異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第17話 新たなるダンジョン四角い部屋

「ピコハン、お弁当だ」

「あぁ、ありがとう」

 

前回の清算が一通り済んで、そろそろ皆さんの仕事が無くなりそうなのでピコハンは再びダンジョンに挑む日が来た。

ルージュ手作りのお弁当を受け取り、ピコハンは大切に共有箱に入れる。

道中で出来たてを貰うのも良いのだがルージュ的に…「旦那を見送る時に渡すお弁当って言うのがイイんじゃないか!」と言っているのでとりあえずこのタイミングで受け取っている。

 

「ピコハンさん・・・気をつけて」

「あぁアイも気をつけてな」

 

右目と左腕の無いアイはやはり日常生活を送るのにも苦労をしている。

ピコハンが居る間は色々と助けてやれたが、今日から暫くはまた一人だ。

 

「村の事は任せてくれ、それにアイさんの事も出来るだけフォローするよ」

「頼んだよユティカ」

 

ユティカもあれ以降一緒に暮らしている、主に彼女は村の警護をやってくれていて、野犬退治で村の皆からの信頼も得始めていた。

あのキャベリンが謝罪に来た時に堂々とユティカはこの村で住んで働くと宣言したので、キャベリンの所の警備の仕事は完全に辞めた。

しかもキャベリンの屋敷で警備隊長を任されていた事もあり、キャベリンからの今後の手出しに関しても対策になってピコハンは安心していた。

 

「それじゃ行ってくるよ」

 

ピコハンは腰に先日作ってもらった剣を装着する。

これはあの女王蟻の足を削って作られた一品だ。

今回はこれを最初から持ってダンジョンに挑む!

 

そうしてピコハンは再びダンジョンの入り口にやってきた。

あれから数ヶ月が経過しているが、その雰囲気は変わらずここから先はこの世ではないと言う空気が漂っている。

ピコハンは深呼吸をしてダンジョンに足を踏み入れたのであった。

 

 

 

 

「ドア?」

 

この世界のダンジョンは入る度に中が変わる、いや正確には違う中身に繋がると言うべきか。

外に助けを呼びに出て再び中に入ると、全く違う場所に行ってしまうと言うのは前述の通りである。

そして、今回ダンジョンに足を踏み入れて3分くらい真っ直ぐ1本道を進んだ先にあったのは、行き止まりに不自然に存在する1枚のドアであった。

 

「入るしか・・・ないよな?」

 

ピコハンはドアノブに手を掛けゆっくりと回す。

開けてイキナリ魔物が襲い掛かってくる事を警戒しているのだ。

ギィイイイイっと言う音と共にドアが開き、中を覗いてピコハンは驚きの表情を見せる。

 

「なん・・・だこれ・・・」

 

ドアの中は部屋であった。

片面4メートル程の正方形の部屋である。

その部屋の全部の面の壁に入ってきたと同じようなドアが付いている。

つまり正方形の部屋に床と天井も含めてドアが6つ在る形である。

 

「行くしか・・・ないよな?」

 

ピコハンはその不思議な部屋に入った。

後ろで入ってきたドアが勢いよく閉まる。

ここも密室になっているにも関わらず、床や壁が光っていて視界は良好であった。

ドア以外の場所は土ではあるのだが非常に硬く!触っても岩肌は削れない。

 

「とりあえずどっちに進むかな・・・」

 

入ってきたドアを除けば進める方向は上も含めて5方向。

だがピコハンには予感があった。

とりあえず適当に壁をよじ登り正面のドアを開いた。

そしてその中を覗き込んで予想が当たってた事を確認する。

 

「今回はこういうダンジョンか・・・」

 

そこもまた片面4メートル程の正方形の部屋でドアが全面に存在しているのであった。

 

 

 

 

 

 

「戻る事は出来るか・・・」

 

真っ直ぐに6部屋進んだピコハンは変化が無いので確認の為同じだけ真っ直ぐに戻ってみた。

するとちゃんとダンジョンの入り口へと通じる道に出れる事を確認した。

今回はループではない事で進んだルートを間違わなければ帰れる事に一安心して、ピコハンは再び部屋へ戻る。

そして、もう一つの確認を行なった。

 

「嘘・・・だろ・・・」

 

ピコハンが今度試したルートは向かって左のドアを3回進むであった。

そう、通常ならそこはピコハンがこの部屋に入る為に通った通路が在る筈なのにそこもまた四角い部屋だったのだ。

そして、ピコハンは気付かない。

既に来た道を戻っても元の場所へ出れなくなっている事に・・・

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