【TS】無職転生 ルディ子 ss   作:みいけ

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web版 33話「旅の始まり」の真ん中あたりにあった記述がTSだったら……という感じのことを考えてみました。

下品な話になります。閲覧注意。
自分でも何書いてんだって思いました。

エリス→エリオット


2.「『デッドエンド』の洗濯番」

リカリスの街から逃れるように出発して、数日が経った。

最後にはノコパラのせいでごたつきがあったものの、

ルイジェルドと本当の意味で信頼関係を結ぶことができたし、悪いことばかりではない。

俺も自分の悪かったところを反省できたしな。

 

今後は冒険者ギルドのある街を移動していき、

魔大陸最南端の港町ウェンポートを目指すことになる。

そこからミリス大陸へと渡り、

さらに海を経由して中央大陸へと渡る旅程だ。

 

方針も具体的に決まったので、

あとは死なないように気を付けながら、

冒険者として金を稼ぎ、

生活基盤を維持していくことに注力することとなる。

 

さらに余裕があれば、スペルド族の悪評を取り除く活動にも力を入れたいところだ。

 

「ルーディア。薪は足りているか?」

 

と、周囲の警戒から戻ったルイジェルドが声をかけてくる。

今は街の中ではなく、何もない魔大陸の荒野だ。

周囲に魔物が居ないかの安全確認は、

もっぱらルイジェルドの仕事となっている。

 

俺の方は、目の前の土鍋で大王陸亀の肉を煮込んでいた。

土鍋はもちろん魔術で作り出したお手製品で、プライスレス。

使い終われば土に帰るので、旅の荷物を減らし、

環境にも配慮した優れモノだ。

 

このところ、硬くて不味いこの肉をどうにかして美味しく食べられないかと、試行錯誤している。

なるべく節約したいので、出来れば香辛料は必要最低限の塩味だけあれば良いぐらいにするのが理想だ。

 

「はい、大丈夫です。

もう少ししたら出来ると思うので、休んでてください」

「ああ」

 

あ、今の、なんか夫婦っぽい会話だったな。

狩りから帰ってきた戦士の夫と、

家で食事を用意して待つ幼妻。

550歳も離れた超年の差婚だが、

本人たちが愛し合っているからそれで良いのだ。

なんてな。

 

適当な岩場に囲まれているとはいえここは荒野だし、

狩りだって連携の練習も兼ねて3人で行っている。

それに、冗談でもこんな話を聞かせたらエリオットがヘソを曲げかねないし、ルイジェルドが本物のロリコンになってしまう。

 

チラリと横を見れば、少し離れたところでエリオットが洗濯をしてくれている。

家庭教師時代に頑張って教えた甲斐あって、

彼も初級水魔術・水弾を使えるのだ。

俺製の桶に溜めた水で汚れを手揉み洗いで落とし、

水気を切ってこれまた俺製の物干し竿に干す。

その後で、俺が温風を出して乾かすという流れだ。

 

当初は、それぞれの役割を固定にした方が効率的だというルイジェルドの意見もあったのだが、いろいろ話し合った結果、索敵以外の役回りは当番制ということになった。

 

いつ離れ離れになってしまうのかは分からないし、

冒険者として個人ができる技能は増やしておいた方が良い、

という判断だ。日本の会社で言う総合職的な考え方だな。

え? ちょっとちがう?

しょうがないだろ、

こちとら生粋のプロニートだったんだから。

 

ルイジェルドはともかく、

最初は、エリオットが面倒臭がって嫌がるかと思った。

しかし、意外にも彼はそうしたことに協力的だった。

 

まあ、ロアにいた頃からギレーヌの話を聞いて冒険者に憧れていたみたいだし、そこは良い。

しかし、やけに食い気味に洗濯のやり方を教えてほしいと言ってきた時には流石に違和感を覚えた。

ので、ここ数日なんとなく彼の動きをバレないように盗み見ていると、衝撃の事実が発覚した。

 

ある日、洗濯中のエリオットが何やら挙動不審に俺の様子を窺ってきたので、あえて無視して作業をしていると。

なんと、奴は俺のパンツの匂いを嗅いでいたのだ。

 

面積の小さい布切れを、まるで至高の宝のように両手で包み込み。くんかくんか、すーはー。

エリオットは、たいそうご満悦の様子だった。

 

これは作戦会議で議題に挙げるべきか……と思ったが、

俺はあえて黙っておいてやることにした。

俺のような体感年齢40越えのナイスミドルならいざ知らず、

純粋な思春期男子が槍玉に挙げられるのは辛かろうとの判断だ。

 

なに、俺とて元男としてその欲求を分かってやれる分、

エリオットの若い衝動くらい微笑ましいってもんだ。

ブエナ村の実家にいた頃には、ロキシーのソロプレイを経た御神体でロングブレスをキメていたことだし、親近感すら覚える。

 

ま、もし俺が男、エリオットが女っていうTS世界線なら、

俺はもっと上手くやって見つからないようにするだろうがな。

 

「ご飯、できましたよー!」

 

呼びかけると、槍の手入れをしていたルイジェルドと、

物干し竿に干し終わったエリオットが集まってきた。

エリオットめ、さっきルイジェルドが戻ってくる前も、

バレてないと思って満喫してやがったな?

