「タツヤこんなに無視して大丈夫?」
「一応ナジムとか言う冒険者にラストエリクサー1本預けて来たから多分大丈夫」
「それになんかここの魔物、人間を殺さず生け捕りにするのが目的みたいだからね」
サラの言う通り、魔物は殺意の篭もった攻撃をあまりしてこないでいた。
ゴンザレス太郎達が早すぎて、溜めの要る攻撃をする前に素通りされていると言うものあるのだが。
「お前邪魔」
フーカが手にしていた棒で2メートルもある巨大な蟻の姿をした魔物を殴る。
片手でしかも手加減しているので粉砕する事はないのだが、それでも後ろに居た魔物達を巻き込んで吹っ飛んでいくのを見ればその実力差は良く分かるだろう。
ニーガタの町の入り口で守りを固めている冒険者達はそのありえない戦闘力が味方だと知り士気を上げていた。
「余所者でしかも女の子なのにあんなに頑張ってくれてるんだ!俺達も気合入れるぞ!」
「「「「オー!!」」」」
実はゴンザレス太郎、サラの火炎倒槍震が魔物を大量に倒す際にコード『経験値255倍』を発動させていた。
その為、周辺に居た冒険者達は軒並みレベルがカンストの999に達してるので気付いた者から順にステータスに振ったりするだろうと考えていた。
だが、実は誰一人その事に気付かず経験値を捨てていたりする。
ゴンザレス太郎達は魔物を吹き飛ばしながら交代で逆ピラミッドの方へ進んだ。
コード『親指口に入れると移動速度3倍』は移動のみが3倍になるので、攻撃に移った瞬間から速度は通常に戻る。
なので攻撃する者を1撃毎に交代して、出来るだけ移動速度を落とさない作戦で一気に突き進み逆ピラミッドの入り口に辿り着いた!
「切り刻め!」
フーカが魔物が次々と湧き出る逆ピラミッドの入り口に風の斬激の嵐を叩き込む!
風は壁に当たり反射して入り口から見えない刃となって中から出てくる魔物を一気に切り刻み奥へと進む!
「それじゃ一掃するよ!『炎王球・落』!」
サラが後ろを向いて空に巨大な炎の塊を出現させる!
得意の炎王球もステータスがカンストしている事で直径1キロにも及ぶ巨大な火の塊となり、それがニーガタと逆ピラミッドの間に居る魔物達の頭上から落下する!
あまりの温度に近くに居た魔物まで一瞬で蒸発し、地面に着弾後炎はまるでそこに何も無かったかのように消滅した。
飛び散ると町に被害が及ぶと困るので、サラはこういう形の新魔法として作り上げたのだ!
「よし、3人共中に入るぞ!」
ゴンザレス太郎の言葉に3人が頷き、逆ピラミッドの壁に向かう。
入り口はフーカが放った魔法で魔物の死体が埋め尽くし、通るには非常に困難な為コードを使おうと考えていた。
それを瞬時に理解した3人、まさしく最高のパーティであった。