(あぁ〜緊張する〜!こういう時は素数を数えればいいんだっけ)
リビングに座らされ、守護騎士達に監視されて過ごす。静かな部屋では時計の秒針の音のみが響いていた。
(1、3、5、7、11…11?…なんか大事な数気がする…)
素数を数えてすぐ。頭の中で何かが引っかかる。この「11」という数が何かの警告に聴こえて仕方ない。
「ッ!今は何日ですか!?」
「どうした急に」
ちっちゃくて可愛いヴィータさんが若干引いたように聞き返してくる。
「いいから、今は何日何ですか!」
「11日だけど。それがどうかしたか、っておい!」
今日は11日だと?!不覚だ!10年後の世界で見たはずじゃないか!
ヴィータさんの手元に置かれているデバイスを取り返し、窓ガラスを蹴破って外へ出る。
『9歳の車椅子の少女、交通事故で死亡。 海鳴市』6/11
この日、何処かではやては交通事故で死んでしまう!
「バリアジャケット起動!来い“クロ”!“コン”!」
携帯型デバイスのボタンを押す。するとデバイスから白い光の帯が全身を包み、黒いロングコートのバリアジャケットを身につける。まだ細かいサイズ調整はできていないが、今の身長には合わせている。多少動きにくいが許容範囲内だ。
刀型デバイス〈黒の暴牛〉、魔導書型のデバイス〈金色の夜明け〉を展開。刀を手に持ち、魔導書は俺の周りに浮いている。
この世界にはリンカーコアを持つ者が少なくて助かった。携帯型のデバイスで周囲2km圏内にある全てのリンカーコアをソーナーのように表示させる。
(シグナムさんが迎えに行くと言っていた。だとしたらこの中で2つが一緒に移動しているもの…あった!)
ここからそう遠くない距離だ。全身に黒い魔力を纏って表示された方向へ飛ぶ。
「フハハハハ!やっとこの時が来た…まずは1人目だ」
目に入ったのは黒いキモノ?という地球のニホンに伝わる伝統の装束に身を包んだ男が身の丈程ある大刀を持ち上げ、魔力を圧縮して溜めているだった。
「月牙!」
「ッ!」
(目測30m!ここからじゃ斬撃の瞬間に間に合わない!だったら魔力を飛ばして防ぐんだ…!)
一度足を止め、クロを腰に当てて構える。
普通の斬撃じゃダメだ。闇魔法の欠点は極めて遅い所にある。
イメージしろ…“薄くて素速い斬撃”…!
「天穿!!!死ね!八神はやて!」
闇魔法〈闇纏・無明斬り〉
「なに?!」
イメージは魔力を通じて形となる。
俺の“薄く素速い斬撃”のイメージは形となり、威力半減・時間にして0,5秒のみの斬撃となったが相手の腕に命中。傷はつかないものの、急な衝撃に溜めた魔力は散った。
動揺している隙に相手の顔を左手で鷲掴み、人気のない場所まで飛んだ。
はやてside
「ん?」
「どうかされましたか?主」
アリサちゃん家で一緒にお茶をした帰り道。
空に何かを感じて見上げてみる。私の車椅子を押してくれているシグナムは不思議そうに聞かれる。
「いやな、さっき、流れ星が通らんかったかな〜って思うて」
この違和感を言葉にするなら流れ星。ピカッと光って何処かへ去っていった。
「流れ星…とは何ですか?」
「あれ?話したことなかったっけ?たま〜に見れるお星様で見つけたら消えるまでに3回願い事を言うと願いが叶うっちゅうもんや」
「へぇ。主は何を願うのですか?」
「そりゃあ…もちろん、家族の安全やろ」
あの流れ星は何か他人の気がしなかった。
よく見えなかった。それでもあの星の安全を思ってしまう。
「そういえば、今日はおかしな少年がウチに訪ねて来たんですよ」
「へぇそうなんや。どんな子?」
「少し不思議な子でしたが…おそらく、主と仲良くなれるかもしれません」
「家におるんやな?今から会うのが楽しみやわ〜」
どんな子なのだろう。最近はミッド関係の人とも交流が増えてどんどん友達が増えていく。
「それにしてもいつまで車椅子乗らなあかんの?」
「シャマルが言うには明日からは杖デビューとのことです」
「そうなんや。頑張らなあかんな!」
ちなみに、私は複雑な事情がありつい最近まで車椅子だったのだが、今はもう歩けるようになっている。
では何故今車椅子に乗っているのかって?
それは任務で少し無茶をしてしまい、両足を痛めてしまったからだ。それも今や回復し、明日から杖だ。リハビリ、頑張るぞー!
はやてside out
〜いろいろ補足コーナー〜
・バリアジャケットはクロノと同じタイプです。
・今回の無明斬りはワールドトリガーの生駒旋空モチーフです。
・いつ「この作品の時系列がA’s」だと言った?