【褪せ人くん視点】
モーゴット撃破後、
遺灰を強化する為に墓すずらんを集める旅に出た。
黄金樹を焼くという冒涜に心を乱されながらも、
黄金樹自身が時代の継続を望んでいないというのならば、
致し方ないとしか言えない。
リエーニエでヴァレーの襲撃をきっかけにモーグウィン王朝へ。
どことなく怪しい雰囲気は感じていたが、まさか血の指だったとは。
その後、ティシーさんが個人的に怨みのあるというモーグを撃破。
馬乗りになってめった刺しは怖かった。
親でも殺されたのかな?
モーゴットと兄弟らしいので、因縁はありそうだ。
まあ余計な詮索はしない。
長生きする術だ。
すずらん回収後、王都ローデイルから禁域という場所を通り、
巨人たちの山領へ。
ここでも地下墓地に寄ってすずらんを回収する。
どこからでもモーグウィン王朝へワープできるアイテムを手に入れたおかげで、
ダンジョンの探索がグッと楽になった。
こんな使い方普通は思いつかない。
流石はティシーさんだ。
そして砦を経由して火の炉を目指す。
途中でクララの妹の亡霊と会った。
今まで非常に世話になったクララに恩返しができたような気がして嬉しかった。
効率主義なのに寄り道してくれたティシーさんに感謝を。
更に奥に進む。
黄金樹の化身、氷のブレスを吐くドラゴン、巨人を無視しながら。
すると、安息教会という場所に到着した。
火の炉にかなり近い。
ここで一息つこうと思ったが、ティシーさんは戦闘態勢を解いていない。
おや?と思っていると侵入が入った。
ラダーン祭りで会ったことがある。
翁だ。
今思えば、使う技はモーグのものと似ている。
復讐だろう。
血の刃の範囲が広く、かなり強い戦士だったが、二対一。
問題なく撃破した。
さて火の炉へ行こう、と思ったら待ったが入った。
強力な魔術を手に入れてから挑むぞ、とのこと。
そんなことを言われたら断れない。
そこから秘割符を2枚手に入れて聖別雪原という場所へ。
なんでティシーさんはこんな場所のことを知っているのだろう?
ソールの城砦はともかくしろがね村のアルバス老のことは?
うーむ。
まあいいか。
強力な魔術が気になる。
聖別雪原イエロアニスの坑道へ。
二体の白王が厄介だったが撃破。
ボスは前にも戦ったことがある敵だった。
別個体だろう。
以前とは違い分身攻撃を行ってきたがティシーさんはあっさり回避していた。
私は相変わらず岩石弾を撃つだけだ。
ルーサットの輝石杖で放つ場合も、もう片方の手に隕石の杖を持てば、
岩石弾の威力が上がることは検証済み。
こちらの火力が上昇したこともあり、苦戦はしなかった。
そして入手したのがアステールメテオという魔術だ。
この魔術も隕石の杖で威力が上がるようだ。
なんか私って敵に岩をぶつけてばかりな気がする。
まあ強いから良いけれど。
そして満を持して火の炉へ。
今まで会ったことどの巨人よりも大きい。
これが古の支配者。
ゴッドフレイに打ち破られし巨人族か。
現状の奴隷と化している巨人とは段違いだ。
しかし、足を負傷しているのか、ティシーさんの作戦通り足を集中攻撃したら倒れた。
その隙を見逃さずアステールメテオを放ったら撃破できた。
この魔術は本当に強い。
今の私ならティシーさんにも勝てるのでは?
……いや、無理か。
相手が大きいからここまで当たるんだ。
あのステップで距離を取られたら当たらない。
その後は魔力切れした私が切り刻まれて終わりだ。
そもそも魔術師というのは前衛がいてこそ輝く。
今倒した巨人だって一対一だったら相手の攻撃を避けれず一撃で負けるだろう。
前衛への感謝を忘れないようにしなくては。
そして、火の炉へ行き、メリナに言われるまま手を握った。
目が覚めたらなんかとんでもない所にいた。
横に居たティシーさんに此処は何処だと聞いてみても、首をかしげるのみ。
メリナは何処に行ったと聞いても、分からないと言われた。
とりあえず進もう、と。
私は頷き、杖を手にした。
物凄く足場が不安定な場所だ。
敵も強い。
獣のような敵に数えきれないほどのドラゴン。
ドラゴンは残り少ないはず。
ここは過去の世界なのか?
しかし、祝福がある以上エルデンリングが砕けた後の世界であることは間違いない。
うーむ、ではこれだけのドラゴンはなぜこの壊れかけの空飛ぶ島で大人しくしているんだ?
何もかもよく分からない。
とりあえず進む。
足場に気を付けながらティシーさんの後についていくと、広い建物に出た。
すると、2体の敵が現れた。
白い見た目の敵だ。
強そうだが、ティシーさんが投げた眠り壺で2体とも眠ってしまった。
流石に寝ている相手に苦戦などしない。
無事撃破後奥へ。
ストームヴィル城にもいた鳥が飛びまわるエリアには肝を冷やしたが、
特に負傷なく先に進み、ツリーガードを倒した。
その後、黒き剣のマリケスという伝説上の戦士と戦闘。
初めて撤退した。
焦っているティシーさんというのは珍しい。
最初に戦ったアステール以来だ。
そして、マリケスが死のルーンを封印しているという事実を知った。
死のルーンが解放されなければ不死たる黄金樹は完全に焼け落ちることはない、
とティシ―さんは言う。
つまりマリケスを倒せば黄金樹を燃やす為に必要な封印を解けるわけだ。
なんと都合のいいことか。
いや、そうなるようにメリナが仕向けたのか?
