「そんな馬鹿な…心ない天神が全滅してる…」
マリスは絶句しながら世界中を捜し見つけた。
魔海を渡るのに改造された、心ない天神達の変わり果てた姿を…
魔王達の研究でどうやっても破壊できず、全属性を無効にするそのボディ…
それは絶対に沈没せず破損せず燃えない無敵の素材、それを使って魔海を渡る船の材料として再利用されていた。
それを知った神マリスは直ぐに異世界に入り、現存している事を確認した魔王の元へ向かい、魔王の元に現れたマリスは早速何があったのか問い詰める。
「ん?なんだ神か、生きていたのか?」
「ハハハッそれはこっちの台詞だよ魔王、一体どうやったんだい?」
「なんだ今頃気付いたのか?」
「う、うるさい!僕は忙しいんだ!さっさと答えろ!」
「お前の作った玩具ならタツヤ、おっとゴンザレス太郎が皆殺しにしたぞ」
「そんな…馬鹿な…」
「それよりさっさと逃げた方が良いんじゃないか?ゴンザレス太郎は大事な大事な彼女を失ったから、きっとお前を見付けたら後悔してもしきれないくらいの酷い目に合わされるぞ」
「はっ!それは面白い!やれるものならやってみろってんだ!」
そう言ってマリスは魔王の元を走り去る。
後に残された魔王はにやけながら…
「クククッ本当に単純なヤツだ。さぁゴンザレス太郎、俺には出来なかったがお前ならアイツに一泡吹かせる事が出来るだろ?頼んだぞ」
10年と言う時を得て魔王も白髪が増え、ダンディーな風格で笑うのであった。
「何処だ?何処だ?何処だ?ゴンザレス太郎?!」
マリスは戻った白い部屋でゴンザレス太郎を探す。
やがて諦め掛けていた頃にその姿を見つけた!
そこはかなり田舎の集落、何故そんなところで暮らしているかなんて勿論考えない、マリスは迷わずゴンザレス太郎の元へ向かう。
それがこの白い空間に居られる最後の時とも知らずに…
『ど』が付く程の田舎の中にある広い部屋があるだけの家、日本で言うなら集会所だろうか?
そこでゴンザレス太郎は集落を魔物から守ったり、村の人の手伝いや魔法を使っての治療等を行う何でも屋を経営していた。
とは言っても殆ど仕事もなく、大体の日々はその家でゴロゴロしているだけのニートと化していた。
「遂に見つけたぞゴンザレス太郎!いや、タツヤ」
玄関を律儀に開けて入ってきたマリスをチラリと見て、ゴンザレス太郎はボソボソ呟いてから何か操作をし、それが終わってからまるで今気付いた様にマリスの方を指差し名前を呼ぶ。
「あっ!君は確か…『ミリー』」
「違うわ!この世界の唯一神マリス様だ!」
銀髪少女姿のマリスは19歳になったゴンザレス太郎と再会を果たしてしまうのであった。