異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第104話 賑やかな日常へ

「おっ無事に救出できたみたいだな」

 

マコトの言葉に集まっていた全員が反応する。

背中にアーサーを背負って、左腕にフーカを右腕にサラを抱き付かせて、飛び上がってきたのはゴンザレス太郎であった。

正確にはフーカとサラは抱き付いて一緒にジャンプしているのだが…

 

ゴンザレス太郎がその背中に男を背負ってるのを見て、ジルは何か自分の中の新しい扉が開きそうになるのを感じたのは大人だけの秘密だ。

腐の属性に適性があるのかもしれない。

 

その後ろに続いて魔王も飛び上がり、地上に全員が集合した。

ゴンザレス太郎の宣言通り、全員無事で鬼を全滅させ助けられる魔王とアーサーを救出に成功した。

まさに伝説に残る瞬間であった。

 

「こ、これだけなのか?!」

 

アーサーは地上に人間の軍が待機していると考えていた。

それが外に出てみれば、居るのはニセバスチャンを入れても僅か4人、魔物の町が壊滅させられた時は町中の戦える魔物が奮闘したのはアーサーも知っていた。

あれから人間界に逃げて助けを求めて、ここまで来るのにも日数が掛かっていると考えれば、その鬼の数や強さは更に上がっていたと予測は容易いだろう。

 

「そ、そうかこの大穴を開けた人間の兵器があるのだな!それが人類の最強の兵器なのだな!その兵器は何処に在るんだ?」

 

一体何が在ったのか想像もつかない、痕跡の一切無い町の跡地。

風景の山々からここが町があった場所だと理解はできる、だが実際に目の前にあるのは焼け野原と巨大な大穴が二つ。

なのでアーサーは人間が作り出した兵器が在って、それでこの惨状と巨大な頭部の無い鬼の死体を作り出したと予想をした。

だが質問に返ってきたのは指差しであった。

しかも魔王まで全員ゴンザレス太郎を指差しているではないか!

 

「アーサー様、信じられないかもしれませんが全てそこの少年の力によるものです」

 

ニセバスチャンの言葉に振り替えるアーサーに魔王は伝える。

 

「こいつは俺よりも何倍も強い、俺でも歯が立たないぞ」

 

ゴンザレス太郎に抱き付いたままのサラも…

 

「この人が居なかったら私達は勝てなかったわ」

「………そうか分かった。少年よ、妹が欲しかつたら俺と勝負しろ!」

 

突然の宣言に一同…『どうしてそうなる?!』っと内心突っ込みを入れ。

 

「クハハハハハ!!それは良い!ゴンザレス太郎よ、アーサーに勝ったら息子と呼んでやるから俺の事はお義父さんと呼んで良いぞ!」

 

魔王の言葉に勝手に話が進む中。

 

「ちょっと止めてよ兄さんパパッ!私まだちゃんと好きだと伝えてないのよ!」

 

っと本人の前で宣言する始末。

更に追い討ちを掛けるように…

 

「じゃあ私も立候補しちゃおっかなぁ~」

 

っと正面からゴンザレス太郎を抱き締めたのはメールであった。

 

「メールふざけないで、サラは一緒に彼女にしてもらうけど貴女は認めてない」

 

フーカまで勝手に言い出し、ゴンザレス太郎の体からメールを引き離す始末。

マコトは爆笑してるし、ニセバスチャンはもうどうしたら良いのか分からないでパニクってるし…

場は完全にカオスとなったが、そんな和気藹々とした光景にやり遂げたのだとゴンザレス太郎は理解して晴天の空を見上げる。

 

変わらない日常をいつも照らしてくれる太陽は今日も暖かい一日を送り届けてくれる。

これから魔物の町の復興は大変だろうけど、人間と魔物が協力すれば今までよりも更に良い関係を築けて素敵な国に成るだろう。

その時もきっと太陽は暖かく皆を守ってくれるだろう。

 

「ねぇ?!聞いてるのタツヤ?!」

「んっ?何フーカ?」

「だから私達二人と婚約するだけなのか、メールも入れて三人共婚約するかって話よ!」

「俺にも孫が出来るのか…」

「お姉さんが色々教えて上げる」

「私は別にどっちでも私が側に居られるのなら…」

「許さんぞ!妹だけでなく二人もだと?!決闘だ!戦争だ!」

「ハハハハハッ本当に一緒にいると飽きないよ」

「お嬢様、私はどうすれば…」

「メールもいい加減にしなよ!」

 

周りは更に賑やかになるな。

この楽しい日々が永遠に続けば良いのに。

そうしたい、だからこそフーカは死なせない!

ゴンザレス太郎は半年を切ったフーカの死を回避する為に自分に誓うのだった。

 

『明日から頑張る!』

 

 

 

 

 

 

 

 

御愛読ありがとうございました。

また次回作で…

 

 

 

 

「ちょっとゴンザレス太郎聞いてるの?!」

「分かった。分かったってば!とりあえず一度町に帰ろうぜ」

「「「「「さんせーい!」」」」」

 

こうして一同は町に向けて出発するのであった。


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