というかメリナはどこだ?
何をしている?
もしや。
いや、なるほど。
それが彼女の使命か。
その身を使い、世界を燃やす。
そういうのもあるのか。
昔の私だったら理解は出来ないだろう。
しかし、今なら……。
さて、作戦を立て再戦。
初めて大型の敵に単独で挑んだが、死のルーンを宿す前のマリケスはそれほど強くなかった。
ある程度削り、ティシ―さんも現れた後のマリケスは伝説通りの戦士であったが、
結局はティシーさんの作戦勝ち。
アステールメテオで援護をしたが、まあ少し決着が早まっただけだろう。
見事に死のルーンは開放された。
そして視界が暗転し、灰となった王都ローデイルへ転送された。
もうわけわからん。
しかし黄金樹は焼け落ちた。
あとは黄金樹の根本へ行き、王を継ぐだけだ。
だからもう気にしない。
さっさと進もう。
先へ進むと円卓にいたギデオンオーフニールと、彼の部屋の前に立っていた騎士がいた。
そういえば話したことなかったな。
というか円卓にもほとんど行ってない。
武器と遺灰の強化くらいしか用無いからなあ。
「……ああ、やはり君たちだったか。
単独では厳しいと考えエンシャを止めておいて正解だったな。
エルデンリングに見え、エルデの王になるのだな。
……しかし、残念だ。
その意志はよい、だが、達せられるべきではないのだよ。
女王マリカは、私たちに望んでいるのだ。
ずっと、足掻き続けることをね」
一方的にそう言って襲い掛かってきた。
騎士、エイシャがティシーさんへ。
ギデオンは私の方へ。
戦って分かったが、ギデオンは確実に私以上の魔術師であり、高位の祈祷使いだった。
しかし、自ら戦うようなタイプではないのだろう。
カーリアの速剣を避けれてないし、簡単に怯む。
相手の攻撃を避けて、隙を見つけ、一撃を差し込む。
そんな戦闘ではなく、指揮官としての戦闘がメインだったのだろう。
私は魔術師相手なら詠唱勝負をするより近接を挑んだ方が良いということを、
レアルカリア学院で学んでいた。
その経験値の違いが出たのだろう。
比較的あっさりと、私は勝利した。
「……私は、識っているぞ。
褪せ人は、王とはなれぬ。たとえ、君たちであっても。
……人は、神を殺せぬのだ」
そう言って息絶えた。
ティシーさんの方を見ると、既に決着はついていたようだ。
お互い顔を見合わせ、うなずき、先へ進む。
かつてモーゴットと戦った王座には、最初の王ゴッドフレイが居た。
幻影とは戦ったことがあるが、まさか生きていたとは。
「よくぞ、戦い抜いた。褪せ人たちよ。
黄金に祝されぬ戦士よ。
偉大なるエルデンリングは確かに、ここにある。
だが、私は帰ってきた。
再び、それに見えるために。
我が名はゴッドフレイ。
最初のエルデの王として」
非常に、非常に強い。
当たり前だ。
マリケスに負けるとも劣らない伝説の王。
いつも通り私がクララを、ティシ―さんが写し身の雫を召喚する。
そしてティシ―さんと遺灰が相手に接近して戦い、私が距離を取って岩石弾を放つ。
敵がこちらに標的を変えたらなりふり構わず走って逃げる。
そうすればティシーさんや遺灰の攻撃が鬱陶しくなった敵が私を無視する。
そして岩石弾を放つ。
最初の頃は簡単な仕事だと思っていたが、意外と難しい。
相手の動きを逐一確認し、危なそうだと判断したら詠唱を中断してでも逃げる。
見たことない動きをした場合はよく観察して遠距離の攻撃手段がないか見極める。
そんな動きを徹底することで今まで生き残ってきたのだ。
そして今回も。
クララは倒れてしまったが、ゴッドフレイは膝をついた。
しかし、そこからが本当の地獄だった。
「もう、よい。
ずっと、世話をかけたな、セローシュよ。
行儀のよい振りは、もうやめだ。
今より、俺はホーラ・ルー!
戦士よ!」
ゴッドフレイ改めホーラ・ルーは背後の獅子をはぎ取り、斧も捨てて襲い掛かってきた。
正直驚愕した。
攻撃の威力もそうだが、何より範囲だ。
あの地響きはどういう仕組みなんだろう?
範囲が広すぎて私や遺灰が甚大なダメージを負う。
早々と写し身の雫の遺灰も消えてしまった。
特にタイミングが取りづらい三連撃。
隙が大きい分欲張って魔術を放ってしまい、何発か貰ってしまった。
しかし問題ない。
前衛で戦っているティシーさんが祝福の記憶で撤退するまでは戦闘を続ける。
勝てる可能性が高いという証拠だからだ。
実際、今までマリケス戦での撤退を除き全戦全勝。
ならば私は信じるのみ。
岩石弾が当たり、ホーラ・ルーが膝をつき、
ティシーさんが流れるように背後に回り、首を狩った。
「褪せ人たちよ……。
その力こそ、王の故よ」
伝説の王は倒れた。
今更だが、二対一なのに泣き言を言うことはない。
ホーラ・ルーだけではない。
今まで戦った強者は全てそうだった。
何故なら、みな戦士だからだ。
勝利こそが至上であり、勝利の為になりふり構うことはないし、
その執念を愚弄しない。
私も一人の戦士として勝利をつかみたい。
今までのような付き人としてではなく。
私だけの勝利を。