「おい聞いたか?昨日河川敷で爆発があって、女神様が被害者を救ったらしいぞ!」
「アイアンも聞いたの?!じゃやっぱり本当なんだ!」
朝から教室でアイアンとホネオが昨日の事件の噂話をしていた。
昨日の爆発事件に女神様が現れた話で盛り上がり、教室は騒がしく賑やかだった。
だが、そんな教室にゴンザレス太郎とフーカが登校してきて一気に静まり返る…
「あ…あのフーカさん?教室に着いたから自分の席に行こうか」
「ん…分かった」
ゴンザレス太郎の腕にしがみつくように、両腕でゴンザレス太郎の腕を抱き締め、頭を寄り添わせ体重を預けたまま登校してきたフーカを見た事で周囲の意識は完全に持っていかれた。
相変わらず前髪で目は完全に隠れてあるのだが、それが照れつつも甘えているように見えて周囲の人達は異世界にも関わらず「リア充爆発しろ」っと誰もが考えていた。
「お…おはよう…なんか今日は一段と凄いね…」
シズクが声をかけてきて二人は挨拶を返すのだが、そんな二人を見るシズクは若干引き気味だ。
日に日にスキンシップがレベルアップしている二人の間に入る余地が全く見当たらないのである!
そして、分かったと言いつつ全く朝から同じ状態で離れようとしないフーカを見てゴンザレス太郎は溜め息を吐く…
そんなゴンザレス太郎を見上げて…
「迷惑?」
っとフーカはオッドアイを潤ませながら甘えた美声で聞いてくる。
慌ててそれを否定するゴンザレス太郎、それが嬉しくて再び腕を抱き目直すフーカ。
それを見るだけで何度か同じやり取りが朝からあったのだろうと想像に容易い。
それを呆然と見たシズク…
(あかん、これ完全に堕ちてるわ)
っと諦めるように首を振るのだった。
授業時間が終わり、授業終了の度にゴンザレス太郎の腕が自分の居る場所!と言わんばかりのフーカにいよいよゴンザレス太郎は話をする…
「今日、このコードの実験をしたいんだけど…」
「んっ?…私だけじゃダメ…なの?」
「試しておかないと…何が何に使えるか分からないからね。もしかしたらって事もあるから…」
「んー…納得はしないけど…分かった。でも、一番は私だからね?」
こんなに愛されているにも関わらず、ゴンザレス太郎は必要な事とフーカを説得する。
説明に対して少し不満だが、ゴンザレス太郎に頼られる事に幸せを感じるフーカは前髪をソッと手で上げてシズクをスキミングで見る、そして手元の紙に数字を書いていく…
それはゴンザレス太郎の見せたメモの上に書かれ、フーカのスキミングで確認できる個人を特定する人ナンバーと呼ばれるもの。
ちなみに、そのメモに最初書かれていたのは…
『好感度MAX ○○○○○○○A 12324493』
っであった。