異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第32話 運命の選択、どれを選んでも…

残り時間約10分・・・

玄武を討つ為に穴の中へ進んだピコハンに声を掛けたのは、あのリトーの生首であった。

ゴンザレス太郎に体を奪われて切り落とされ、首から上は地面を転がりゴンザレス太郎の核融合による大爆発でピコハン達と共に地上へ叩き落されていたのだ。

その後、地下まで開いた穴から落下し、玄武の出てきた穴へ転がりこんでいたのだ。

 

「生きていた・・・のか・・・」

「ふんっこうなってもまだ不老不死は生きてるみたいでな」

 

そう言いながらリトーは地面を転がりながら道を塞ぐ。

ピコハンの正面に辿り着きリトーは語りだした。

 

「それで奥へ向かうって事は玄武の所へ行くつもりなんだな?」

「あぁ・・・全てを終わらせる」

「もう一度だけ聞く、お前はそれでいいのか?」

 

リトーの問いかけに疑問を持つピコハン。

話しながらも横を通り過ぎようとしたピコハンを追いかけるように、転がりながら付いてくるリトー

 

「中の世界・・・いや、違うな・・・この世界に生きている人類を滅ぼすつもりか?」

 

その言葉に足を止めるピコハン。

 

「どういうことだ?」

「お前達玄武の中に居た者達はワシが集めた世界の生き残りだ。そして、上の竜宮城が破壊された事で玄武の封印は解かれている・・・このままにすれば玄武は寿命で半年を待たずに滅びるじゃろう、そうなれば中の生き物は全て死滅する。それは小僧がこのまま進んで玄武を殺しても同じじゃ」

「・・・」

 

玄武の上に在った遺跡が竜宮城の成れの果てと言われてもイマイチピンと来ないのだが、そこは気にすることではない。

ピコハンはリトーの言葉が何処まで真実か分からない、だが確かに玄武の外の世界には人が生存しているとは思えない光景が広がっていた。

荒れ果てた大地、砂漠化した地平線・・・

玄武を殺せば全人類が滅びると言われその足を止めた。

 

「じゃあどうすればいいと?」

「だからお前に選択してもらう、よく考えろ!選択肢は3つある・・・1つはこのまま玄武を殺して全人類と共に消滅させる、まぁ1人生き残るお前は生きてはいけないだろう。2つはこのまま玄武が寿命で死ぬまで待つ・・・まぁその前にあの化け物が玄武を殺すかもしれないが時間の猶予は少しあるな。3つはお前が次の玄武として世界を守ると言うものじゃ。そうすれば世界の全人類は救われる」

 

それはどれを選んでもピコハンにとって死が待つ選択肢であった。

人類の為にその身を犠牲にするかどうするか・・・

だがリトーが述べているのも事実だとピコハンは薄々感じていた。

既に上での核融合による大爆発で中では大災害が発生し、世界の安定を培っていた竜宮城の制御は崩壊した。

更に前の玄武の頭部はゴンザレス太郎によって破壊されている、即ち中の世界の安定は崩れているのだ。

 

「お前に見せたいモノもある、ワシを担いでくれないか?」

 

そういうリトーの生首を拾い上げるように髪の毛を掴んで持つピコハン。

ちょっと想像していた持ち方と違ったのか不満げな表情のリトーだが、仕方ないと気持ちを切り替える。

そのまま考える時間を与えたのか先へ進むピコハン、斜め下へ更に深く奥へと続く穴を進むとそこには水が溜まっていた。

 

「ここからはこの中に入らなくてはならん。お前は既に第4段階の玄武候補じゃから中でも呼吸が出来るはずじゃ」

 

その言葉を信じる信じないどちらにしてもその中へ入らないと先へ進めない、なのでピコハンは覚悟を決めてそこへ足を浸す。

幸い酸や毒といった事は無く、それは普通の水のようでピコハンはその中へゆっくりと体を沈める。

頭が水中に入り、不思議な事にその中は水中にも関わらず呼吸が出来てリトーとの会話が成立したのだ。

 

「この先じゃ・・・そこの岩の隙間を覗いてみろ」

 

リトーに言われた通り岩の間に光が差し込む隙間があり、ピコハンはそこを覗き込む。

そしてその顔に浮かんだのは驚愕であった。

 

「これは・・・彼女・・・達は・・・」

 

そこには物凄い人数の女性が浮かんでいた。

まるで滞留しているようにゆっくりと流され続ける彼女達の中にピコハンは見つけてしまった。

 

「る・・・ルージュ・・・」

 

そこには眠るように瞳を閉じて浮かぶ彼女の姿が在った。

その言葉を聞いてリトーは嬉しそうに告げる。

 

「お前だけじゃない、全ての玄武候補を成長させる為にその魂を使ったダンジョンに喰われた女達だ。だが彼女達は魂を失いはしたがまだ生きている」

「生きている?!」

「あぁ、そして小僧が玄武になればルージュと言ったか?あいつが寿命で死ぬまで一緒に居られるぞ?」

 

それは悪魔の囁きであった。

死んでもう会えないと思っていたルージュがそこに居るのだ。

まるで眠っているだけのような彼女はリトーの説明ではまだ生きている、だが魂は使われて二度と起きることは無い。

そう告げられたのだ。

それでも彼女と共に生きる為にはピコハンが玄武になるしかない・・・

意識は無くとも彼女はまだ生きているのだ。

玄武を討つと言う事は中の人だけでなく彼女も、そしてこの中のどこかに居る妹と姉、そしてアリーも殺すと言う事だ。

果たしてピコハンはどうするべきなのか隙間を覗きながら悩む・・・

 

 

 

 

 

 

 

『もう・・・駄目・・・限界よ!』

 

ゴンザレス太郎を抑えていたフーカがその姿を消した。

それと同時にそこにデウスが出現しフーカに続いてゴンザレス太郎の封印を続行する!

 

「会いたかったぞ!ゴンザレス太郎!」

「誰だ・・・お前は・・・」

「くっ・・・まだ思い出せないのか・・・」

 

残り時間・・・8分!

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