異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第10話 スキルのルール

目覚めたゴンザレス太郎は眠気が吹き飛び、何度も目を擦って袋の中を覗き見る…

 

「えぇ?!なんで?!なんで?!なんでぇ?!」

 

先程から袋を何度開いて中を覗き直しても、その袋の中にあるのは銅貨2枚しかない…

銅貨2枚は日本円換算で約20円である。

だがそれは最初から袋に入っていた額そのまま、ゴンザレス太郎は落胆しつつも現実を受け止め…

 

「ハハッなんだ夢だったのかよ…」

 

そう落ち込みつつ、お母さんが呼んでいるので朝御飯を食べようとベットから立ち上がった時、それは聞こえた。

 

「チャリン」

 

枕元から金属の何かが落ちた音がして、ゴンザレス太郎は視線をやった。

その音のした床を見ると…

なんとそこには白金貨が1枚落ちていた!

 

「えっ?!うそっ?!じゃあやっぱり夢じゃなかったんだ!」

 

それを拾い上げ、目を輝かせる。

だがその白金貨を袋に戻すと、もしかしたら他の白金貨の様に消えてしまうかもしれない…

そう考えたゴンザレス太郎は、両親から以前プレゼントされて大切にしている、どこか犬っぽい形をした魔物をイメージして作られたぬいぐるみの口の中にそれを隠し入れた。

このぬいぐるみの口の中には作った人が手抜きをしたのか、喉の奥に縫われていない隙間があり、それを知っていたゴンザレス太郎はその中に隠したのだ。

手作業でこういう物が作られる世界だからこそ出来るライフハックである!

 

そして、ゴンザレス太郎は少し考える…

それは6歳とは思えない思考だが、前世の記憶があるせいか大人顔向けレベルの考え方で、スキル『プロアクションマジリプレイ』の効果に付いて1つの仮説を考えた。

 

「もしかして、眠るのがトリガーなのか?」

 

そのあと試しにもう一度やってみようとスキルを発動させてみる!

 

「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」

 

再び出現したウィンドウを見てゴンザレス太郎は固まってしまった。

それはそうだろう、どうやら使用したコードの紙は消滅するらしく、入力した中身のコードも流石に覚えてなかったので再度発動させることは出来なかった。

だが、いつの日か再びくじで引ければ問題は無いと考え、手元にある白金貨1枚を大事にし、再びくじを引ける日を楽しみにする。

その時はスキルに使用するコードを忘れないように、メモを取ろうと決意し…

 

「ゴンザレス太郎~朝ごはん要らないの~?」

「食べるから今行くよ~」

 

朝食を食べに部屋を出ていくのであった。

 

 

 

 

 

そして、一年後。

ゴンザレス太郎は7歳になり念願の5000神力が学校に行く前に貯まった!


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