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第1話 ヤバイ死んじゃった!
何処にでもある平凡な一般家庭、そこに住む一人の青年が今まさに人生最大の危機を迎えていた。
「うぐっ?!」
大晦日の大掃除を終え、こたつに入り年越しそばではなく焼いた餅を食べていた達也。
テレビを眺めながら突然、餅を喉につまらせて悶絶した!
家族は初詣に行って家には誰もおらず、達也は何とかしようと死に物狂いで部屋の中で暴れる!!
(ヤバイこれマジで死ぬ!)
救急車を呼ぼうにも声が出せず絶望する達也、呼吸が出来ない苦しさに暴れまわる事で、大掃除を終えたばかりの部屋がまるで泥棒が入ったかのように荒れていく、そんな中達也は最後の望みに掃除機を掴んだ!
昔テレビのCMでお坊さんが喉に餅を詰まらせたのを掃除機で吸引して取ったのを思い出したのだ!
先端部分を口に入れてスイッチを入れる!
ぎゅいぃぃぃぃぃぃん!っと言う音と共に口の中が吸われるが、ショウソンの吸引力の変わらない掃除機は達也の餅ではなく舌を吸引してしまい、達也はそのまま吸引する掃除機の先端を口に含んだまま窒息死するのだった。
「ぎゃははははははははは!!!あっーっははははははは
!いひゃひゃひゃひゃひゃ!!!ぷギャーぷギャー!!!もう止めてお腹痛いwwww」
達也は真っ白の空間に立っていた。
目の前には全身真っ白のもじもじ君みたいな人形の何かが、腹を抱えて転がり回りながら大笑いしている…
「はぁ…はぁ…いやー笑った笑った。ここ数百年で俺が担当した人間の死に方で、あんたがナンバーワンだよ!」
よく見ると周りも真っ白なその空間はまるでアニメ鋼の錬金じゅ…おっと危ない危ない。
目の前にいるその真っ白の人形の何かはこっちを見て、再び吹き出して腹を抱えて笑い出した。
「あの…」
「あぁ、ごめんごめん。ここは君たちの言う死後の世界『アノヨー』だ」
「死後の世界『アノヨー』ですか…」
「ってあのよー…ぎゃはははははははははwwww」
駄目だこいつ早くなんとかしないと…
「はぁ…はぁ…いや、わりーわりー残念ながら君は死んだんだよ」
「やっぱりそうですか…」
「っでだ、君に相談があるんだけど…異世界って興味ない?」
「へっ?異世界?」
「そう、なんか今ね俺達神の間で流行っている異世界ツクールってゲームがあって、それで俺が作った異世界で暮らしてくれる人間を募集してるのさ。どう?このまま成仏するより考えてみない?」
俗に言う異世界転生と呼ばれる様な話、そんな非現実的な事を言われ、達也は突然の提案に困惑するのであった。