異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第15話 死神3兄妹の3男、六郎撃破!

「が・・・がはっ・・・ば・・・ばかな・・・」

 

ガタガタ・・・いやカタカタと全身を震わせながら起き上がろうとする六郎、だが先程の七志の攻撃が効いたのか上手く立ち上がれないでいた。

そんな六郎へ向けて七志は一歩ずつ歩きながら再び魔法を唱える。

 

『ファイアーボール』

 

再び七志の周囲に3つの人魂が浮かび上がり、七志はそれを一つ手で掴む。

手に魔力を込めて握る事でそれは実体化する、そしてそれを媒介にすれば七志は詐欺魔法を使える事が分かったのだ。

しかもそれをそのまま投げつければ攻撃魔法として使用する事が出来ると判明したのだ。

 

「お前の敗因は一つ、そうたった一つだ。お前は俺を怒らせて彼女を傷付けた」

「いやっ今2つ言ったよね?!」

「これで、終わりだ!」

 

再び握り締めた人魂を振り被って投げつける七志!

だが・・・

 

「甘いわ!同じ攻撃がそう何度も通じると思うなよ?!」

 

飛んできた人魂、それを六郎は刀で切り裂いた。

六郎の制空剣、それは自らの周囲に剣で届く範囲に入ったモノを無意識に剣で迎撃する技。

どれほど七志が剛速球で人魂を投げつけたところで六郎には届かないのだ。

しかし・・・

 

「なっ?!なんだこれは?!」

 

切り裂いた人魂に向けて何度も何度も自動で六郎は剣を振りながら空中で細かく細かく切り裂いていく・・・

それを見て七志は口元を緩ませて告げる。

 

「お前自分から言ったよな?『我が制空剣は見えていなくても射程に入ったモノを斬る!』と、つまりお前は射程にあるその人魂を延々と切り続ける事になったんだよ」

「くそっ、ふっふざけるな?!」

 

目にも止まらぬ速度で何度も何度も剣を振った六郎、当然その自分の限界を超えた動きを繰り返した事でかなりの疲労が蓄積されていた。

それに気付いたのか六郎は慌てて制空剣を解除した。

一瞬にして物凄い回数斬られた人魂は既に塵サイズとなり六郎の後方へ飛んでいく。

どちらにしても六郎には人魂は当たらなかったのだ。

 

「あらら?制空剣だっけ?それ止めちゃったの?」

「ば・・・ばかにするのもいい加減に・・・」

 

そう言って七志を見た六郎は気付いた。

七志の周囲に飛んでいた筈の残り2つの人魂が何処にも存在していない事を・・・

そして、嬉しそうに笑顔を見せる七志の顔が六郎が最後に見たモノであった・・・

 

「ぐばがぁああああああ!!!!」

 

七志のアンダースローで山なりに放物線を描いて六郎の頭部へ落下してきた人魂。

それが先程の人魂の一撃で大きく凹んだ鎧の兜に再び直撃した。

速度はそれ程でもない筈なのにそのダメージは甚大であった。

その理由がこの区のルールにあった。

ダメージの計算が攻撃する物の攻撃力に由来すると言うルールがこの区にあったからである。

蹲るように沈む六郎、ダメージが大きすぎるのか割れた兜が先に落下しへたり込んだ六郎の元へナナが駆け足で近寄っていく!

その手にはナナシの最後の人魂が握られていた。

彼女もまたネネと同じく魔石を使わずに意識を取り戻した人間で、ネネを見て魔力を練る事を覚えていたのだ。

 

「よくもお姉ちゃんを!」

 

既にナナの存在が認識できていないのかゆっくりと倒れていく六郎の顔面へ、叩き落すようにその人魂が投げつけられた!

六郎は既に死んでいたのかは分からない、だがナナの投げた最後の一撃を喰らうと同時に六郎の体はバラバラに砕け散った。

周囲に居た誰もがそれを見て暫し固まる・・・そして一斉に歓声が沸きあがった!

 

「「「「「わぁぁぁぁああああああああ!!!!」」」」」

 

周囲に居た住民も六郎の横暴な行為に不満があったのだろう、六郎が完全に死んだ事を誰もが喜び歓声を上げたのだ。

そして、その歓声の中ゆっくりと倒れる七志。

 

「えっ・・・七志さん?!ってキャッ」

 

それを慌てて抱きとめたのは元奴隷のルリエッタであった。

だが非力なルリエッタはそのまま七志を支えきれず共に倒れてしまう。

 

「あいたた・・・」

「ご、ごめんなルリエッタ・・・」

「だ、大丈夫ですか?」

 

真っ青になった七志の顔が直ぐ近くに在り、七志とは対照的に真っ赤になるルリエッタ。

ヘロヘロになりながらも優しく笑みを見せる七志は告げる。

 

「HPを人魂出すので使いすぎてMPもすっからかんなんだわ・・・ごめん少し・・・寝る・・・」

「えっ?ちょっ七志さん?!」

 

そのままルリエッタに覆いかぶさる形で瞳を閉じて意識を失う七志。

七志の顔が目の前に在る事で、ルリエッタは顔を真っ赤にしながらもゆっくりとその唇へ自らの唇を目を閉じて近づけて・・・

 

「オホンッ!ルリエッタ?そう言うことは誰も見ていないところでね」

「ひゃいっ?!」

 

いつの間にか近くに居たリルに突っ込みを入れられ我に帰るルリエッタ。

周囲を見回すとスケさんにナナにネネだけでなく近くの住人達も2人に注目していた。

 

「いいぞねーちゃん!ぶちゅっとやっちゃえ!」

「あらやだ若いっていいわねぇ~」

「リア充なんて爆発しちまえ!」

 

周囲から色々な声が掛けられる中、ルリエッタに覆いかぶさっていた七志はネネとリルの手で起こされ、そのままスケさんの手も借りて定食屋へ戻る。

店員も騒動の一部始終を見ており、店内が滅茶苦茶だったので営業を中断し別室を解放して七志をそこで休ませるのであった。

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