異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第59話 好感度MAXが誤発動した理由

目を覚ましたのは翌日の昼であった。

 

「知らない天井だ…」

 

そこは診療所で、両親が寝ずの看病をしてくれたらしくゴンザレス太郎が目を覚ましたことに大いに喜んでくれた。

何故か同じ診療所で治療していた冒険者達も同じタイミングで意識が戻ったことに大盛り上がりをしたのだが、ゴンザレス太郎が戦った事やスキルの事は内密だった為「こんなに沢山の人に心配をかけて!」と怒られてしまったのはもう笑うしかなかった。

 

一方フーカの方は自宅にて両親の看病により朝には目を覚ましていた。

だがゴンザレス太郎のせいでこんな事に巻き込まれたと考えており、同じクラスにも関わらず金輪際接触禁止を告げられた。

だがフーカ自身が「ゴンザレス太郎と一緒に居られないならこんな家出てってやる!」っと叫び散らしたので頭を悩ませながら撤回してた。

事実フーカを連れてきてくれた冒険者ギルドの人達も「ゴンザレス太郎にフーカが助けられ、彼が居なかったら死んでいた」と伝えられていた。

親として微妙な気持ちであったのは言うまでも無いだろう。

 

そして、町も元の平穏な毎日が戻ってき…月日は流れた…

秋も終わりになり紅葉が散り始めたとある日…

今日もゴンザレス太郎とフーカは一緒に冒険者ギルドに来ており、周りの冒険者達に弄られながらマジメの3人を待つ。

あの一件でこの町のCランク以上の冒険者は軒並みレベルが上がりすぎており、他の町と同じランクにしても明らかな力量の差が生まれていた。

なにせ他の町ではAランクの強さがこの町ではBランクというとんでもない事になってるのだから仕方あるまい。

そんな中、ギルドに帰ってきたヤバイさんが声を掛けてきた。

なんでも現在Sランクの昇格試験をしているらしいのだが…

 

「それでな、この謎を解かないと扉が開かねぇんだわ」

 

ヤバイがメモを取った紙を二人に見せる。

そこには異世界の言葉で…

 

『えさわみぬざそおをにおあ』

 

と書かれていた。

それを見てゴンザレス太郎幾つかのパターンを考える…

そして…

 

「あおいのをおさずにまわせ?」

 

オタクだったゴンザレス太郎、勿論有名な銀田一探偵の漫画も読破済みである!

その言葉にヤバイがゴンザレス太郎の肩を掴み揺さぶりながら叫ぶ!

 

「どっどうやったんだ?!」

「これ母音と子音に分けて反対から並べて読むみたいですよ」

 

この世界の字は日本とは勿論違うのだが会話は日本語でゴンザレス太郎は通じている。

その為、先程のメモもこの世界の言葉で書かれていたのだが、この問題が前世で好きだった作品にも有ったことでゴンザレス太郎は軽々と解いてしまった。

 

「あ…ありがてぇ!これで俺もSランクだひゃっほぉう!」

 

そう言ってゴンザレス太郎に投げキッスを送って走り去るヤバイ。

この人こんなキャラだったっけ?っと考えるゴンザレス太郎の脳裏に一つのアイデアが浮かんだ!

 

「なぁフーカ?」

「えっ?!なっなに?」

 

意外なゴンザレス太郎の発想を目の当たりにして驚いていたフーカは慌てて返事を返す。

 

「シズクとあのサラって魔物の人ナンバーここに書ける?」

 

首を捻りながらもフーカはその二つの数字を念のためにと控えめおいたメモを見て並べた。

 

シズク『04427521』

サラ『71464225』

 

それを見てゴンザレス太郎はメモ用紙になにやら計算を始めた…

その見たこともない計算式に『?』しか浮かばないフーカはうっとりと考えるゴンザレス太郎を見詰める…

少ししてゴンザレス太郎が立ち上がった!

 

「分かった!なんでシズクちゃんではなく、あのサラって魔物に効果が出たのか!」

 

幾つもヒントはあったのだ。

シズクの人ナンバーを入れようとしたら桁が一桁多い…

他のコードの中にアルファベットが使われている…

入力するときの文字一覧に『F』まである。

 

「これ、人の人ナンバーを入力する時は16進数に直して入力しないと駄目なんだ!」


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