【褪せ人くん視点】
ラダーン将軍を倒した後は自称ラニ王女の依頼を果たすらしい。
正直、狭間の地の為にもティシーさんには一刻も早くエルデの王になって欲しいのだが、
彼女は自称ラニ王女の従者だ(自分もだが)。
なのでまずはノクローンの秘宝を取りに行く。
落下に気を付けながら進むのは神経がすり減りそうだ。
黒いスライムのような敵をスルーしながら進み、
何故かティシーさんに装備を取り上げられつつ奥へ行くと、
自分そっくりの敵が現れて驚いた。
何から何まで今の自分そっくりだ。
攻撃手段が素手しかないところも。
なるほど、装備を取られたのはそういうことか。
ティシーさんは本当に詳しいな。
流石破砕戦争前から生きているだけある。
あれ?
この場所の封印が解けたのはつい先程のことじゃあ……。
まあいっか。
その後、ナイフのような武器を入手してラニに渡す。
用は終わったと伝えられるが、ティシーさんに言われるまま追うことに。
ティシーさんがここまで付き従うということは、本当にラニ王女なのか?
てっきり軍師イジーはボケたのかと思っていたが、本当に?
……まあいっか。
別に本物でも偽物でも。
一人でいるよりティシーさんと一緒の方が安全だし、強くなれる。
離れる理由が無い。
レナの魔術師塔の封印が解けており、ワープ装置を使用する。
空が見えない不思議な場所にでた。
ここはノクローン同様地下世界か?
付近を探索すると、小さな人形をみつけた。
ラニにそっくりだった。
ティシーさんに相談すると、ニヤリと笑った後、人形をひっくり返した。
瞬間、ティシーさんが吹っ飛んだ。
そして
「友よ、好奇心は猫をも殺すという言葉の意味を身をもって知りたいのか?
次は無いぞ」
という声があたりに響く。
どうやら小さな人形はラニ自身だったようだ。
……あの表情、分かってたよな。
結構いたずら好きなのかな?
というか仲いいな。
吹っ飛ばされたのに肩に乗せて歩いてるよ。
ラニに言われるまま奥に行くと、ブライヴと同じ見た目をした敵が出てきた。
思わず動揺するが、ティシーさんに注意され気を取り直す。
さっき自分そっくりの敵が出たばかりだろう。
同じようなものだ。
敵を倒すと、また別れを告げられるが、同時に鍵を落とした。
何の鍵だろう、と首をかしげると、レアルカリア学院の書庫で使う鍵だよ、
とティシーさんが教えてくれた。
レアルカリア学院の書庫か。
気になる。
野心潰えた身だが、魔術に深淵に触れてみたい気持ちはある。
もちろん、身の危険が無いレベルで、だが。
じゃあ行こうか、レアルカリア。
と、言われたので頷いた。
奥に行き、なにやら禍々しい湖の祝福からリエーニエに移動した。
以前、私1人ではとても敵わなかったドラゴンを圧倒した。
ティシ―さんが強いのはもちろんだが、私も強くなっている。
源流なんかに至らなくとも竜を狩れるのか。
やはり魔術は素晴らしい。
鍵を入手し、レアルカリア学院へ。
感慨深い。
若い頃の自分はここを目指していた。
同じ魔術師である私は、しかし歓迎されなかった。
正規の手順で入ったはずだが、挨拶は輝石の魔術だった。
封印されていたとはいえ狭間の地の住人。
一部を除いておかしくなってしまっているようだ。
降りかかる火の粉は払わねばならない。
私とティシ―さんは敵を倒し、避けつつ進む。
途中で赤い狼を倒し、鉄球を避け、カーリアの騎士を倒し、書庫へたどり着いた。
そこには、カーリアの英雄、満月の女王レナラ様が居た。
カーリア城館で育った私にとっては雲の上の存在。
魔術師は皆彼女に憧れて杖を取ったのだ。
私もその例の漏れぬ。
神の如き力と祈祷を使うラダゴンと美しい満月の魔術で渡り合い、
黄金樹の軍勢と停戦を結び、ラダゴンを迎え、同盟を組んだ。
人の身である彼女1人の魔術で永遠の女王マリカと並び立ったのだ。
私たちの世代の魔術師にとって、神とはレナラ様のことだ。
だからこそ、私にとっては衝撃の事実だった。
レナラ様が狂っているなどということは。
碌に魔術を使わないレナラ様を倒し、
ラニ王女の仕掛けで現れた幻影を倒した。
所詮幻影。
本物には遠く及ばないはずだ。
倒した後、ティシーさんから聞いた。
レナラ様が狂った理由を。
ラダゴンの裏切りを。
正直、信じられなかった。
あのレナラ様が、大英雄が夫に裏切られたからって、狂うなんて。
何かがおかしい。
が、すでに終わったこと。
今更元通りになんてならない。
ならば、せめてもの弔いが必要だ。
初めて、この旅に心からの目的を得た。
ラダゴンを倒す。
どっちにしろ目的地は王都だ。
私は、私の理想を守る。
幻影はレナラと同等です。
狂い続ける理由はともかく、
レナラはラダゴンに裏切られておかしくなったのでしょう。
ですが、褪せ人くんはそれを認めません。
まあ別にそれでも問題は無いんですけどね。
やることは一緒ですし。