さてモーゴット戦。
しれっと白サインを出しているメリナを召喚。
「やるべきことは終わった?」
と聞くも頷くのみ。
目の前の戦いに集中しよう、とでも言いたげだ。
ふむ、正論だ。
じゃあ行こうか。
遺灰の召喚を行ってから王座の間へ。
すると奥からモーゴットが現れた。
「祝福なき褪せ人よ。
王の座に、何の用がある。
ああ……、
黄金のゴッドウィン
天賦の双子、ミケラとマレニア
将軍ラダーン
法務官ライカード
月の王女、ラニ
そしてティシ―、
女王の側近だった貴様もだ。
まつろわぬ、裏切り者共。
お前たちは、皆、同じ。
野心の火に焼かれた、略奪者よ。
……愚かな墓標に刻むがよい。
最後の王、モーゴットの名を!」
台詞なげーな。
あんな良い子だったマルギットを殺すのは気が引けるな。
まあ俺は暗殺者なので仕事だと思えば平気だけど。
しかし、メリナの存在に驚く様子は無い。
つまり俺が知らなかっただけという訳でもないようだ。
それに、なんというか、
マルギットは母の顔を知らない。
幽閉されていたからね。
だから瓜二つの俺やメリナに対しても反応しない。
絵画は見たことあるだろうが、齟齬はどうしてもあるしね。
悲しいね。
さて、モーゴット戦はマルギット戦同様、
ディレイが酷いだけで、知っていれば対応は難しくない。
精神的に俺がヘイトを取っているし、なんと俺は写し身で2人いる。
怒りの突進モードだ。
褪せ人くんは安心して魔術を打てる。
いざとなったらメリナの回復もある。
アステールに比べれば対処しやすい攻撃が多い。
死の刃を放ち割合ダメージを押し付ける。
また、写し身がタゲを取っているタイミングで腐敗ブレスも放つ。
……流石に避けるか。
腐敗が入ったら楽だったのに。
君主軍を押し返しただけのことはある。
だが、俺ばかり見ていると危ないぞ、モーゴット。
モーゴットの顔面に岩が3つヒット。
モーゴットは倒れ、忌み子としての力をあふれさせる。
炎のようなエフェクトと共に武器に属性が付与される。
だが、俺も褪せ人くんも盾は使わない。
つまり問題なし。
岩石弾は強い。
死の刃も強い。
メリナの祈祷による援護も心強い。
勝利は近いな。
とはいえ油断はしない。
アステール戦もそういう油断から死にかけた。
知らない攻撃が来る可能性も考慮して慎重に立ち回る。
と、雷の祈祷からの突き攻撃。
そしてそのまま素早い5連撃。
知らない攻撃パターンだ。
アステール戦の経験がなかったら死んでたな。
やるじゃんマルギット、じゃなくてモーゴット。
でも、もう終わりだ。
最後の一撃は死の刃にて。
せめて苦しまぬように。
モーゴットは倒れた。
「……。
……ティシ―よ、教えてくれ。
どうして母は私を拒む。
いや、私だけではない、どうしてだれもエルデの王になれぬのだ。
我らは、見捨てられたのか?」
「マリカは神を辞めたんだよ。
だから、黄金樹の時代はもう終わったんだ。
君も、モーグのアホみたいに、母親なんて捨てちゃえればよかったのにね」
「……やはり、そうか。
だが、私はこの世界を愛している。
だから、後悔は無い」
「そう。
じゃあ、お休み、マルギット。
次は最後まで友達でいれると良いね」
マルギットは最後に軽く笑い、息を引き取った。
さて、あとは茨に拒絶された後メリナに割符を貰って山嶺へGOだ。
まあその前にすずらん集めに行くけど。
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【褪せ人くん視点】
正直、私は今まで自分のことを正義の味方のようなものだという認識だった。
ゴドリックは傲慢で残虐で民からの信頼も無かった。
ラダーンは腐敗によって狂ってしまい、介錯が必要だった。
レナラ様との戦いは、いつかラダゴンを倒すという決意を抱いた。
ラニ嬢の指示とはいえ、巨大な蜘蛛のような化け物を倒す際には、
ピンチに陥ったティシーさんを助け、初めて彼女の役に立ったように気がした。
……それまでに赤面ものの状況が何度かあったが、それは割愛。
目の前でラニ嬢とティシーさんの絆を目撃し、
まるで物語の英雄の旅に同行しているような、そんな気分でいた。
しかし、ラニ嬢が旅立ち、エルデの王となるために、
王都ローデイルに入ってからは、少し様子が変わってきた。
正確には、最初の王の幻影を倒した後からだ。
ティシーさんの元同僚。
黒き刃マキは女王マリカに忠義を尽くしていた。
忌み王モーゴット。
忌み子として生まれた者の運命は想像に難しくない。
それなのに、彼は黄金樹の守護者として私たちの前に立ちはだかった。
今の世界は混沌に落ちている。
修復する為には新たな王が必要だ。
しかし、それは古い時代、かつての王政の終わりでもある。
たとえ間違っていたとしても、守りたいものがある。
それもまた、その人にとっての正義だ。
つまりこの旅は、単純な正義対悪ではないということだ。
では私のやりたいことは何だ?
そもそも偶然この狭間の地に戻って来れただけの男だ。
元は罪人。
とはいえ魔術の源流を目指しただけで、未遂だったが。
しかし、今となっては興味も無い。
魔術の強さは好きだが、源流には大して興味もない。
なぜなら、魔術の源流に達したルーサット師が、
私と協力したからといって竜やアステールに勝てるとは思えないからだ。
魔術の源流よりも、鍛え上げた1人の人間の方が強い。
ならばこだわる必要もない。
私は縁あって出会ったティシーさんの強さに庇護されてきた。
その旅の中でラダゴンを倒すという目的を得た。
レナラ様の無念を果たすのだ。
ではその後は?
流石に復讐を果たせれば死んでもいい、なんてメンタルではない。
その先も生きるつもりだ。
そうだな、せっかくだし、やりたいことでも探そう。
黄金樹に拒絶されたせいで、まだまだ旅は続きそうだし。
ティシーさんが王になった、その後のことを。
とうとう終盤です。
モーゴットはかなり好きなキャラです。
ディレイはうざいけど。
最後にマルギットが笑った理由は各自の解釈に任せます(フロム式)