死んだら生きてた。
つまり生まれ変わりってやつだ。
数年生きているうちに、この世界について知った。
あ、ここエルデンリングの世界だって。
永遠の女王マリカ
最初の王ゴッドフレイ
満月の女王レナラ
なーんて、初めて聞いた時は絶望した。
俺は若くして死んだけど、それでも突然の死とは縁遠い日本で育ったんだ。
それなのに生まれ変わったら死にゲーで有名なフロムのゲームかよって。
しかもフロムのゲームはストーリーの説明が完璧じゃない。
プレイヤーに考察の幅を持たせているんだ。
そんなにゲームの考察とかする方じゃない俺は、
エルデンリングを一通りプレイしたにもかかわらず、
ほとんどストーリーを理解していなかった。
流石に陰謀の夜とか破砕戦争とかは知ってるけど、詳細なんて分からない。
つまりエルデンリング粉砕不可避なわけだ。
終わりじゃん。
第二の人生。
あれから。
色々調査した俺は今がどんな時代かを掴んだ。
マリカとゴッドフレイの子供3人は既に生まれている。
ラダゴンも既に存在していて、カーリア王家を侵略しているらしい。
ちなみにラダゴンとマリカは同時に存在していない。
双子トリックかよ。
ちゃんとクリアしといてよかった。
これはどういう事情か理解できた。
そしてゴッドフレイは追放済みだ。
つまり、現状王都には王も女王も不在だ。
その間の治世は幼いゴッドウィンがやっている。
さすがは神人。
でも、ゴッドウィンはなんかちょっと変。
機械的というかなんというか。
善良で優秀なだけの人形って感じ。
本当に感情とかあるの?
俺は普段マリカのお付きみたいなことをしている母の子供だ。
マリカ不在の今ゴッドウィンの警護をしてる母に付き添っている。
その俺が変だと感じるんだ。
多分なにかあるんだろうな。
……もしかして二本指の化身的な感じなのかな?
まさかな。
ちなみにマルギットとモーグにも会ったことある。
地下に幽閉されてるとはいえ快適な環境だ。
マルギットは凄いしっかりした子に育ってるし、
モーグも別にまともに感じる。
でも本編ではショタ誘拐犯なんだよな。
そんなことする子には見えませんでした、ってやつ?
とりあえず自分の死の運命だけは避けなきゃな。
今生では長生きしたいし。
あと、エルデンリング砕かれると狭間の地の住人はおかしくなるらしいから、
それまでに褪せ人になるか砕かれるのを阻止するかしたい。
ゲームは一週しかしてないからどんなルートがあるかは何となくしか知らない。
だから俺が知っているルートの唯一まともな人に頼ることにしよう。
みんな大好きラニ様だ。
というわけでカーリアとの戦争が終わるまでは情報収集に努めるかな。
幸いその技術は長けているわけだし。
あっ、ちなみに俺の今生での名前はティシーね。
みんなお世話になったでしょ?
応援してくれよな
ラダゴンがレナラと結ばれた。
普通敵の将軍と結婚するかね?
まあしてもらわないと困るけどさ。
ラニ様生まれないし。
あれから数日たった。
友好の証としてラダゴンとレナラが王都にきた。
ラダゴンとレナラは別々にマリカに謁見。
明らかに変だけど誰も突っ込まない。
まあマリカは絶対だしね。
俺だって心の中では呼び捨てだけど普段はちゃんと様付けだ。
じゃないと処刑される。
それくらいの絶対者なのだ。
謁見は終わり終戦パーティーへ。
パーティーは1週間続くらしい。
母がマリカの厳重警護体制にはいったので、
俺は訓練タイムだ。
黒き刃として恥じない実力をつけなさい、と言われているが、
それだけじゃあいつか死にそうだ。
もっと強くならないとな。
ゲームでの母撃破の推奨レベルは確か100。
ラスボスは120だったはず。
つまり母の1.2倍は強くならないと不安だ。
あんな人間のクセに蟲みたいに身軽で熊みたいに怪力で、
一切冷静さを失わない母の1.2倍?
