された刀型デバイス“クロ”こと〈黒の暴牛〉は散らばった破片やパーツを回収したところ、ロストロギアの部品は無傷だった事が分かった。今は使えるパーツは使い、必要なパーツは新規で組み込み…と復元中だ。これは少し先の技術という事もあり、時間がかかるそうだ。それまでは“よく斬れる木刀”こと〈ミスティルテインの刃〉をメインウェポンにしていこうと思う。

 

 次に肉体、魔法面について。

 あの時はあまり気にしていなかったが、同じ未来からきた組である俺とグリフィス准尉では歳が違っている。

 俺は大体9歳くらいなのに対してグリフィス准尉は19歳、歳が変わっていないのだ。

 2人で手段や経緯など色々話し合って、整理してこう結論づけた。俺は過去の世界へ“遡った”ため「逆行」、准尉はあの刀の力を使い過去の世界へ“移動”したため「転移」ということになった。

 俺が9歳だった時は闇の魔力を少し出せる程度だった事もあり、今回の戦いは自分が想定している以上に肉体へ負荷がかかっているとのこと。今後同じような無茶をしない事を大前提として、俺の寿命は削れているだろうし、無茶して魔法を使ったツケはいずれ必ずやってくると宣言された。地獄のようなリハビリの覚悟をするようにキツく言われた。

 俺の魔法に関しては当然っちゃ当然だが、あの戦いほど上手く扱えない。俺のデバイスである“クロ”や“コン”のロストロギアは闇の魔力と世界樹の魔力を肉体への負荷がかからないようにコントロールするサポーター的な役割を担っている。それが無い今、どんな反動が来るか分からないため魔法も使えない。

 〈マナゾーン〉〈黒月〉〈闇纏・居合い斬り〉〈死突〉〈ミスティルテインの刃〉など、あの戦いで扱えた魔法は当然使えなくなっている。この魔法は9歳が扱えるほど可愛いものではない。本当はもっと先にある技術なのだ。あの時は超集中…アスリートで言うゾーンの状態と、俺の才能・センスが奇跡的にマッチしたから扱えたのだ。

 よって、今後は無茶厳禁として、歳相応のトレーニングと実戦を繰り返して徐々に扱えるようにすることとなった。幸いにも俺には9歳の時はなかった10年分のノウハウがある。きっと、このまま進んでいけば元の時間軸よりも強くなっているだろう。と言っても、まずはリハビリからだけど。

 グリフィス准尉はって?アイツは元々魔法の才は人並みだから地道にコツコツ練習してるよ。

 

 最後に処罰について。

 グリフィス准尉には殺害未遂と危険な魔法の行使、俺には危険な魔法の行使が主な罪となった。

 グリフィス准尉に関して申し開きがない物だった。殺害未遂。それを本人も受け入れて深く反省していた。

 俺は殺害を防ぐためとはいえ殺傷能力の極めて高い魔法を使った事、世界樹魔法を使った事による地球の自然環境への被害などが主な罪だ。前述については何も言えなかった。後述については現場検証の結果、害は無いとされ特に言われる事はなかった。

 この事から、グリフィス准尉へは殺害を企てたが未遂に終わった事、本人が深く反省している事と立派なメガネに免じて「保護観察と奉仕活動」の2つを罰として与えられることになった。俺は殺害を防ぐためとはいえ危険な魔法の行使は罪だが市街地への被害は無く、本人は深く反省している事から「保護観察と蹴破った八神家の窓ガラスの修理」が課せられた。グリフィスの観察官はリンディさん、俺の観察官はクロノ君とはやてになった。

 未来から来た事については罰する基準が不確定なため、余計な情報を漏らさない限りはお咎め無しとのことだ。

 それと、当然ながら俺のニ佐、グリフィスの准尉の階級は取り消しになった。当たり前だよなぁ。

 

 最後にこれからについて。

 この世界には未来に行く術がない。だから俺たちは帰る事ができない。かと言って放っておく訳にもいかないので誰かの家の厄介になることになった。

 グリフィス准尉は保護観察と管理局での無賃奉仕活動のためリンディさんの家へ行くそうだ。本人は沢山のキャリアを積もうと息巻いていた。

 俺は八神家で面倒を見てもらう事になった。ここであればリハビリ、治療の二つが同時並行で行えるから便利だ。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 八神家に入居して1日目。

 まだ足は動かないので車椅子に座り、シャマルさんに押されながら服や食器などの生活に必要な物を購入して家へ向かった。

 八神家ではスロープがあるので、そこを上がりリビングに入る。するとはやて、なのはさん、フェイトさんなどのお友達組が【ヤミ君、八神家入居歓迎会】なる催しを開いてくれた。

 正直、気配と靴の数、様々な料理の匂いで察していたが、俺としてはサプライズよりも見ず知らずの俺を歓迎してくれる懐の深さに驚いた。驚きすぎて気づくのに遅れてしまったのだ。この衝撃の事実に。

 

「はやて…足…」

 

「ん?足になんかついとる?」

 

 はやては普通の顔して立っていた。確か、最初にグリフィス(准尉呼びしたら怒られた)を止めた時は車椅子に乗っていたのに…。

 

「足…動かないんじゃ…?」

 

「え?もう普通に動くよ?」

 

 はやては俺の目の前で軽く飛び跳ねて一回転してみせる。

 本当に、歩けるのか…?俺の知っている幼少期のはやては写真だけだからいつまで車椅子でいつから歩けるのか明確な時期を知らんのだ。

 でもそうか。歩けるのか…。はやての車椅子を押すのを少し楽しみにしてたんだがなぁ。悲しいような、嬉しいような………逆行してからこんな思いばっかだな。

 

