馬車を操作し、ゴンザレス太郎とフーカはミリーと名乗る銀髪少女と西の砂漠まで来ていた。
自然の神秘なのか、この砂漠は赤砂と呼ばれる砂が赤くなっている地域があり、その手前で3人は馬車を止める。
この馬車は冒険者ギルドでゴンザレス太郎が買い取った物だ。
魔族の町に向かうときに共に旅した仲間でゴンザレス太郎が買い取りギルドで飼われている。
名前は『クロコダイル』馬なのに。
ミリーの話を聞いて、ボランティアで依頼を受けるとギルドに一応話を通した時にマジメの3人に話を通してもらうように伝えてあるので、もしかしたら後から付いてくるかもしれないな…っとゴンザレス太郎が考えた時にフーカが馬車を止めるように言ったのだ。
「じゃあそろそろ話してもらえるかしら?」
フーカはミリーに話しかけるが、なんの事か分からないと言った感じの態度で返すミリーに…
「全部嘘だと分かってるのよマリス」
その名前を呼ばれて一瞬驚いた表情を見せた少女、だが直ぐに今までに見せたことの無い影を落としたニヤケた顔を見せた。
「へぇ、どうして僕の名前が分かったのかな?」
「それが私のスキルだから」
「フフフ…そう言うことか」
顔を上げたマリスは謎が解けた探偵のようにゴンザレス太郎を指差し…
「全て分かったよ、ゴンザレス太郎と言うのはチーム、またはレギオン名でそこの君がスキル『人心掌握』みたいなスキルでまとめあげているって訳だな!見切ったたぞ!」
自信満々にゴンザレス太郎を指差し、自分が今まで邪魔されていたのは個人ではなく集団だと予測した。
実際に現代でも人類は科学の力で宇宙へ飛び出すことまで成功している、人間と言うのは力を合わせればとてつもない事を仕出かすと知っていたからだ。
しかもゴンザレス太郎の名前はデータベースには無く、逆らえばレギオン全戦力で戦いを挑まれる、なので魔物も絶滅させられると魔王は言ったのだと予想したのだ。
更にフーカをどうやっても殺せなかったのは、フーカと言う人物がこの集まりの上層部の人間かそれに近い立場の人間に保護されていると考えた。
まさか目の前に居る少女が探していたフーカだとは夢にも思ってなかったのだ。
そう考え宣言した少女姿のマリスは噛んでしまったのを誤魔化した。
そんなマリスのあまりの豹変ぶりに驚き固まる二人…
そして、丁度そこに魔物の町から魔王に言われて町に着き、人伝えでマリスの事を聞いてやって来たサラが二人を見つけて空を飛ぶ魔物『ムササビコアラ』から飛び降りてきた。
「大変だよ!この世界を作った神様とやらが二人を探してるらしいのよ!セミロングの銀髪の髪に花の飾りをして白いワンピース姿の少女に気を…つ…け…」
そこまで言って二人の目の前に居る少女からとてつもない威圧が放たれる!
「フフフッそうさ、僕が…僕こそがこの世界の全知全能唯一神のマリス様だ!」
あまりの威圧に地面の砂が波打ちながら逃げるように波状に跡を描いていく…
神がその力の一端を解放したのだ!が、
「タツヤ、神様が狙ってるらしいわ」
「大丈夫、俺が守るよ」
「ちょっと、二人の世界に入らないでよ…」
ステータスが高くなりすぎてた3人には、この程度の威圧では風が吹いたと思わるだけで気付かれず。
更にその威圧のせいで発言が届いてなかったのであった。