ゲームですら岩の上に立って魔術で嵌めなきゃ勝てなかったわけだが、
実際に見ると無理ゲー感マシマシだ。
まあ鍛えるけど。
頑張って強くなろう。
そうすれば逃げられるかもしれんし。
パーティーも終わり通常運行。
すごく平和だ。
こんな毎日が続けばいいな。
……続かないと知ってて言う場合もフラグって言うのかな?
鍛えつつ数年。
ラニ様が生まれた。
国を挙げてお祝い。
お祝いの最中にラダゴンと会話した。
ゴッドウィンと似た雰囲気だった。
模範的なキャラクターというか人形じみているというか。
マリカとも会話したことあるけど、割と人間臭さを感じた。
自分で追放したくせにゴッドフレイへの愛があふれてた。
でも同一存在のはずのラダゴンからはそういった執着のようなものを感じなかった。
つまり体が同じだけで精神は別ってこと?
わけわかんね。
神様ってのは大変だな。
その後ラダーンが生まれ、また数年後ライカードが生まれた。
そしてラニ様がある程度成長してレナラと同等以上の魔術師だと噂されたころ、
ラダゴンがローデイルに帰ってきた。
これ、諸々知っている俺だから事情を理解できるけど、他の人は大混乱だろうな。
実際カーリア王家の威光は陰り、レアルカリア学院との戦争が勃発した。
マリカは知らん顔してラダゴンと結婚。
ラダゴンを王にすると宣言した。
マリカの従者である母ですら眉をひそめていた。
そりゃそうだよね。
そんですぐマレニアとミケラが生まれた。
2人とも人外めいていたが、特にミケラは不思議な雰囲気を纏っていた。
マリカの生き写しのようだ。
愛情の対象がゴッドフレイとマレニアと違うから別人なんだろうが。
色々と世界の情勢が荒れたが、マリカがラニ様とラダーンとライカードを
デミゴッドとして迎え入れた。
それによりマリカの軍勢の参戦を危惧したレアルカリア学院が停戦を打診。
すでに壊滅状態のカーリア王家は受け入れ、両者は不干渉ということで決着した。
便宜上レナラが両方のトップのままだが、狂ってしまったので完全にお飾りだ。
とはいえ処分はされないだろう。
ラニ様の存在があるからね。
それから、ゴッドフレイの親戚ということでゴドリックがデミゴッドとして迎えられた。
マリカはゴッドフレイが好きすぎる。
その愛情をモーゴットとモーグにも分けてやれよ。
なんでかモーゴットは真っ当に育ったが、モーグは案の定ぐれたぞ。
知ってたけど。
結構な年月もたち、前世の俺の年齢を超え、ラニ様がムチムチに成長したころ
(ラニ様オリジンは赤髪のムチムチ美女だ。顔はレナラそっくり)
成長したラダーンがケイリッドを任され、武勲を積み上げた。
重力魔法を覚えたりサリアを救う為に外宇宙の存在を打ち破ったりしてた。
一度話した感じ、気のいい武人といった感じだった。
でもゴッドフレイに憧れが強く、結構荒々しいというか、物騒な人だった。
せっかくなので模擬戦を挑んでみたが、軽く遊ばれて終わった。
この人ってマレニアと同格かちょっと上なんだよね?
未だに母を超えられないから厳しいとは思ってたけど、想定以上だ。
そして、ライカードが結婚をして、日陰城の城主がマレニアのストーカーと化した頃。
俺は立派な黒き刃として成長していた。
何人も政敵をころころしたものだ。
とはいえラダーンには勝てそうにないけれど。
当初の目的は強くなって陰謀の夜の前に黒き刃を抜けることだったが、
それは無理そうだ。
普通に捕まって処刑されるだろう。
よって切り替える。
原作のティシーは陰謀の夜で母の身代わりになって死ぬらしいから、
身代わりにならなければいいのだ。
母には悪いがスパルタで放任主義の貴方より自分の命だ。
別に嫌いなわけではないけれどね。
まあ母の優先順位もマリカ>俺なわけだから許してちょ。
というわけで陰謀の夜前夜。
強制的に巻き込まれる俺。
これは予想してた。
しかし、作戦に同席しているメンツには驚いた。
月の女神ラニ
法務官ライカード
黒き刃の長アレクトー
永遠の女王マリカ
この4人だ。
マジかよお前。
マリカってゴッドウィンが死んで狂ったんじゃなかったの?
