異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第5話 女神様からプロアクションマジリプレイのスキルを得た。

順に奥の部屋へ行き、帰ってくる…

その順番待ち、流れる様な作業的光景に、どの世界でもこういうのは同じなんだな…

っと達也は適当な事を考えながら時間を潰していると、いつの間にか自分が先頭になっていた。

 

「それでは次の者、前へ」

「はいっ!」

 

両親に言われた通り、元気良く返事をして一人で前に出る!

過保護と言うわけではないが、いつも付きっきりで親が側に居た為に少し寂しかったりもする…

だがルールだから仕方ない、両親はここまでで、自分一人だけで教えられた祈りの間と言う個室にに入っていく。

そこは円形の小さな個室で、中は少し涼しいが寒いほどではなく、正面の上に小窓が一つ在った。

その小さな個室の部屋の中央には女神像と呼ばれる石で出来た像が置かれており、聞かされた通りその前の床に描かれてある魔方陣の中に座って達也は目を閉じて祈りを捧げた。

 

そのままの姿勢で何を考える訳でもなくじっとしていると、突然の魔方陣から光が昇って空気が一気に暖かくなる。

目を閉じているのに明るさを感じるが、言われた通り

そのままゴンザレス太郎は女神像の前に頭を下げて祈り続ける…

すると正面の窓とは少し違う場所、言うならば空から美しい女性の声で御告げが脳内に届いた。

 

「6歳のお誕生日おめでとうございます。私達の力で貴方に祝福を…」

 

全身がポカポカするのを感じ、心臓が大きく『ドクンッ』と一回動いた。

その瞬間から血管内を流れる血がまるで違う物に変化した様に感じ、『力がみなぎる』という言葉はこう言う事なんだと一人納得した。

そんな達也の脳裏に再び女神様の声が届いた…

 

「アナタにはユニークスキル『プロアクションマジリプレイ』を授けます」

「はっ?えっ?」

 

突然後ろから変な声が聞こえた。

どうしたものかと困惑するが、最後の言葉以降脳内に聞こえていた女神様の声が聞こえなくなっていたので、女神様はお帰りになられたと考え、達也は目を開けて振り返る。

そこに立っていたのは先程出入口横に立っていた神父様風の男性で、必死に手に持っていた聖書らしきものを開いて必死に何かを探している。

 

あまりにせわしなく聖書を扱っているのでハラリと表紙が外れ『異世界設定資料アルティマニア』って書かれている本だと分かったのだが、そんな事はどうでも良いと言わんばかりに神父風の男性は暫く手にした本を読み込み…

 

「無い、そんな『プロアクションマジリプレイ』なんてスキルは乗ってないぞ!?」

 

そんなこと言われても…

っとゴンザレス太郎は困惑するのであった。


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