異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第34話 アニメ化の時の為に一応の水着回

「おいお前!」

「・・・・・・」

「聞こえないのか?おい!」

「・・・・・・」

 

大男が怒鳴りつけるがゴンザレス太郎は返事もせずに動かない・・・

 

「お頭、寝てるんじゃないですか?」

「それならそれで都合がいい」

 

大男がゴンザレス太郎に音を立てないように近付く・・・

そして、その剣を振り上げ・・・手が燃えあがる?!

 

「えぇええええええええ!??!?!?!」

 

叫び声に反応してテントの中からサラが出てきた。

下着に上着を羽織っただけと言うセクシーな格好は変わらず、寝ているゴンザレス太郎の方をチラリと見て燃える腕に悲鳴を上げる男に拾った石をぶつける!

 

「シッ!彼寝てるから静かにして!」

 

そう、今はサラが見張り番の時間だったのだ。

でも3人で寝るには狭いテントの中で、フーカとだけ添い寝するのはサラに悪いと思ってゴンザレス太郎は表で寝て、そのゴンザレス太郎にサラの触れると燃える見えない結界を張って様子を伺っていたのだった。

 

「お、お頭!あべっ!」

「だからうるさいって!」

 

再び石を投げて一撃で二人を気絶させるサラ。

その後、特に何事もなく二人の男もローブで縛ってフーカと交代しサラはテントで寝る。

明け方目を覚ましたゴンザレス太郎はフーカの膝枕で寝ていたのに気付いて飛び起きる!

 

「おわっ!ご、ごめんフーカ下が砂浜とは言え、痛かっただろ?」

「ううん、昔を思い出してなんかしたくなったからいいの」

「昔・・・そう言えばそんな事もあったな・・・」

 

2人が話している昔とは、かつてゴンザレス太郎のプロアクションマジリプレイが進化する前、寝るとコードが発動して再び寝るとコードが終了する時の話である。

何回も転生タイムリープを繰り返し、ミリーだけがどれだけの年月が過ぎたのかを知っているが、歴史的には遥か昔の事を思い出し2人は朝日を見ながら微笑む。

 

「おほんっ!なんか二人だけでいい雰囲気になってんじゃないわよ~」

 

後ろからサラがちょっと泣きそうな声で話してきて、それを振り返り見るフーカとゴンザレス太郎。

その後、暫く懐かしい話題で盛り上がり、サラがゴンザレス太郎に好感度MAXで突撃した事、鬼の大群と戦った事の懐かしい話をしていた。

少しして捕まえた男達が目を覚ましたので・・・

 

「よし、浜辺で遊ぶ遊びでもやるか!」

 

実は、昨夜の見張りをしている時にゴンザレス太郎が自身にユニークスキル『錬金術』と通常スキル『裁縫』を使って、有り合わせの布で二人の水着を作っていた。

二人はそれをテントの中で着て、再び男達の前に出て・・・

 

「さぁどっちが可愛い?」

 

と言う質問に、サラが可愛いと答えたらフーカがそいつを生き埋めに、フーカが可愛いと答えたらサラがそいつを生き埋めに、二人共可愛いと答えたら二人で生き埋めにしていき、ゴンザレス太郎の発案でスイカ割りを行う事になったのであった。

ちなみに、ゴンザレス太郎はコード『HP減らない』を発動しているので当てても死ぬことは無いのだが、もちろんそんな事を知らない彼等は空振りでも海を割るゴンザレス太郎の攻撃を目の当たりにし、次々と意識を失っていく。

 

その後、魔海ではない泳げる海があるので、折角だから泳ぎを知らないフーカとサラにゴンザレス太郎が泳ぎを教えるのだが・・・

バタ足で海が割れたりしたので直ぐに断念したのは言うまでも無いであろう。

恐るべしステータス理論値である。

でも泳がなくても3人共魔力を放出して水中に自由に動けるので、手を使わないバタフライなんかを堪能して遊び、初めての海をしっかり堪能し満足していた。

 

そしてその夜、浜辺に男達6人を正座させここから西へ向かう為の道を聞いて、彼らを逃がし3人は翌朝西へ向けて出発するのであった。


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