それでエルデンリングを砕いたってトレーラーでラニ様が言ってなかった?
しかし黒き刃が動くということはマリカの命令ってのは予想できたか。
でもなあ。
どういうこと?
母のそばに立ち、会話を聞く限り、ゴッドウィン暗殺も作戦のうちだった。
原作の結果は事故とかではないらしい。
あとなんか二本指の端末?らしい。
ゴッドウィンとラダゴンが。
あらー。
ゴッドウィンは死産のはずが二本指の端末になったとか。
だから殺してやって欲しい、だと。
んで、ラダゴンは自分が封じ込めるから邪魔はさせない、とも。
そんなことできるんか。
そしたらラニ様が自分は二本指と決別するから一度死ぬ、と言う。
見返りにゴッドウィンを拘束するとも。
ライカードは法務官の立場を使って、狙いやすい場所にゴッドウィンを誘導するとのこと。
そして下手人は黒き刃とのこと。
一番危険じゃないですかヤダー。
作戦の大筋が決まったら。
マリカがマリケスに指示して死のルーンを欠片を貴方に預けるように言ったからよろしく、
と言ってきた。
貴方ってのは俺のことね。
糞が。
俺マリケス苦手なんだよね。
話したことは無い。
ゲームで大苦戦したから苦手なだけ。
とはいえマリカの命令なのでマリケスは疑うことなく俺に死のルーンの欠片をくれた。
それを母に渡した時点で陰謀の夜開始。
作戦通り奇襲しやすい場所に居たゴッドウィンをラニ様の魔術で拘束し、
黒き刃数人で押さえつけ、俺が刃を突き立てた。
ゴッドウィンは死んだ。
死に際すら人形のようだった。
そしてゴッドウィンを滅ぼす死のルーンをラニ様がどうやったかわかんないけど、
半分肩代わりした。
目の前でラニ様の体が死に侵されていく。
ラニ様は俺たちに感謝を告げて消えた。
神授塔に転移したんだろうな。
俺達はそれを見届け、現場を後にした。
そして追っ手に追われる。
この最中に俺は死ぬはずだ。
母の封牢はリエーニエにあったからそこを目指す感じかな?
だったらリエーニエ湖で逸れた振りをして離脱しよう。
そんなことを考えながらデクタスの大昇降機で降りていると、視線の端に光が見えた。
追っ手か!?と思い距離を取る。
すると腹が熱くなった。
あれ?
刺された?
なんで?
先程の光に視線を向ける。
鏡だ。
そして反対側からの刺突。
なるほど、狙われたのは俺か。
そりゃそうか。
俺がマリケスから死のルーンを借りてるもんな。
狙われるに決まってる。
母を庇って死ぬと思い込みすぎてた。
実際、避けた先に母がいたから庇うような形にはなったけれども。
あーくそ。
刺されただけの痛みじゃない。これは毒だな。
死んだな。
母の顔が真っ青になってる。
マジかよ。
そんな顔できたんか。
それを知れただけでもいいかな、なんて思えた。
あーくそ。
もう少し生きたかったな。
原作のラニ様にも会いたかった。
後悔だぜ。
痛みが薄れ、眠気に襲われる。
もう限界のようだ。
今までありがとう母さん。
貴方は死なないでね。
なんて言ってみる。
まるで英雄の死に際だな。
まあいっか。
前世より長生きできたし。
というわけでおやすみなさい。
目が覚めた。
なんか生きてた。
でも母が若返ってる。
俺も小さくなってる。
もう一回遊べるドンってことか?
途中セーブ無しかよ。
糞が。
祝福寄越しやがれ。
本作のマリカはゴッドウィンが死んで狂ったふりをしてエルデンリングを砕いてゴッドフレイに帰ってきてもらって王になって欲しい、という考えで動く周りの迷惑を考えない人です。金仮面ー!はやくきてくれー!
自分が男なので男の内面しか書けないけど恋愛書けないから主人公女にしがち問題。