異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第17話 嵐との念話再開!そして奴隷商のところへ・・・

『こちらアラーシ、聞こえるか七志?』

「良好だアラーシ・・・って嵐?!」

 

真っ暗な空間に佇む七志はその声に反射的に反応し驚いていた!

その声は世界がおかしくなる前に何度も聞いた声・・・

七志をこの世界へ送った観測者の1人で相棒でもある嵐であった。

 

『ををっ?!突然信号が反応を示したから試しに念話を送ってみたら通じるじゃねーか!』

「もしかしてずっと?」

『あぁ、一応映像はこちらにずっと届いていたから動画の方はUPしてるぜ』

 

その言葉に嵐がずっと七志の映像をユーデューブの方にUPし、念話が通じるまで連絡を送り続けていた事が伝わった。

更に動画がアップされていると言う事で観覧数に応じて報酬が支払われている筈なのだ。

これで七志は所持金の心配をしなくても良くなったと共に今までと同じように動画を作成していけるのである。

 

『でもなんで突然繋がったんだろうな?なんにしてもここ暫くの報酬は送っておくから受け取っておいてくれ』

「了解だ。それにしても本当に不思議だな、さっき倒した六郎とか言うやつのせいか?」

『うんにゃ、多分・・・あ~分かったわ、とりあえず起きたらその娘を放すなよ』

「娘?」

『聞こえてるんだろ?』

「はい・・・」

 

突然聞こえる第3者の声、七志はその声を聞いて驚く。

 

「ルリエッタ?」

「はい・・・七志さん大丈夫ですか?」

『まぁラブリエールは2人でゆっくりやってくれ、なんにしてもその娘が居ないと念話や送金が出来ないみたいだから』

「そうなのか?でもなんで?」

『それはこっちが聞きたいところだ。なんにしても無事でよかった。それじゃ今回はこれで切るな、面白い映像を頼むぜ相棒』

「おうっ任せとけ相棒」

「あい・・・ぼう・・・?」

 

真っ暗な空間が突如光に包まれて七志は目を開いて飛び起きた!

 

「うわぉっ?!」

「キャッ・・・」

 

そこは定食屋の個室であった。

七志は現在の状況を確認しようとそこに座っていたルリエッタを見て気付いた。

自分が膝枕をされていた事に・・・

 

「あっそのなんだ・・・ありがとうな、それと声・・・聞こえたんだよな?」

「・・・」コクン

 

元々無口なルリエッタであったが、その表情がなんだかいつもと違って見えた。

ほんのりと頬が赤く染まっており目が潤んでいる。

嵐の話では彼女がまるで電波塔の様な役割を果たして念話が繋がったと言う風な事を言っていたのだ。

 

「ルリエッタ、君は特殊な力でも持っているのか?」

「・・・」フルフル

 

一度目を閉じて顔を横に振るルリエッタ。

その様子から彼女自身もどうしてあんな事が出来たのか分からない感じであった。

そんな七志の声が聞こえたのか個室の扉が開く。

 

「おっ起きたのか七志!なら早く出て来なはれ、町中大騒ぎやで」

「あぁスケさん心配掛けたな、ん?大騒ぎ?」

「おうよ、この町で好き放題していた六郎が倒されたって事で大盛り上がりやわ!」

 

そう言って外へ連れ出された七志の顔を見て安堵の顔を見せるリル、そして店員の男性。

店から出ると先程までとは打って変わって町は大賑わいの祭りを想像させるほどの盛り上がりであった。

 

「いやったぁー!!!これでビクビクしなくてもいいんだぞー!」

「ひゃっほぉーーー!!!!!」

 

あちこちから歓喜の声が聞こえた。

実際には七志は連れ去られたルリエッタとナナを追い掛け助けようとした。

そこで偶然居合わせた六郎と対峙することになり倒しただけなのだ。

だが結果的に皆が喜んでいるならばと肩の力を抜いて定食屋の中へ戻った。

そして、そこに居たスケさんに尋ねる。

 

