クラスの人数は全部で15人で、3人を1組にして冒険者を加えた4人パーティーで一つの班となった。
メンバーは春に行われた体力測定を元にバランスよく振り分けられ、全然本気を出さず成績が悪かったゴンザレス太郎は予想通り一番成績のいいデカスギ君と同じ班になった。
「ゴン太君、今日は宜しく!」
「う…うん…」
何故か彼まで自分の事をゴン太呼ばわりしていたので戸惑ってしまった。
何にしてもクラスでも優秀な彼と居れば、狩りが出来なかったと言う事態は防げるだろう。
「フーカさんも一日宜しく」
「……」コクン
っで体力測定ぶっちぎりの最下位を記録した女子のフーカさんが同じ班になったわけだ。
長い髪の毛で目が完全に隠れ、今一表情も分からないし声を殆ど出さないから影が薄く、彼女の名前を覚えてないクラスメイトも居るくらいだ。
「よぅお前等が俺の班だな」
そう言って声を掛けてきたのは今日一日一緒のパーティーに加わってくれる冒険者の『ヤバイ』さんだ。
もうね、名前からしてヤバイってヤバイだろ…
親のネーミングセンスを疑うっ…て自分もゴンザレス太郎でした。
「ヤバイさん、今日一日宜しくお願いします。僕がデカスギでこっちがゴン太、彼女がフーカさんです」
「デカスギにゴン太にフーカか、よし覚えた。俺がいるから今日は安心していいぞ!なんたって俺は豚ドラゴンを倒した事もあるんだ!」
「豚ドラゴンを!?それは凄いです!」
豚ドラゴンと言えばドラゴンの一種で、そのお肉は高級食材としても有名だ。
「それじゃ早速行くか!」
「「ハイッ!」」
「……」
4人はそのまま歩いて門番に通してもらい、町の外へ出た。
そして、目の前に広がる地平線が見えそうな草原の景色に3人は目を奪われた。
ヤバイも初めて外を見たらそうなるのは仕方無いだろうと少し待つのだった。
「デカスギ…凄いな…」
「あぁ、僕を呼んだのか、世界がでかいって言ってるのか分からないが凄いな…」
「……」
感動で立ち尽くす3人の横でヤバイがそろそろだと考え声を発する。
フーカさんだけは特に変わった様子は無いままである。
「どうだ?凄いだろ?これが世界の姿だ。さぁそれじゃ行くか!」
ヤバイが歩くその後を3人は付いていく。
そして…
「おっ居た居た!さぁお前達のデビュー戦だ」
ヤバイがこちらを向いて指を指す方向にはジャンプしながら移動する蛇が居た。
どうやら僕達のデビュー戦の相手はあの『蛇ラビット』になりそうだ。
僕たちは戦闘の準備をするのであった。