「もしタツヤのユニークスキル『プロアクションマジリプレイ』が私を助けられるユニークスキルだとしたら、お願い…私を助けてほしい…」
彼女は少し寂しそうにそう告げた。
未来予知か?
いや、なにかおかしい…
そう、彼女は自分の事を『知らない』と言った。
『見てない』ではなく、『知らない』だ。
「それで貴方のユニークスキルの事を教えて貰えるかしら?ただし嘘は駄目よ、私のもう一つのユニークスキル『スピリチュアリティ』は私が質問した事に対する答えが嘘かどうかを見抜くスキルだから」
ゴンザレス太郎はそれで理解した。
何故彼女が普段目を隠し、言葉を全然発しないのか。
相手を見て会話をすることで、『スピリチュアリティ』で嘘を全て見抜き、『スキミング』も併用すれば相手を丸裸にしてしまうからだ。
彼女もまたゴンザレス太郎と同じく、あまりにも特殊すぎるスキルを得ていたのだ。
「分かった。少し長くなるけど教えるよ…俺の『プロアクションマジリプレイ』は…」
ゴンザレス太郎はフーカに今現在分かっている範囲で自分のスキルを説明した。
普通ならとても信じられない内容だが、彼女のスキル『スピリチュアリティ』がそれが真実だと証明した。
フーカの吸い込まれそうなオッドアイが、話への驚きで大きく見開かれる。
「嘘はついてないようね…なにそのふざけたスキル…」
だが、ゴンザレス太郎も全てを語らなかった。
話したのは5000神力でクジが引けて、クジでコードが当たる。
そのコードを発動して寝て起きたら効果が現れ、再び寝るまで続く、そしてまだ誰にもこのスキルの内容を話していないと言うことだった。
『好感度MAX』のコードや、コードが分からなくなった『所持金MAX』については口に出さなかった。
嘘を見抜くフーカさんだが、質問した内容の返答に真実が混ざっていれば誤魔化せると、奇妙な立ちポーズで有名なあの漫画が教えてくれたのだ。
「でも『アイテム減らない』っと言うのは使えるかもしれないわね…」
そう言って、フーカは暫く一人で考え込んだあと再び話し始めた。
一度下を向いた事で彼女の前髪がオッドアイを隠してしまう。
「もう気付いてかもしれないけど私の最後のユニークスキルは『転生タイムリープ』よ、その効果は死んだら生まれた瞬間から死ぬまでの記憶を持ったままやり直すの、強制的に…」
彼女の口から語られた内容に再び驚くゴンザレス太郎。
一人の人間がこんな特殊過ぎるスキルを3つも得ていた事実に開いた口が塞がらなかった。