異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第51話 ゴンザレス太郎vsスペニ

互いにコードをセットし終わり対峙する。

戦闘開始前に互いに空中に何かを操作し合うその光景は、同じユニークスキルを持つ者同士だからこそである。

 

「ほらっ好きにかかってくるといいよ」

「それじゃあ遠慮なく…」

 

そう言って襲い掛かったゴンザレス太郎の右手の拳がスペニの顔面にぶち当たる!

だが真の狙いは左手に用意した『クイーンボムの堪忍袋の緒』であった。

殴った勢いのまま左手で叩き付けるようにそれをスペニの体に巻き付け、更に右足でスペニを蹴り飛ばす!

ゴンザレス太郎は拳で殴ったスペニが吹き飛ぶ一瞬でその三連の動作を行ったのだ!

 

そして、吹き飛びながらクイーンボムの堪忍袋の緒が切れて大爆発を起こす!

通常なら明らかなオーバーキルだが…

 

「全く、いきなり容赦がないね」

 

そこには何事もなかったかのように立つスペニの姿があった。

着ているものが焦げている事から、攻撃が完全に無効化されてるわけではないと判断したゴンザレス太郎は更に追撃を仕掛ける!

 

「いいよいいよ!久し振りに楽しめそうだ!」

 

余裕の笑みを浮かべながらゴンザレス太郎の攻撃を回避せず食らい続けるスペニ。

だがスペニはゴンザレス太郎の攻撃が終わるとケロッとした顔でそこに立つ、その姿に狙いは心を折ろうとしている事だと判断したゴンザレス太郎、その余裕を逆に利用し、仕込んでいた極大魔術を発動させる!

それは天の裁きを完全なる点に集め、産み出したエネルギーを集まる場所から敵の体内へ転移させる最悪最高の攻撃魔法!

先程スペニの転移を共にした事で使えるようになった覚えたばかりのスキルを仕込んだのだ!

 

「ピンポイントテラフレア!」

 

次の瞬間スペニの立っていた場所がまるでブラックホールの様に消える。

あまりの熱量に光すらも燃えているのだ。

だが…

 

「やるね~でも残念だけど属性攻撃は効かないんだよね」

 

その中から何事もなかったかのように歩いて出てくるスペニ。

そして、その姿が消えた!?

 

「なっ?!」

 

驚いたゴンザレス太郎のすぐ目の前にスペニの姿がうっすらと視界に入る。

そして、その拳が顔の前に動くのが分かる…

それは人が死を予感した瞬間に、脳が高速処理を行い生き延びようと全てがスローモーションに見える『タキサイキア現象』と呼ばれるものであった。

そのスローモーションの中でさえ残像を残しながら、目の前に出された拳はそれだけで間違いなく当たれば即死は免れないと理解をした。

だが見えはしても体が素早く動く訳ではない、ゴンザレス太郎はまるでゆっくり動く動作を行うように後ろに飛び、両腕をクロスして防御姿勢をとった。

しかし、スペニの拳は直前で止まりその拳から中指が弾かれた。

それはデコピンであった。

ゴンザレス太郎は殺すつもりで攻撃しラストエリクサーで生き返らせるつもりだったのに対し、スペニはただ遊んでいるだけだったのだ。

そして…

 

(しっ死ぬっ?!)

 

ゴンザレス太郎のクロスした右腕にスペニのデコピンがかすった!

次の瞬間ゴンザレス太郎の右腕は粉砕し粉々になり、ゴンザレス太郎自信も物凄い勢いで後ろに吹っ飛んでいく!

 

「がっがっぐぁっ…」

 

地面を何度もバウンドして転がり、ようやく止まったのはスペニから300メートル程離れた場所であった。

右腕は肩から無くなり左腕は複雑骨折、バウンドした衝撃で内蔵も傷つけ揺れた脳で視界も定まらない…

そんなゴンザレス太郎の目の前に瞬時にスペニは移動し、前に立ち拍手をする。

 

「ををっ凄い凄い!まだ生きてるよ!」

 

それが一体何なのか、既に立ち上がることさえ出来ないのだ。

たった一発のそれも手加減されたデコピンがかすっただけにも関わらずだ。

ゴンザレス太郎の目から戦闘意欲は既に無くなっていた。

完全に心を折られたのだ。

 

「まい…りました…」

 

ゴンザレス太郎、初めての完敗であった。

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