「ホホホッまるでゴミのようなステータス、どうやらそのスキルのおかげでそんな平然としてられるのかもしれませんがこれで終わりです」
そう告げたローブの男はゴンザレス太郎に手を向ける…
ゾクッと背筋が寒気を感じた次の瞬間!
「スキル『スキル封印』発動!」
そう唱えられ、ゴンザレス太郎はスキルの使用を封じられた。
町から離れた平原に居る魔物の集団の中、そこで絶体絶命の2人。
世界最高のSランク冒険者が相手にもなら無いレベルの魔物50体に囲まれ、ゴンザレス太郎はスキルを封じられたのだ。
「さて小僧、俺の娘に掛けた何かを今すぐ解け!」
多分こいつが親玉なのだろう、明らかに一匹だけ見た目は人間だが魔力の量が違いすぎる存在が命令をして来た。
サラの事を『俺の娘』と言った事で父親なのだと理解した。
「魔王様の命令が聞けないのか!」
異様に強い者だと思ったら魔王だった。
つまり何故かゴンザレス太郎は好感度MAXで魔王の娘を虜にしてしまったのだ。
怒鳴り声と共にゴンザレス太郎に手を出そうとした魔物が一体居た。
だが魔王によってその魔物は殴り飛ばされる。
「クズが、こいつを殺したら娘の何かが永遠に解けなかったらどう責任を取るつもりだ?!」
ゴンザレス太郎のスキルを封印したローブの男が吐き捨てるようにそう告げ、ゴンザレス太郎の後ろに居たフーカを瞬間移動で自分の手元に連れてくる。
「おい小僧、姫様に掛けたその謎のスキルを解除しないとこの娘の首をへし折るぞ!」
ローブの男はフーカの首にその手をかけゴンザレス太郎に脅しをかける。
ゴンザレス太郎は歯を食い縛り…
「フーカを離せ!」
っと叫ぶと同時に横に居た馬のような魔物に攻撃を受けた。
意識外からの魔法攻撃、反応もできなかったゴンザレス太郎はそれをモロに受けた。
「極小風魔法微風」
馬のような魔物が使用したのは最弱の風魔法、だが魔力が桁違いのため人の放つ中級の風魔法クラスの威力があり、ゴンザレス太郎はそれに吹き飛ばされ地面を転がって倒れる。
「なんて弱い種族だ。あれだけで気を失ったぞ!?」
風魔法を使った魔物は子供だとはいえ、あれだけでこれ程ダメージを負って倒れるとは思っていなかった。
まさか殺してしまったか?!と一瞬で冷や汗をかいた。
だが倒れたゴンザレス太郎の胸は上下しており、まだ息があるのを確認できて一安心していた。
「いやぁぁぁぁ!!!!タツヤ!タツヤー!!!」
フードの男に捕まってるフーカが泣き叫びながら暴れる。
このまま死なれては困ると考えたフードの男、フーカに起こさせようと捕まえていたその手を離し、フーカをゴンザレス太郎の元へ向かわせる。
倒れて意識の無いゴンザレス太郎の頭をそっと持ち上げ、フーカは自らの膝に乗せて泣く。
その時、声が上がった。
「まさかこの私が操られているとは思いませんでしたわ…」
フーカが駆け寄った時にムクリと起き上がって立ち上がり、体の埃を手で落としながら歩いてくるサラ。
ゴンザレス太郎が吹き飛ばされ気を失った為に好感度MAXの効果が切れたのだった。
「ををっサラ様!お目覚めですか!」
「悪魔大元帥アモンね?助かったわそして、パパありがと」
「我が娘として操られるなど情けない」
「うん、ごめん。っで悪いんだけどアイツの止めをやらせてくれない?」
魔族として心を操られた彼女は怒りを露にしていた。
自分より強い者しか興味の無いサラ、なのに貧弱な人間の子供に操られ恋をさせられた。それだけで彼女のプライドはズタズタで、怒りの発散に殺させてくれと頼んできた。
サラの呪縛が解けた今はゴンザレス太郎を生かしておく必要もない為、全員一斉にニヤケながら頷くのだった。
「さようならゴンザレス太郎、愛するって気持ちは悪くなかったわよ…『炎王球』」
サラの手から自身の体の3倍はありそうなサイズの炎の塊が産み出され、それがフーカとゴンザレス太郎に向かって放たれる!
「タツヤ…次の『転生タイムリープ』したらまた直ぐに会いに行くよ…」
フーカは最後を覚悟し、膝枕していたゴンザレス太郎に最後の口付けをする…
サラの炎王球が着弾する直前、フーカの体にゴンザレス太郎の腕が回されたのが一瞬見えた。
そのまま二人は炎の塊に包まれ周囲の草花は一瞬で蒸発するのであった。