異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第17話 超越した者と観測する者

その日の夜、宿に戻った3人はゴンザレス太郎の寝ている横に集まっていた。

ミリーがゴンザレス太郎の体に神の力で状態を調べていたのだが・・・

 

「これは不味いわね・・・」

 

ゴンザレス太郎を調べていたミリーが口にして、サラとフーカは焦る。

こういう時にミリーは冗談を言わない、本人も真剣にゴンザレス太郎を心配しているのだ。

 

「二人共落ち着いて聞いてね・・・今ココにあるタツヤの肉体にタツヤの魂が入ってないの」

 

それはゴンザレス太郎の死と同意であった。

既にゴンザレス太郎の魂は疲弊し消滅する直前だったのだ。

それが神化された肉体に留まる事でなんとか生き続けられていたのだが、魂が入ってないと言う事は既にゴンザレス太郎の魂は消滅したと言う意味なのだと2人は理解したのだ。

 

「だけど・・・ううん、これが厄災って事なのかな。」

 

ミリーは悩みつつ二人に伝わる言葉を考えながら発する内容に頭をめぐらせる。

これには認識の次元が元々神であったミリーと元々人間だったフーカと魔族だったサラの間で違う事から来ていた。

 

「二人共いい?貴方達が私達神を認識できるのは分かるよね?」

「うん」

「それがなによ」

「多次元生命体は自分の存在する次元までしか認識できないって話は分かる?」

 

2人は固まる、理解が及ばないのだ。

 

「1次元は点と線、2次元は縦と横、3次元は縦と横と奥、4次元は縦と横と奥と時間」

 

ミリーにはその上の5次元まで認識できるのだが、それを伝えても4次元に生きる生命体にそれを認識する事は出来ないのである。

 

「それと同じように存在の認識はその生命体の一つ上の存在までしか認識できないの。」

 

2人は頭から煙が出そうになっている。

 

「つまり貴方達人間や魔族は私達『神』の位まで認識する事が出来る、そして私達神はその上の存在を認識する事が出来るの」

 

人は通常神に会えないように、神もまたその上の存在を認識出来ても会えない。

 

「そして、タツヤの魂は今その存在と会っているみたい」

 

それはありえない事・・・

人であるゴンザレス太郎が神の上の次元に位置する存在に会っても、ゴンザレス太郎の方が認識できないからである。

 

「つまり、そいつがタツヤを捕まえているから戻って来れないって事ね?」

「分かった、そいつはどこに行ったらぶっ飛ばせるの?」

 

ミリーはやっぱり説明しても駄目だったと頭を押さえるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う・・ううん・・・ここは?」

『気が付いたかな?』

 

誰かの声が聞こえてゴンザレス太郎はあたりを見回す。

 

『ごめんね、理由があって君には私の姿は見えないんだ』

「そっか、それで誰なんですか?」

『そうだな~私の事は『冥』とでも呼んでもらおうかな?』

「冥?分かりました。それでここは一体?」

 

ゴンザレス太郎があたりを見回すが、そこはそこに在るのにそれを認識できない空間であった。

まるで目が見えなくなったかのような感覚に目眩が起こる。

 

『おっと大丈夫かい?』

 

まるで体を支えられた気がしたようにゴンザレス太郎の崩れたバランスが修正される。

 

「あ、ありがとう」

『気にしないで、それよりここに君を呼んだのは私なんだ。』

 

ゴンザレス太郎は驚いた。

一瞬で頭の中に相手が言いたい事が知っていたかのように流れ込んで来たのだ。

そして、その中にゴンザレス太郎の居た世界の中に居るそいつの情報が重要だと流れ込んで来た。

 

「ゴッド・・・ウエポン?」

『あぁ、そう変換されちゃったか・・・まぁいいや』

 

その存在がゴンザレス太郎に何かを伝えるには裏技が必要でそれを行う事で会話を成立させているのだが、その方法が頭の中に流れ込んでゴンザレス太郎は理解した。

 

「なるほど、翻訳サイトを通じて言葉のやりとりをしているみたいな感じですか」

『あぁ、その例えイイかも』

 

そして、その冥と名乗ったその存在はゴンザレス太郎に話をする・・・

 

『実はね、君という存在に一つ頼みがあってね・・・』

 

人の身でありながら神すらも超越したゴンザレス太郎へ、冥は頼みごとをするのであった・・・

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