異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第41話 カーズとの死闘、そして死神将軍現る②

「はぁ・・・本当にアンタは訳わかんないわよ」

「ははっ褒め言葉として受け取っておくよミスリル」

「もぅ・・・」

 

あの後、無事に生き残った七志はリル達に救出されていた。

地面に転がるカーズの亡骸を放置して、先ずは七志の体を休ませる事にしたのだ。

 

「七志様、本当にお見事でした」

「いえいえ、ナポレさんの誘導、そしてネネのファイアーボールが無ければ勝てなかったかもしれないですよ」

 

七志は自分一人の勝利ではないと強く告げる。

皆が居て、運が在ったからこそ勝てたのだと言っているのだ。

友情、努力、詐欺である。

 

「それで、その嵐ってのは誰なの?ルリエッタは知ってるんでしょ?」

「うん・・・手を繋いでいる間は私にも声が聞こえるから」

「へっ?・・・そっそっか、だからずっと手を繋いでいたのね?」

「うん、リルちゃんごめんね。ずっと隠してて、でも私に何でこんな能力が在るのか本当に分からないの」

「そうなんだよな、ルリエッタだけが嵐との連絡取れるんだよな」

 

和気藹々と会話を続ける七志達。

気を抜いた一同はホンワカと会話をしていた。

だが・・・

 

「くっくっくっ・・・そうか、その小娘がキーだったと言う訳か!」

 

それは聞こえる筈のない声、背骨を破壊されて地面に転がっていた筈のカーズが口を開いたのだ。

だがそれも仕方あるまい、死んだかどうかを調べようにも骨だけなので脈も呼吸も分からないのだ。

 

「おいおい・・・マジかよ・・・」

 

七志の口から出る台詞も仕方ないだろう。

まるで地中から死者が蘇る様にそいつらが姿を現したのだ。

姿は何処から見てもただの骨、だが一度戦った七志はそいつらの事に直ぐ気が付いた。

言葉は発しないが間違い無く、3男の六郎、次男の長兄である。

 

「さて、先程の貴様の台詞は半分正解だったと伝えさせてもらおうか」

 

そう言ったカーズの体はいつの間にかバラバラになっていた。

どういう原理か空中を舞う骨、何処が何処の骨なのか分からない光景はまさしく異様。

そして、3人の兄弟の骨の体が組み合いながら形を作っていく・・・

死神3兄弟の体が一つとなり、阿修羅の様に顔を3つ並べた二回りは巨大な体のそいつがそこに立っていた。

 

「この姿をまさか見せることになるとはな、恐れるが良い!この姿の俺こそが死神将軍である!」

「させません!」

 

そう告げる死神将軍はボロボロの七志の方へ向かってゆっくりと歩き始めた、それを止めようとナポレが飛び出すが・・・

 

「なっ?!これは?!」

 

手にした短剣を突き刺そうとしたが、見えない結界に阻まれた。

どれ程力を込めようが、それ以上奥へと進む事無く、空中で静止していた。

 

「無駄だ、この姿となった俺は3兄弟全ての能力を使う事が出来る。即ち制空剣を結界で起こす事が出来るのだ!」

 

そう言ってナポレが殴り飛ばされた。

その体は数メートル吹っ飛び地面を転がる。

そこにはヒクヒクと痙攣しているナポレの姿が残されていた。

 

「な・・・なんて威力・・・ひっ?!・・・かっ勝てない・・・」

 

リルは直感した。

近くに居るだけでその恐ろしさを感じ取ったのだ。

恐れながらも七志に肩を貸しているので逃げる事は無かったが、リルは恐怖で足が震えていた。

 

「くくく・・・どうだ?奥の手と言うのは最後の最後まで隠し通しておくからこそ価値があるのだ!では先ずは忌々しい女を始末するか!」

 

そう言って死神将軍は自身の腰に在った骨を掴んで物凄い勢いで投げつけてきた!

その向かう先は・・・

 

「危ないッ!!」

 

咄嗟に飛び出したのは七志であった。

肩を貸してくれていたリルを突き飛ばしてルリエッタの方へ駆け出した七志。

その手がルリエッタの肩を押すと同時に伸ばした七志の左腕に死神将軍の投げた骨がぶつかった!

 

「ヒィッ?!」

 

突き飛ばされたルリエッタから悲鳴が上がる。

木っ端微塵に七志の左腕は肩から吹き飛び、その体は空中を回転しながら後方へ吹き飛び地面を転がったのだから・・・

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