正直に言おう、蛇ラビットは何も出来なかった。
デカスギが木刀を構えたと思ったら、物凄い勢いで一人飛び出し、目にもとまらぬ速度でヘビーラビットを滅多打ちにして直ぐに倒してしまったからだ。
だがこれでもここにいる全員に経験値は入るらしく、デカスギに遅れてワタワタと学校で渡された木刀を用意しているだけの俺達も、レベルが上がってる筈とヤバイが言う。
戦闘に参加の定義が良く分からないけど、技術職の人がレベルを上げる為の救済措置なのかもしれない。
「学校で習ってると思うが、初めての戦闘で全員レベルが2になって最初のスキル『オープン』を会得してるはずだから使ってみろ、『スキル、オープン、発動』だ」
「「スキルオープン発動」」
ををっ半透明のメニュー画面が出てきて現在のレベルと消費の項目が出た!
『プロアクションマジリプレイ』のウィンドウよりも青色が濃いな!
「これも学校で習ってると思うが、そのレベルを消費してステータスを伸ばすんだ。伸びたステータスに応じてレベルが10上がる毎に、条件を満たしていたらスキルを会得できる。」
二人がステータスに割り振る画面で初めて自分のステータスを見ているのだろう、色々と悩んでいるようだ。
だが、ゴンザレス太郎は迷うことなくレベルを神力に投資する!
理由は簡単、デカスギに任せておけば何もしなくてもレベル上げられるし、絶対に有る筈だと確信しているからである…
コード『レベルMAX』が!
その後もデカスギ無双は続き、レベルが9回上がったところで神力が5000を超えた。
なのでヤバイがデカスギの倒した『カタツムリゴブリン』の素材取りをしている間に、一人背を向けて、皆に聞こえないように小声で呟いた…
「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動」
久しぶりの心臓のドクンって鼓動、これの事を毎回忘れて驚く。
まぁそれも毎度の事で、直ぐに落ち着いて操作を続ける…
表示された中から『コードナンバーガチャ』の項目をタッチして…
『神力5000を消費してガチャを回します宜しいですか?Y/N』
勿論yesだ。
Yの部分をタッチしたら、三回目にもなれば見慣れた立体的な宝箱が出てきて、同じ様に自然に開く…
忘れないようにコードをメモする為に左手に準備をしてウインドウ内の宝箱に視線をやる。
そして、中から一枚の紙が浮かび上がり開いてそこに書かれていたのは…
『アイテム減らない 14E14030 1A935521』
「…マジで?!」
突然の叫び声に、パーティー全員に注目されるのであった。