「さ、サラが二人?!」
ゴンザレス太郎が久し振りに驚く!
こんなに驚いたのはサラが好感度MAXで飛んできた以来だったので、珍しく驚いてるゴンザレス太郎にフーカも驚いていた。
「タツヤ!そいつ偽物だよ!私と入れ替わったドッペルドールって魔物が化けてるのよ!」
「と、突然出てきて何適当な作り話してるのよ!私が本物だよタツヤ!」
「とりあえず服着ろ…」
漁師達の目は下着姿のサラに釘付けだったのだが、フーカの手渡した服をとりあえず着てもらい、再び向かい合うサラと偽サラ。
赤い髪も顔の部位も全く同じで、知らない間に入れ替わっていたのだとしたら分からないかもしれない。
「タツヤ任せて」
そう、こういう時はフーカのユニークスキル程適任な物はないだろう。
『スキミング』に関しては既にゴンザレス太郎も確認済みなのだが、どちらもほぼ同じステータスで違いはなかった。
なのでゴンザレス太郎はフーカのもう一つのユニークスキル『スピリチュアリティ』に頼ることにした。
これはフーカの質問した内容に答えた返事が嘘かどうかを見抜くスキルである。
「貴方は本物のサラ?」
「えぇ私が本物よ」
「じゃあ貴方は偽物のサラ?」
「何言ってるのフーカ、私が本物よ!」
「…タツヤ困った…二人共本物みたい」
「マジか…」
ゴンザレス太郎は一つの可能性を考えていた。
それは地球に居た頃に見たテレビの内容であった。
それはクローンの話で、その人がその人であるには記憶と経験が全てを占める。
どんなに運動神経のイイ人のクローンだとしても、体の使い方を学んでなければ同じ結果は出せないって話である。
つまり、クローンに同じ身体能力に記憶と経験があれば、それを本物と見分けるのは不可能かもしれないと言う話であった。
「とりあえずこのままじゃ区別付かないから髪型変えてくれないか?」
「タツヤそれいい考え」
どちらにしても船は出ないとの事なので、村に一軒だけある宿に泊まる手配をしに来たわけなのだが…
「四人部屋しか空いてない…だと?」
「申し訳ございません、昨日から船が出せないって事で冒険者の方々の予約がもう入っておりまして…」
サラとフーカと一緒の部屋なのは問題ないのだが、まるで狙ったかのように四人部屋だけが空いているという事実に違和感を覚えるゴンザレス太郎。
だがここ暫くの夜営続きだったのもあり、仕方なく部屋を取ってサラとフーカを休ませることにした。
後から来たサラに詳しい話も聞きたいと考えていたのだが…
部屋の入り口でゴンザレス太郎一人だけ中に入れて貰えず、中で何やら女性同士で盛り上ってるのを暫く聞いていたら…
「タツヤ居るー?」
「あぁ、外に居るぞ」
「入っていいよー」
サラの声に返事をしてドアを開けると、そこには天使達が居た。
宿屋に用意されていた浴衣のような服を着た3人はそれぞれ違う髪型にして居た。
ずっと一緒に居たサラは左側に髪の毛を束ねサイドテールにしていた。
後から加わったもう一人のサラは左右で縛りツインテールに。
そして、フーカはポニーテールにしていた。
「どっどうかなタツヤ?」
「左右で縛るのってなんか子供っぽくない?」
「私もついでに髪型変えてみたけどどうかなタツヤ?」
「スキル『プロアクションマジリプレイ』発動!」
突然スキルを発動させるゴンザレス太郎。
そして、何かを操作して紙とペンを用意する。
そのままゴンザレス太郎は3人の姿を自分につけたユニークスキル『画家』を使用しスケッチしていく…
「よし、こんなものかな?」
描き上がった3人の絵を今度は『アイテム減らない』で4枚に増やして各々1枚ずつ保管することにした。
「ありがとうタツヤ…」
「「本当にあんたは何でもありね」」
フーカはともかく二人のサラは複雑な心境のようだった。
お互いに相手が偽者と考えているのだが、兄しかいないサラはまるで姉妹が出来たみたいな不思議な気持ちになっていたからだ。
その後は全員で食事を取って海の見える風呂に入りーーーー混浴じゃないよ!ーーーーゴンザレス太郎だけ少し布団を離して就寝するのであった。