「そう言えばネネとナナの姉妹は?」

「あの二人やったらほれっ」

 

そう言ってスケさんが骨の顎で建物の奥を指す。

奥にもう一部屋あるらしく七志はそっちへ向かって扉をゆっくりと開いたら・・・

 

「本当に傷が消えたみたいだよお姉ちゃん」

「本当?!って・・・えっ?」

 

そこには上半身裸になり、六郎から受けた刀傷が残っていないのをナナに確認してもらっているネネが居た。

幸い後ろを向いていたので七志からは背中しか見えなかったのだが、開いた扉の音でネネはこっちを振り向いてしまった。

 

「ごっごめんっ!」

 

慌てて扉を閉める七志。

その七志の様子に首を傾げるスケさんとリルとルリエッタ。

七志の背を少し見詰めていたら今度は中から扉が開かれて・・・

 

「七志さん目が覚めたんですね!良かったぁ~」

「七志、妹を助けてくれて本当にありがとうね。それと・・・あとで話がある・・・」

 

ネネの低く、七志本人にしか聞こえない声で告げられたその言葉に背筋が凍りつくように寒気を感じるが、悪いのはノックしなかった自分だと考え冷や汗が垂れる中1回頷いた。

その後、定食屋は営業を再開すると言う事で一同は店を後にして七志に続いてある場所へ向かう・・・

 

「ねぇ七志?どこへ向かってるの?」

「いいところだよ」

 

ネネの言葉にそう答える七志は非常に嬉しそうな顔をしていた。

そして、到着したその場所にルリエッタの表情が一瞬曇る。

そこはかつてルリエッタ達を七志が購入した奴隷商の店だったからだ。

そんなルリエッタの様子に気付いた七志はソッとルリエッタの手を握って小さく「大丈夫だよ」と告げて扉をノックする。

 

「店長ー!あーそーぼー!!!」

 

大声でそう告げる七志はノックした扉を蹴って破壊して開いた。

直ぐに店員が慌てて駆けつけてくるが、七志の顔を見て固まる。

それはそうだろう、既に七志が六郎を撃破したという情報が流れており、原因となったのは店主が七志に仕返しをしようとしたからだと言うのは既に誰もが知っていた。

 

「ねぇ店長居ます?」

 

オーナーの事を言っているのは直ぐに分かり、建物の奥を指差す店員達。

七志の後ろにはスケさん、ルリエッタ、リル、ナナ、ネネと並んでおり、七志1人でも滅茶苦茶強いと言う話は聞いていたからだ。

 

「店長どこかな~かくれんぼかな?よーし見つけちゃうぞー!」

 

まるで子供の遊びの様に七志は嬉しそうに建物の中を探し始める。

そして、一番奥の部屋で見つけた。

 

「やぁ久しぶりだね店長」

「なななな・・・ワシじゃない!ワシはあんなやつらは知らんぞ!」

「まだ何も言ってないんだけど自白って事かな?」

 

ニヤニヤと笑う七志に奴隷商の店主は震えながら必死に自分は無関係だと伝えようとする、だがその内容がどう聞いても自白にしか聞こえなかったのだ。

それはそうだろう、この町を実質支配していた六郎を倒したと言う話は既に耳に入っていたのだ。

しかもその戦いの原因が奴隷商の関係者が仲間を拉致しようとしたと言う事まで耳に入っていたからだ。

 

「さて、それじゃあお礼をしないと駄目だねぇ~」

「な・・・なにをする気だ?!」

「簡単な事だよ、それじゃあゲームをしようか♪」

「げ・・・ゲーム?」

 

ルンルン気分でそう告げる七志の言葉に唖然としながらも聞き返す店主。

店主の脳裏にルリエッタ達を購入する時に行なったゲームが思い出され、少し心に落ち着きを取り戻すのだが・・・

 

「題して、金貨10枚1時間で使いきれるまで帰れまテン!」

「・・・はっ?」

 

七志の言葉に店主だけでなく周囲の人間まで首を傾げるのであった。

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