異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第47話 レベルを上げて物理で殴ればいい…地面を!

「レベルを上げて物理で殴ればいい?」

 

サラが首をかしげる隣でゴンザレス太郎はスキルを発動し操作を行う。

その間に距離をとったアンデットもこちらへ向けて再び攻めてきている。

 

「物理って今もそうしてたでしょ?!」

 

サラが再び蹴りでアンデット達を吹き飛ばし距離を開ける。

だが吹き飛ばしたアンデット達は何度でもその体を修復して立ち上がる…

 

「サラッ!」

 

後ろからフーカの叫びが聞こえ、振り替えるとさっき撃墜したズーが起き上がっていた。

 

「しつこいわねー!」

 

サラの飛び回し蹴りで4メートルもある巨体が転がる…

そして気付く。

 

「こいつら燃やさなくても元から自然回復してる!?」

 

そうなのだ、通常状態でもアンデット達は常時回復していたのだ!

地上だけでなく空にも様々な飛ぶアンデットがこちらを狙っており、状況は完全に不利。

サラがアンデット相手なのに得意の炎で一掃出来ないのを悔しがってると…

 

「よしOKだ!サラ後ろに飛べぇー!」

「わ、分かったわ!」

 

そう言ってサラはフーカの結界内まで下がる。

 

「レベルを上げて物理で殴ればいい…地面をだぁぁー!!!」

 

ゴンザレス太郎が地面に拳を突き立てた!

この場所は海から徒歩で1時間くらいの距離、つまり地盤が緩い!

そこにゴンザレス太郎のカンストした攻撃力に『熱血』の一撃が突き立てられ、地割れを発生させた!

 

「そして…おまけ!」

 

ゴンザレス太郎はその地割れの中に爆裂魔法を叩き込む!

地割れは更に広がり、まるで巨大な落とし穴の様な大穴が出来上がった?!

 

「サラ!フーカ!回復は暫くしちゃダメだぞ!」

 

ゴンザレス太郎の叫び声にアンデット達は反応し、こちらへ向かってきて…

次々と大穴の中へ落ちていく?!

 

「思った通り…かよっ!」

 

丁度穴の中を眺めていたゴンザレス太郎に隙が出来たと考えたアンデットズーの一匹が襲い掛かるが、それを殴り飛ばし穴の中へ落とす。

 

「サラ!穴の中に適当に強い炎魔法叩き込め!」

 

ゴンザレス太郎は飛来してくる飛ぶアンデット達を穴の中へ叩き落とし、迫り来る大群を穴の方へ誘導して落としていく。

 

「でも回復され…」

「俺を信じろ!」

「わ、分かった」

 

既に穴の中はあらゆるアンデット達が次から次へと落下し、穴が埋まりつつある。

そこへサラのオリジナル魔法『火炎龍』が放たれた!

まるで生きているかの様な炎で出来た龍は、穴の中へ飛び込みアンデット達を蹂躙する!

そして…

 

「減ってる…数が減ってる!?」

 

サラが驚き追加で火炎龍を叩き込む!

アンデットは死ぬと実体を消滅させるモノが多いため、穴の中の質量が減っていると言うことは生き絶えたアンデットが消滅している証拠であった。

その間もゴンザレス太郎は次々とアンデット達を穴の中へ叩き落とし続けた。

 

「な…なんなんだこれは…」

 

それは海辺の町から来たAランク以上の冒険者達の言葉だった。

大量のアンデットが発生して緊急クエストと言うことで召集がかかり、今回は帰れないかもしれないと家族に遺書まで残してきた彼等が見たのは、大きな穴の中へ次々とアンデットを誘導し素手で叩き落としているゴンザレス太郎と、穴の中のアンデットをとんでもない火力と魔力で焼き続けてるサラの姿であった。

 

そして、かなりの時間が経過し、アンデットの数が減ってきてやっとそいつは思い腰を上げた。

今まで横に居るアンデットを回転寿司の食べ放題のように食べ続けていたアンデット戦鬼である。

 

「やっぱりお前とは因縁が有る感じだな!」

 

ゴンザレス太郎は目の前に浮いていたゴーストタイプのアンデットを殴って飛散させ戦鬼の方を向く。

 

「GOOOOOOO!!!」

 

アンデット戦鬼の雄叫びで周囲の空気が変わる。

 

「ちっ毒か…条件は五分五分って訳か!」

 

笑みを浮かべるゴンザレス太郎、彼が発動させていたコードは『回復でダメージ』であった。

 

「タツヤ私も…」

「手を出すな!サラは穴の中のやつを全部始末しといてくれ」

 

ゴンザレス太郎は穴を飛び越え歩いてくるアンデット戦鬼の前に立つ。

因縁の対決が今再び!


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