すまし顔をしていても顔の赤さは誤魔化し切れてないぜ。

 

とかなんとか思いつつ、俺たちは食事をとった。

2人は、俺の料理(肉を煮て味付けしただけ)をんまいんまいと食ってくれたが、俺としてはイマイチだ。

やはり臭みは香草を使わないと取れないんだろうか……。

ぐぬぬ。

 

---

 

数日後。

食糧となる魔物を3人の連携で仕留めた後、

ルイジェルドはいつものように索敵に、

エリオットは山へ柴刈りに、

俺ことルーディアは川へ洗濯に行っていた。

この辺には山も川も無いんだけどな。

要は、エリオットが薪担当、俺が洗濯当番の日ってことだ。

 

2人が戻ってくるまでにちゃちゃっと済ませてしまおうと思っていたのだが、俺はふと、あることに気がついた。

目の前には洗う前の洗濯物。

ここには俺一人。何も起こらない筈もなく……。

 

持って回った言い方はよそう。

 

俺は洗濯中に、逆にエリオットのパンツを嗅いでみることにしたのだ。

いや、違うんですよ?

ショタ趣味に目覚めたとかじゃなくて、ええと、あれだ。

エリオットは俺の下着を嗅いでいる。ならば、

こちらも嗅がねば……無作法というもの、ってやつだ。

 

まあ単純に、女の身体で男の匂いを嗅いだらどう感じるかっていう興味本位だな。

実験的取り組みと言い換えても良い。生命科学の追求だ。

男の心に女の身体という身の上では当然の疑問だといえる。

 

ブエナ村にいた頃、ロキシーの御神体を失敬していた時は、身体が女だからなのか、はたまた未成熟だからなのか、

下半身は沈黙を保っていた。

ロキシーが好みド直球のジト目ロリだったから、

頭は大興奮だったが。

まあ、それはそれとして、それなりに成長した今、

異性の下着の匂いをどう感じるのか。

そこが気になったのだ。

 

ルイジェルドの下着は、何というか彼に対する見方が変わってしまいそうなので遠慮した。

いや、邪な目で見るようになっちゃうとかじゃなくて、ほら、

彼も若く見えるとはいえ実年齢は560歳オーバーだし、

万が一スパイシーなサムシングが香ってきたりとかしたら嫌だろ?

エンッ! なんてどこぞの毒物君みたいな断末魔は上げたくない。

 

オジ専ならそこが良いとか言いそうだが、

俺にとってのルイジェルドは頼れるカッコいい男のままで居てほしい。

たまに戦闘中に小脇に抱えられた時には安心する匂いがするから、加齢臭がするとは思えないが、念のためだ。

身体の反応を確かめるなら、歳が近い方が健全だろうしな。

 

ともあれ、意を決してエリオットのを嗅いでみた。

いただきます。

くんかくんか。すーはー。

 

剣士として動き回るエリオットの汗で蒸れた、

濃い匂い……。

頭の奥がぼうっとするような、

腹の奥がきゅっとなるような、そんな感覚。

 

……うん。

まあなんだ、意外と悪くはなかった。

やっぱり、その辺の感じ方は心がどうあれ、

身体の方に引っ張られるようだった。

生物学的に、子供が作れる相手の体臭は好ましく感じるらしいし。

 

……いやいやいや、まてまてまて!!

 

俺はノーマルだ。女好きだ!

あっと、でも今、俺の身体は女な訳だし、

これはこれでノーマルなのか?

 

いやでも、ロキシーの下着で頭は大興奮だったし……

わからん。

まあ、これからも付き合っていく身体だ。

その内分かってくることもあるだろう。

 

「ルーディア。いま戻ったぞ」

「ぴゃあっ! るるルイジェルドさん!

お、お早いですね?」

 

ビビった。

マジでビビった。

振り返るとそこには、いつも通りのルイジェルド。

エリオットは一緒じゃなかったか、危ないあぶない。

 

「……どうした? 手が止まっているようだが」

「なな、何なもありませんよ。

ちょっと考え事をしてただけです」

「なら良いが……フッ、お前も年頃なのだな」

「えっ!」

 

おいおいおい、何だよ今の不適な笑みは。

エッ、もしかしてバレてる?

額にある第3の目って、普通の目には見えない気配とか魔力とかが写るとかそんなんじゃないの?

遠視して遠くの情景を見るとかもできちゃうの?

だとしたら超恥ずいんですけど。

 

同い年の男の子の下着を漁るえっちな女の子だと思われてるってことだろ?

違うんです、これはあくまで探究心からくる崇高な試みでして。あうあうあう。

 

「え、エリオットには黙っててください……」

「? 無論、そのつもりだが……。

お前くらいの年齢なら、同じ年頃の異性の下着など見るのも恥ずかしいものだと心得ている。

お前は賢いが、年相応なところもあるのだな」

 

なんだよ、そういうことかよ。

んもう、ルイジェルドさんたら口下手なんだから。

まあ、バレてないなら何でも良い。

そういうことにしておこう。

 

---

 

あの後すぐ、エリオットも戻ってきた。

今日の料理番はルイジェルドで、焚き火を囲いながら、

創業ウン百年のスペルド式バーベキューに舌鼓を打っていたのだが、どうにも居心地が悪い。

というのも、何故かエリオットがニマニマとした笑みを浮かべて俺の方を見てくるのだ。

 

「……なんですか、エリオット?」

「な、なんでもない!」

 

問うてみても、慌てて否定されるだけで何を答えて貰えるでもない。

が、このタイミングでこの態度。ある程度の見当はつく。

俺だって、もしも好きな女の子が自分の下着を嗅いでいるところを見たら、なんだか求められているって感じがして、

嬉しくなってしまうだろう。

エリオットのニマニマ笑いには、そんな感情がありありと読み取れた。

 

くそ、誰だよバレずに楽勝だとか言ってたのは。

俺だよ、バレてんじゃねーか!

 

---

 

その後エリオットが、事あるごとに引っ付いてきては、

首元やら耳裏やらを犬の如く嗅いでくるようになったが、

ルイジェルドが嗜めてくれたので事なきを得た。

……得てないな。

 

いつのまにか付いた狂犬のエリオットという二つ名も、

別の意味になってしまうから自重して欲しいものだ。

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