「そうか。…みんな、俺の為にありがとうな。よし、楽しむぞ、っててうぉあ!」

 

 みんなが催しを開いてくれた事が嬉しくと車椅子から身を乗り出してしまった。

 忘れていた。俺はまだ体があまり思うように動かないのだ。当然、俺の足は体重を支えきれずに前屈みで倒れてしまった。

 

「こら!まだ動いちゃダメでしょ!」

 

「すんませ〜ん!……誰か手を貸して下さ〜い!」

 

 シャマルさんとはやての手を借りて車椅子に座る。この一連のやり取りを見た人達は「あ〜、こんな人か」という視線が送られた。

 

〜〜〜

 

 入居して1週間。

 

「よっと…はい!」

 

「おぉ〜」

 

 俺はやっと自らの足で動けるようになった。…バリアジャケットの姿勢補助付きだが。

 八神家の面々の前でようやく立つ事ができた。

 マリエルさんという本局の方がやってきて、修復した“クロ”と“コン”の調整をしてくれた時に、リハビリ用バリアジャケットの試作品をくれた。

 ウェットスーツのような生地なのだが、バリアジャケットのように防御や攻撃性能は無いものの体の筋繊維の動きからその人の正しい体勢を取れるようにサポートしてくれるものらしい。

 俺はリハビリの中で、このサポートを徐々に減らしていき、最終的にサポート無しで動けるようになるらしい。マリエルさんは「あげる代わりに感想を教えてほしい」とのこと。

 今は試作段階なので、俺のリハビリを通して実用化を目指しているらしい。

 

「これをつけていると走り込みくらいはできるようになるとのことです」

 

「ほぉ〜。便利なものだな」

 

「今はサポートのレベルをMAXにしてるんで主治医であるシャマルさんの判断のもと、徐々にサポートのレベルを下げていこうと思います」

 

「頑張れよ!」

 

 守護騎士達が温かく見守ってくれている。

 今までは動くトレーニングは主治医が禁じており、しばらくは魔力コントロールのトレーニングとなのは・フェイトの練習を見学するだけだった。

 それも今日まで。これからはしっかりと動いて一日も早く復帰したい!

 

「欲張ったらあかんよ。ニ兎を追おう者ものは一兎をも得えずや。また体を壊したら元も子もないよ」

 

「分かってるって。大丈夫大丈夫」

 

 ーーー2日後、オーバーワークで主治医と未来の嫁とトラウマ師匠にこっぴどく説教されました。

 

〜〜〜

 

 八神家に入居して2週間が経った。

 リハビリに専念したおかげで、もう補助無しで歩けるようになった。

 

「お前はこれからどうするんだ」

 

 夕飯を食べながら、シグナムさんが聞いてくる。

 今日はグリフィスと会って来たんだ。お互い落ち着いて今後について話し合っていた。グリフィスは罰の奉仕活動と自分の目標に近づくために管理局の支部で働くらしい。

 対して俺はというと、管理局で働きはするが、9歳に任される仕事はたかが知れており、ぶっちゃけ暇なのだ。

 

「そうですね…一応管理局で働こうと思って日本支部に行ってみたんですが、猫の手は借りない主義だって断られちゃいましたし。…どうしよう」

 

 クロノ君は忙しそうだったが、これは時期的なもので普段はそうでもないらしい。元機動六課部隊長補佐のグリフィスが入っているのもあり、人手は十二分に足りているらしい。

 体を鍛えるも、オーバーワーク以降しばらく訓練は禁止だし…、俺は何をしようか。

 

「これは提案なんやけど、学校へ行くのはどうやろ」

 

「学校ってここの?」

 

「そ。ヤミ君、ミッド出身やから地球のことなんも知らんやろ。この星でこれからも暮らしていくんなら、最低限の知識と教養は必要やん?」

 

 そうか。つい忘れるがこの星ではミッドとは違うんだ。魔法無しでここまで発展してきた星を俺はあまり知らない。

 確かにいい案かも知れない。

 

「シャマルの甥っ子とでも言っとけば大丈夫やと思うで」

 

 という助言を受け、俺氏、私立聖祥大附属小学校へ通うことになった。

 名前は「八神 ヤミ」と名乗り、外国人設定のシャマルさんの甥っ子ということになった。東洋人…日本人の血が8割占めているため、髪と瞳は黒い。日本語は話せるが字が書けない不思議ちゃん設定。

 入学テストの成績は主要5教科の内算英理は満点、国社は赤点という成績だった。この国の歴史なんて知っているわけないだろう。国の主導者はショウグンかチョウテイかどっちかにしろ。

 テストや面談をして無事、入学は認められた。クラスはなのは達と同じになる予定らしい。

 今は夏休み直前なので学校に通うのは休みが明けてからということになる。それまでは宿題をやっておけとのことらしい。

 ちなみにグリフィスは近くの大学へ通うそうだ。

 

 

 

 こうして俺の地球での生活が始まった。

 

 急に消えたはやてを救いたい一心で始まったこの逆行譚。

 はやてを助ける為に犯罪まがいなことをして過去の世界へやって来て、驚きの黒幕 グリフィスとの戦いで何度も限界を超え、戦いが終わって目的を達成した今、はやてと共に地球での生活している。

 

 この世界がどうなるかは、正直分からない。

 俺がはやてと出会ったのは機動六課結成がきっかけだ。しかし、今は幼少期から深く関わっていく。これが良いのか悪いのか。未来にどのような影響を及ぼすのか、誰も知らないのだった…。




はい。最終話です。


















  と思っていたのか?





劇場版『Reflection』『Detonation』編
     制作決定!!
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