異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第20話 フーカとの交渉

「来てくれてありがとうゴン太君」

 

彼女の口から出たその声は驚くほど繊細で、まるで心を清められるように心に響いた。

清んだ音とは、こう言う音を言うのだと納得させられるような声に、魅了にも似た感情が沸き上がった。

 

「フーカさん、その声…」

 

そこまで言って気付いた。

彼女の声を初めて聞いたのだ。

そして…

 

「声?まぁそれはどうでもいいわ、それより貴方一体何者なの?」

 

突然のその言葉に意味が分からなかった。

前髪で視線は分からないが、顔の方向的に僕の方を見て言っているのは間違いない。

 

「一体何を言って…」

「話す気は無いのね」

 

そう言って彼女は近付いてきた。

フワリと優しい香りが鼻を擽り、妙に親近感にも似た気持ちが混乱を招く…

そして、目の前に立って彼女は言う。

 

「私は貴方を知らないのよ」

 

一体彼女は何を言っているんだ?

意味が分からずただ立ち尽くしていたら…

 

「そして、そのユニークスキルは何?タツヤ君」

「っ?!」

 

まるで世界が壊れる音がしたような気がした。

彼女は今なんて言った?

間違いなくゴン太ではなく、僕の事をタツヤと言った。

 

「何故…その名前を…」

「私の持つユニークスキルの一つ『スキミング』で見たら書いてあるわよ、貴方の本名」

「スキミング…って?!」

 

そう、それは先生から聞いた通りならば『解析』の上位に位置するスキルだ。

更に彼女は言った『私のもつユニークスキルの一つ』と。

 

「貴方のそのユニークスキル『プロアクションマジリプレイ』の事を説明しなさい!何故課外授業のレベルを全て神力にして5000も使って一体何をしたの?!」

 

目の前で僕を見るフーカさんの前髪が横に流れ、そこから覗く彼女の赤と黄色の目が真っ直ぐに僕を見ていた。

左右の目の色が違う、確かオッドアイと前世で言われていたやつだ。

しかしフーカさんの口調がどう考えても7歳のものじゃない。

 

「分かった。だがこちらの質問にも答えて貰えるかな?」

 

彼女のスキミングは非常に重要だ。

そして、彼女の何処か大人っぽい仕草や、何かを恐れている感じが違和感を増幅させる。

 

「いいわ、それで何を聞きたいの?」

「君の正体と関係があるのか分からないが、もう一つのユニークスキル」

「そうね、それじゃ私の事を話すから貴方のユニークスキルを教えて。そしたら私のもう二つのユニークスキルを教えるわ。」

「もう二つ?!…分かった。交渉成立だ。」

「まずね、私は次の春に死ぬの。そして、それを回避する方法を探してる」

 

彼女の口から語られたのは予想も出来ない内容であった。

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