「神官様、どうなされたのでしょうか?」
祈りの間から出てきたゴンザレス太郎と神官、ゴンザレス太郎は少し困った感じ程度なのだが、隣の神官は特に神妙な顔付きをしていたので、お父さんが心配して聞いてきた。
「いや、うむ…大丈夫だ、スキルは無事に得られた…ようなのだが…」
どうにも口ごもってる、ここで普通なら神官から親に子供の授かったスキルの説明を本来ならするのだが、ゴンザレス太郎の得た『プロアクションマジリプレイ』と言うスキルの内容が全く理解できなかったのだ。
子供に向いた職業や、将来進むべき道を示してくれる筈の神官が困った様子だった為、ゴンザレス太郎の父親も少し困惑をし始めていた。
そんな様子を見ていたこの神殿の信者と思われる男性、何か思い付いたのか神官に声を掛けてきた。
「神官様、どうでしょう?とりあえず発動させてみる形では?」
信者らしき人にそう言われ、神官は礼拝堂裏の空き地でゴンザレス太郎のスキルをのち程試すことになった。
しかし、神官の手が今は空かない為、親子3人で礼拝堂の会議室で神官の手が空くまで待たせて貰うことになった。
「うーん、ゴンザレス太郎のスキル『プロアクションマジリプレイ』かぁ~…リプレイって言うくらいだから、前に誰かがやった行動を真似できるとか?」
「あなた、それじゃ『ものまね』スキルと被ってるわ、それにあっちは完全なユニークスキルよ」
「それなら記憶にある人の動きを完全に再現できるとか?」
「『トレース』に似たスキルね、確かにそれなら凄いわね」
両親がゴンザレス太郎放置し、二人で勝手に色々想像して話に盛り上がる。
だがゴンザレス太郎は前世の達也だった頃にこれに似た名前の物を知っていて、もしかしたら…という想像を膨らませていた。
両親が話に盛り上がるのをゴンザレス太郎は止める気が無かったわけではない、期待され過ぎるとこの分外れだった時にガッカリされるのが少し怖いからだ…だが息子の将来に関わるユニークスキルだから、両親が盛り上がるのは仕方ないだろう。
特に神官が分からないユニークスキルとなればその価値は計り知れない、とらぬ狸の皮算用ではないが、本当に異質なユニークスキルで国から保護されたりする可能性も無くはないのだ。
技術や叡知の再現、はたまた空想を実現出来る可能性も特殊なユニークスキルであればあるのである!
この世界のおとぎ話にある英雄達のように…
ゴンザレス太郎は両親の話に加わったり止めたりする訳でもなく、二人の話を聞き続けるのであった…
そんな両親の盛り上がってる話を1時間ほど聞いてると数名が会議室にやってきた。
どうやら6歳の子供が祈りに来るのが途切れ、時間が空いたとの事で手の空いた神官様達が呼びに来たのだ。
一同は神殿の裏の空き地に移動し、早速この謎スキルの実験を始めるであった…