「なん…なんなんだお前は?!」
突然現れたゴンザレス太郎の姿に驚き、理性を失って怒鳴り付けるダマ!
だが二人は全く気にした様子もなく普通に会話をする。
「ミリーありがとな」
「うん、タツヤ戻すね」
そう言ってダマを完全無視し、ミリーはゴンザレス太郎のユニークスキルを消して『プロアクションマジリブレイ』を付け直す。
「んじゃあ早速!スキル『プロアクションマジリブレイ』発動!」
ゴンザレス太郎がスキルを発動させ項目を選ぶ。
ミリーとは違い、声に出さなくてもスキルを操作できるゴンザレス太郎はその項目を選び、ミリーを指差し発動させる。
それは新コード『状態異常を付ける』であった。
使い道が全く無いと思って今まで一度も試さなかったが、予想通りその中に項目があった。
それは…
『神化』
そう、この世界での神の力は状態異常の一つだったのだ!
怪我をしても死なず、操られる『呪い』や、回復するとダメージを受け毒で回復する『ゾンビ』や、魔物に変身する『獣化』も状態異常の一つなのである!
ミリーの体が輝き、神の力を再び使えるようになったミリーは足元の赤砂を手に取る。
「私を無視するなー!」
ダマの叫びと共に地面の赤砂から次々と超合金ダマが現れる!
呪いの力で作り出した自我の無い自分の複製を操るつもりなのだ。
だがそんな事は気にしないとばかりにミリーは力を使い、赤砂を物に変化させる。
「ほ、本当に出来た!?」
それはゴンザレス太郎の予想通りであった。
マリスの時は赤砂は魔物の核と言っていたが、魔物の持つアイテムも赤砂から生まれる。
更に確信したのはダマがその体を作るために、赤砂から3つの金属を生み出したと読めたからだろう。
オリハルコンとアダマンタイトはともかく、ヒイロイカネはこの世界に現存していない幻の金属だからだ。
そして、次々とダマの複製が出現する中ゴンザレス太郎はミリーからそれを受け取り、一人前に出る。
それは二つの棒状のモノの先端に果実の形をした謎の物質が付いている物であった。
「な、なんだそれは?!」
「右手に持ってるこれは『アッポーペン』!左手にあるこれは『パイナッポーペン』!そして、これを二つ合わせると…『ペンパイナッピがっ…』」
(噛んだ…)
(噛んだな…)
場は静寂に包まれる…
「ごほんっ、お前は確か知識チートを得たとか言ってたな?ならこれの恐ろしさは分かるだろ?」
そう言うゴンザレス太郎の両手の物質は魔力によって熱を持ち始める。
カンストしているゴンザレス太郎の超高熱火炎魔法が一気に熱を発し、二つの物質を超高温にする。
そして、それを一度左右に離し、気合いと共に肉眼ではまず見えない速度で全力でぶつけ合わせる!
その接触部分に青紫の放電に近いものが出現し、それが徐々に球体になっていく。
ちょっとでも制御を誤れば爆発するのを理解して、ゴンザレス太郎の額に汗が流れる。
その恐ろしいまでのエネルギーを感じ取ったダマが口を開く…
「な、なんなんだそれは…」
「お前は俺を本気で怒らせた。だからこれはほんのお礼だよ、この重水素を固めて作ったアッポーペンと、三重水素を固めて作ったパイナッポーペンを時速1000キロを超える速度で、超高温の中ぶつけるとこれが出来る。」
現代チートの知識を得たと豪語していたダマも、ゴンザレス太郎が何を言ってるのか理解出来ず困惑する。
水素で物を作ると言う常識を完全に無視した、あり得ない無茶苦茶な物質も赤砂からなら生み出せた。
その時点で、ゴンザレス太郎はダマをこれで完全に消滅させる気でいたのだ!
「そう言えばここは逆ピラミッドの地下か、つまりこのダンジョンは逆ピラミッドじゃなくて砂時計の形だった訳だ。」
「そ、それがどうした?!一体なんだと言うのだそれは?!」
「あれ~?知識チートのダマさん分からないんですか~?地下でやるこれの実験は超有名なんだけどな…なら、分かりやすい言葉で教えてやるよこれはな…」
そう言ってゆっくり前にその青白い球体を放つ…
手から離れたその青白い球体は緩やかに前に進み、一瞬の収縮と共にゴンザレス太郎が告げる。
「『核融合』って言うんだ…」
それがダマの最後に聞いた言葉であった。