「お前は知らない、絶対神『デウス』様の恐ろしさを…」
「絶対神デウス…それがお前らの親玉の名前か?」
ニウムは諦めて話を始めた。
親玉の事をペラペラ話すのはそこまで信用していないのか、もしくは話しても問題が無いと言う事なのだろう。
ニウムの話した内容をまとめると…
ゴンザレス太郎達の目的地『テンジク』を支配している絶対神『デウス』はこの世界を作った神の一人、誰も彼には敵わない、そして任務に失敗した自分は終わりだ。
そして、デウスはゴンザレス太郎が自分の元へ来る日を遥か昔から待っていると言う。
そこまで話し終えたニウムはサラを見詰める…
「お前の父、魔王はデウス様がこの世界に召喚されたのだ。それでお前の事はずっと見ていた…」
「ずっと?」
「あぁ…お前が生まれて死ぬのを何度もな…」
その言葉が表すのは…
「ゴンザレス太郎と言ったな?彼女を頼むぞ」
その一言を言いニウムは目を閉じた。
みるみるうちにニウムの顔にシワが増え、その顔は僅か1分程で若者から老人に変わりそのまま生き絶えた。
「な…なんなのこれ…」
ゴンザレス太郎だけ何が起こったのか予測していた。
デウスの力で止められていた時間が一気に流れたのだろうと…
ゴンザレス太郎が『主要キャラの名前変更』で、もし成長を止める系の呪いを解除していたのならその瞬間に年老いて死んでいる筈だ。
つまりこれはニウムの役割が今の話を伝えることだと言うこと…
「随分と回りくどいことをするじゃないか?」
ゴンザレス太郎がそう告げるとそいつは海の上に現れた。
浮かんでいるのではない、海の上に立っているのでもない、そこにただ存在しているのだ。
その男は法衣を着ており、長い金髪を手で肩にかけて目を瞑ったまま言葉を発する。
「ほぅ、私の事に気付いていたか流石だ…」
「そりゃな、こいつが俺達に伝言を伝えるための捨て駒だと考えれば必要以上の情報を与えようとするのを防ぐやつが必要だからな」
「なるほどなるほど…」
その男は目を瞑ったまま拍手をする。
だがその男の雰囲気にサラとフーカは違和感を覚えていた。
まるでよく知っている様な…
「そして、お二人さんにも挨拶をしておかないとね。いつも弟がお世話になっている」
「「弟?」」
「そう、ゴンザレス太郎は可愛い可愛い私の弟なのさ」
「はっ?」
その言葉に一番大きく反応を示したのは勿論ゴンザレス太郎であった。
サラとフーカも一体何を聞かされているのか意味が分からない様子だ。
それはそうであろう、ゴンザレス太郎は間違いなく一人っ子な筈なのだから…
「さて、弟よ。私にも可愛い嫁が二人出来た。君もよく知る二人、ミリーとダマだ。テンジクへ着いたら是非顔を見に来てやってくれ。町に着いたら『スペニ』の家を尋ねてくれたら直ぐ教えて貰えるよ。それじゃ皆さんまた」
そう言って頭を下げた金髪の男は海の上に居た筈なのに直ぐにその姿を消した。
ゴンザレス太郎だけはそれが示していることを理解していた。
「間違いない、『水上歩行』と『重力制御』だ…」
ゴンザレス太郎は自身が獲得しておらず、更に発動していないのに使用されていたコードがスペニと名乗った男が消えるのと同時に解除されるのを理解した。
これが示すのは…
「やつは『プロアクションマジリプレイ』が使える…」