「観念しなさい」
「…!」
やる…か…!?
「で、どうして八神家の前にいたんだ」
「八神はやてさんが気になて…」
「それは本当か?」
「は、はいぃ!」
(顔が近い!顔が近い!顔が近い!)
実は最初は抵抗する気でいた。
だが扉を開けて出てきたシグナムさんの顔を見た瞬間、突如脳裏に映し出された存在する過去の記憶…!
「おい!もっと走らんか!」「剣を腕で抜くな!腰を使え!」「魔力に頼りすぎだ!」「ほら!さっさと動け!」「魔力操作に集中しすぎだ!」「敵は平気で痛いところを突いてくるぞ!」「魔力だけを伸ばすな!体も頭も鍛えろ!」「休んで死ぬか死ぬ気で動くかどっちか選べ!」「そんな柔な剣で生きて帰れると思うな!」「私から一本取るまで帰さんぞ!」
これは…俺がまだ局に入ってすぐに味わったシグナムさんとの訓練の時の記憶!動きを止めれば殺されるそうになり、チンタラ動けば殺されるそうになり、下手したら殺されそうになり、上手くできても殺されそうになり、自分の痛いところを平気で突いて殺そうとしてくるこの記憶…!
【この間僅か0,2秒】
こりゃ無理だぁ〜!
「降参…します…。何もしません…全てを話すので…命だけは…ご勘弁を…!」
「…オマエは何をそんなに怯えている?」
「知らないわよ。…とりあえず家へ上げて話を聞きましょう」
こうして今に至る。
こうして今に至る前にシャワーに入れてくれたり、ザフィーラさんの服を貸してくれたり、温かい飲み物をくれたり色々してくれた。デバイスは没収されたが。
「主とはどういう関係だ」
「お金を出してる親戚からはやてさんの話を聞いてやってきました。別に危険な目に合わせようとかはありません」
嘘です。未来から来たとか言えんだろ。
「このデバイス…謎の技術が使われているけど、それについては?」
「俺の魔力が特殊なんで、それに合うロストロギアを加工してねじ込みました」
これはマジ。どこの世界に闇魔法と世界樹魔法に対応できるデバイスがあるよ。ミッドにある訳ないだろ。という事で上に話をつけて管理局に保管してある2つのロストロギアの使用許可をもぎ取って、俺専用のデバイスに改造した。
「どこで私達のことを知ったのかしら」
「そこの魔導書型デバイスを作る時に闇の書について調べたんですよ。そこでヴォルケンリッターについて知れたんですよ」
めっちゃ嘘です。めっちゃしごかれて実戦の心得を叩き込められました。
俺が仕事で生きてこれたのはシグナムさんのおかげっす。皆さんのおかげで短・中・長距離対応のオールラウンダーになれました。
その他にも話せる事を洗いざらい話した。話せる事を。
おかげで少しは信用してくれたかな。
「…時間だな。私は主迎えに行くこう」
気がつけばもう5時。シグナムさんはカバンを持ってはやての所へ迎えに行くらしい。その間、俺はこの家で大人しくしておくそうだ。
守護騎士達は俺を“危険性はない”と決定したらしいが、最終的な判断は全て主であるはやてに委ねるらしい。
(ついに10年前のはやてと顔をお合わせる事になるのか…)
〜いろいろ補足コーナー〜
主人公は管理局に入った直後、新人教育として守護騎士たちにめっちゃシゴかれた。これは“エースばかりに負荷をかけないために局員の強化”という名目で行われたものだった。
結果として、その年の新人はめざましい活躍をするのだが、自主退職する者も続出したため廃止された。