異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第16話 詐欺魔法のファイアーを検証

結局その日はルルさんからこれ以上の魔法の使用は禁止され、明日に持ち越しとなった。

 

「それじゃ気をつけて帰ってね」

 

ルリが帰ろうとしている七志に声を掛け、照れながらも七志は笑顔でそれに答える。

そして、建物を出て直ぐに頭を一発叩かれる。

 

「調子に乗るなよ新人!」

 

少しヤンキー崩れと言った雰囲気の男の子が七志の頭を小突いたのだ。

それを見てアントンがそいつの頭を同じように叩く。

 

「いてっ?!」

「自分がやられて痛い事を他人にやるんじゃないボブ」

 

茶髪でチリチリ頭のボブと呼ばれた少年はアントンに小突かれて振り返り睨み付けるが、それ以上は何も言わず無視して歩を進める。

なんとなく雰囲気の悪いままボブが一人先に帰り、小突かれた頭を擦っている七志にアントンが声を掛ける。

 

「悪いな、ボブは悪いやつじゃないんだけど、どうにもルリの事が・・・みたいでな」

 

誤魔化しているが全然誤魔化せてないアントンの言い草に少し笑いながら、ルリとイキナリ仲良くなった事が原因だと理解した。

明日からは午後からまた魔育園に集合する形になると言う事で七志もその場で解散し、七志は部屋を取っているエルの宿へ戻る。

その道中嵐から連絡が再び入った。

 

『う~ん・・・とりあえず良く分からないと言う事が分かったわ』

「それ何も分からなかったて事だよね?」

『まぁそういうな、お前のMPが一気に全部無くなったのもこの辺りが原因かもしれないんだから』

 

嵐の言葉には一理あった。

ルルも言っていたがファイアの魔法は使用するだけなら消費MPは1である。

だが七志は一瞬でMPを3消費した。

これが先程嵐がフォルダで見た『時間焼却』に関わってくるのは間違いないだろう。

そんな独り言を言う危ない人状態だった七志、無事にエルの宿屋へ戻ってきて部屋にて着替え等を済ませる。

一応魔物との戦いも経験して服も汚れていたと言うのもあったからだ。

 

そして、夕飯の時間までまで1時間くらいあったので、時間になったら起こしてもらうと言う事を頼んで七志は部屋にてベットの上で実験の準備をする・・・

そう、自然回復でMPは3まで戻っている筈なので気を失っても問題の無いベットの上で実験を行なうつもりなのだ。

 

『それじゃ俺の推測だけど聞いてくれ、時間ってのは全ての物事に均等に流れる4次元目の方向性だ。そう仮定すると時間を焼却すると言う事は経過した時間を燃やす尽くすと言う意味ではないかと思っている』

「分かった。それを実験すれば良いんだな」

『あぁ、動画のタイトルは『俺の魔法がなんかおかしいので検証してみた』で行こうと思っている』

 

相変わらずのネーミングセンスであった。

そして、七志は今日雑貨屋で購入したティッシュの様な紙を用意してそれを破く。

バラバラになったそれは一箇所に集められ鉄のお皿の上に拾って置かれた。

 

「んじゃやってみるか!」

 

七志はそのバラバラの紙に手を翳して呪文を詠唱する・・・

 

「黒の魔法 火の力よ我が手より全てを照らす火の奇跡を!ファイアー!」

 

七志の手から火が生まれ、それを直ぐに銀の皿の上に置かれた破けた紙に近づける。

七志が出しているのは魔法とは言え火である、紙なんて直ぐに燃えるはずであった。

だが紙は燃えず火の中で紙が修復されていっていた!

それを確認すると同時に七志はMPが尽きたのか、そのまま気を失ってベットに倒れこむのであった・・・

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