異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第19話 奴隷商の建物を手に入れた七志

「ほ・・・本当に・・・自由・・・」

「俺は・・助かったのか・・・」

 

奴隷商で売り物とされていた奴隷達、実に130人が勢揃いしていた。

店の前で一斉に首輪が外されて、そこへ七志の声が響く。

 

「皆さん、今この時点を持って皆さんは自由です!ですがもしも行く充てが無いという方はもし宜しければ住み込みでこれから始める事を一緒に手伝ってもらえませんか生活面では不便させません」

 

その言葉に殆どの奴隷だった者達は七志を神の如く崇め始めた。

解散したい人は自由にしていいし、七志と共に何かを手伝えば生活が保障されると言う事なのである。

唯一奴隷の首輪を嵌められた元店主だけが怯えた目で人々を見ていた。

それはそうだろう、このままであれば勝手に魔石を埋め込まれて奴隷にされた復讐を行なう者が居るかもしれないのだ。

 

「それじゃ解散!」

 

そう言って七志は建物の中へ戻っていく・・・

解放された人々は互いに互いを見合わせどうするか悩んで話し合っている様子であった。

少しして自分達を助けてくれた七志に恩返しをしたい、そう考えた1人の女性が一歩を踏み出し、それに次々と続いて80人程が建物の中へ戻り残りの50人は何処かへ去っていった。

 

「こんなに・・・本当助かるよ」

 

店内に戻った人々を待っていた七志は嬉しそうに皆を歓迎し、広間にて早速集会を開く事となった。

その間にリル達が残る人々の寝床に使える物や、着替えを七志から預かったお金で購入に走り、スケさんは町の大工を呼びに出掛けていた。

そして、七志の話を聞いた人々はその内容に唖然としていた。

その内容とは・・・

 

「今日から最低でも週2回くらいのペースで皆で何か楽しい事をやってもらおうと思います。細かい事は何も言いません、互いにアイデアを出し合って皆さんで楽しいイベントやゲームを企画して実行して下さい」

 

・・・は?

 

誰もがそんな顔をしていた。

それに一体どんな意味があるのか訳が分からない人々は首を傾げたり困った顔をしている。

生きる為には仕事をしなければならない、それはどの国でも同じで、生活の為にお金を稼ぐと言うのもあるが税金を収める必要があるからだ。

そんな人々の困惑した感じを放置して七志は早速声を上げた。

 

「この中で料理が出来ると言う人は手を挙げて下さい」

 

料理と言われ何処まで出来れば料理が出来ると言う事なのか分からず困る者が多いのだが、幾つかの手が上がった。

やはりと言うか女性の比率が多いのはどの国でも同じなのだと納得した感じの七志はその数名を前へ出させる。

 

「それじゃあ今日は料理をしようと思うから残りのメンバーで採点するって事で宜しく!題して・・・第1回料理対決!」

 

その言葉を待っていたかのように七志の指示で買い物に出ていたルリエッタが戻ってきた。

その手には様々な食材が袋に入れられており、ソレが意味するのは・・・

 

「制限時間は1時間、それじゃ頑張って美味しい料理を作って下さい。挑戦者は5名なので優勝者には賞金として金貨5枚を進呈!」

 

その言葉に誰もが目を光らせて材料選びに取り掛かった。

そうしている間にスケさんが連れて来た大工の人と話し合う七志。

七志の提案で今後奴隷商はリフォームされ、七志の屋敷に改装される事となった。

店主はその内容に文句を言いたそうにしているが、七志の命令により声を出せないので諦めたのか呻き声を上げるのみであった・・・

 

 

そう、七志の行なった今回の計画それは・・・

サブチャンネル専用の動画撮影施設作成なのであった。

この施設で働く者達は一体どこからお金が出ているのか分からないのだが、衣食住が七志によって提供されているので嬉々として毎日楽しい事をやろうと思案を巡らせ、いつしか町の住人も参加するアミューズメント施設へと進化していくのであった・・・

久々に戻ってきた七志がソレを見て驚くのはまだまだ先の話である。

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!このペテン師め!町で1時間以内に金貨10枚なんて絶対に無理じゃないか!?」

 

今日の映像が撮れたので満足した七志は店主から建物の権利を移してから解放していた。

既に無一文となった男は七志に対して怒鳴るが、その目を真っ直ぐに見て七志は答える。

 

「別に簡単な事じゃないか、例えば武具屋で適当な物を購入して直ぐに買い取ってもらう、それを繰り返して最後の残った端数で飲み物でも購入すれば完了だろ?」

「なっ?!」

 

そう、ルールでは『使用に関しては物を購入した場合はそれを消費しきる必要がある』つまり購入した物は所持していては駄目と言うだけで、購入する事自体は禁止されてはいなかったのだ。

七志のその案にぐうの音も出ない男は歯軋りをしながら去っていく七志の後姿を見詰めていた。

そして、そんな男の背後に立つ数名の影・・・

 

「なっなんだお前たちは・・・やっやめっ・・・ぐげっ・・・」

 

それは奴隷商に恨みのある者だったのか・・・全ては闇の中であった。

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