受付嬢からギルドの説明が始まり、何故かフーカがずっと僕の手を握ってる…
暫くして、たわわに視線が誘惑されそうになったら今度は腕を抱き締められた。
ごめん、たわって無いから少し痛い…
「………以上がギルドでのルールとなります」
少し長めの説明が終わり、ギルド会員カードが各々に手渡される。
ルールについてはよくある異世界物と大体一緒で、ランクより一つ高いものまで受けられる、ランクアップには試験がある、おやつは銅貨30枚まで、カードを無くすと再発行にお金がかかる、怪我などしても自己責任、月に一回あるギルド主催のパーティー参加費は自己負担、と言った内容だった。
カードを受け取った二人、暫くカードを見つめてから同時に互いの視線が偶然合い恥ずかしくなって同時に視線を反らす。
そんな初々しさに受付嬢は微笑み、ゴンザレス太郎とフーカはギルドを出ようとするのだが…
「ちょっと待てよ、フーカだったな。こんなやつに付いていっても直ぐに大怪我したりするぜ、悪いことは言わねぇ俺が守ってやるから俺の仲間に入れよ」
アイアンが前に立ち塞がりフーカを勧誘し出す。
だがフーカは首を横に振るだけで何も言わず、ゴンザレス太郎の袖を摘まみながら一緒に横を素通りして外へ出ようとする。
だが更にホネオが前に立ち塞がり…
「おい、アイアンが誘ってるんだぞ!」
っと怒鳴った所にフーカが
「うるさい!覗き魔!!」
っと一喝!
その言葉に驚いて固まったホネオを放置して外へ出る二人。
ユニークスキル『スキミング』を持つフーカには全てお見通しであった。
ホネオのユニークスキルが『設置盗聴』と『望遠眼』だと言うことを。
※スキル『設置盗聴』、その名の通り盗聴機の様に設置した場所の音を聞くことが出来るスキル。
※スキル『望遠眼』、望遠鏡を覗くように直線上の遠方を見ることが出来るスキル
ホネオは昨日の体育倉庫の出来事を先生の体に付けていた設置盗聴で聞き、慌てて望遠眼で離れた場所から見ていたのだ。
ギルドを出て隣に在るギルド専用の販売店。
そこに昨日増やしたリップクリームを売りに行くのが今回の目的で、その為にギルド会員カードを手に入れたのだが、それだけでどっと疲れたゴンザレス太郎。
その横では…
「ダーリン…怖かった…」
っとゴンザレス太郎の腕にいつの間にかしがみついて歩いているフーカ…
(いや、お前の方が怖ぇーよ!)
どこの世界でもでも女って怖い生き物だと認識したゴンザレス太郎であった。