異世界ツクール   作:昆布 海胆

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本日より第3章となります。


第3章 第1部 嵐とナナシ編『ユーデューバー』
第1話 運命の出会い


「それではまた見てくださいね~ちゃお!」

 

嵐は自分がアップした動画を見終わった。

 

(おかしい、確かに爆裂に面白いとは言わないが、他の人とそれほど差があるとは思えない…)

 

嵐はパソコンの前で唸り声をあげていた。

ここはとある世界のとある国のとある町。

現実世界と限りなく近い、もう一つの地球とも言える世界。

この世界の近代文明は進化を続け、この10年で世界は豹変した。

誰もが携帯電話を持ち、インターネットにいつでも接続できる時代であった。

この時代に流行の最先端をいっている職業がある、それがユーデューバーである。

 

無料で利用できるユーデューブと呼ばれる動画投稿サイトに動画をアップロードする事が誰にでも出来て、誰でもそれが視聴可能となる、これには無料の代わりに広告が自動で掲載され、他の誰かがその動画を視聴するとその広告主から広告料が支払われる。

単価としては微々たるものだが、これが視聴数と比例して増えるので視聴者が増えれば増えるほどその額は上がっていく。

その動画投稿による収入を稼いでいる人の事をユーデューバーと言うのである。

 

勿論動画である以上様々なルールがあり、禁止要項としてアダルトな物や著作権、肖像権、その他様々な制限が存在する。

それらを上手く引っ掛からないように知恵を絞って動画を作っているわけだが、嵐の動画は今一伸びが悪かった。

 

「『自宅の風呂に入浴剤と間違えて入れ歯洗浄剤を入れてしまった』悪くないと思うんだけどなぁ~」

 

自宅の風呂でメーカーを表示せずに入れ歯洗浄剤を使うというアイデアは悪くないのだが、間違いなく肌には悪かったのであろう、嵐は1週間経過してもヒリヒリする肌を手で擦っていた。

 

どんなに面白い動画を上げても知名度が低いと視聴者がその動画に行き着くことが難しいのもある。

世の中にその名を轟かす有名ユーデューバーとはそこが大きな差なのだ。

『まじめしちょー』『フカキン』最近では半分だけ金髪という『ヒカリュ』と言った有名ユーデューバーは年収が億に届くと言う。

声だけでゲームを実況するユーデューバーも勿論いる、『コダー』『あしゅか』『リュッカ』その他にも様々な人が居るが、ゲームの実況は著作権が絡んでくる場合が多いのでそっちには中々手が出せない。

 

「まっそれはさておき仕事仕事」

 

嵐は気分を切り替えいつもの仕事に入る。

それは神がゲームで作った世界を監視する仕事であった。

本人はただのネットゲームの管理者の一人としか思ってないが、実はその世界は神の世界で作られた『異世界ツクール』と呼ばれるゲームの世界であった。

 

「しかし、このゲームも退屈なゲームだけどプレーヤー多いよな…」

 

その世界をパソコンで監視しながら不具合が無いか確認する、その仕事は実は異世界に干渉することが出来るスキルを持つ人間にしか出来ない仕事であった。

異世界ツクールを作ったアサッテキーと言う会社の運営がそう言う人間を見付け、スカウトしてこの仕事についているのだ。

 

「ん?なんだこいつ?」

 

嵐は偶然見掛けた一人の少年に妙な違和感を感じ、そのキャラを見詰める…

 

これが嵐と七志の出会いであった。

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