柔らかい膝枕、慣れ親しんだと言えるくらい直ぐにゴンザレス太郎は寝入った。
フーカの尻に敷かれたゴンザレス太郎に敷かれるフーカの太股、卵が先か鶏が先かではなく、尻が先か太股が先か…
そんな意味不明な夢を見始めた瞬間フーカの声が聞こえた。
「ほらっゴンザレス太郎起きて!」
揺すられて目を覚ましたゴンザレス太郎。
目を開くと真っ暗で、柔らかい香りに鼻から息を吸い込むと…
「起きませんね…」
サリアの声が聞こえ意識が覚醒する、そういえば顔にスカートが掛かってるんだった!
思い出してゴンザレス太郎は体を下にずらすようにフーカのスカートから頭を抜いて起き上がる。
フーカのスカート中を他の人に見せないようにする気遣いもしたのだが、目が合ったフーカは何か言いたげな表情をしていた。
「どしたの?」
「なんでもない!」
何故かちょっと怒っているフーカに意味が分からないままのゴンザレス太郎…
仕方無く振り返ってニヤニヤと見ているマコトの方を向いた後ろで…
「もうちょっとドキドキして眠れないとか…あっても良いのに…ごにょごにょ…」
フーカの呟きは誰にも届かなかった。
その後、色々と試すがゴンザレス太郎の発動した『主要キャラの名前変更』の効果が全く分からず頭を悩ませる4人…
「もしかしてコード打ち間違えたのかな~?」
ゴンザレス太郎が自分の頭に手をやった時だった。
「あっ!?」
フーカが声を挙げた!
「今ゴンザレス太郎が手を動かした時に、サリアの名前表示が一瞬点滅したの!」
フーカのユニークスキル『スキミング』では名前からステータスや使用できるスキルまで見れるのだが、意識しないと人の名前だけが表示されてるのだ。
ここまでのゴンザレス太郎の稼ぎでフーカの神力はかなり貯まっており、無駄に使用しても全く問題にならない域にまで達しているので、最近は前髪をピンで止めてオッドアイを披露してる。
本人は口にしないがゴンザレス太郎が「綺麗なフーカのオッドアイ俺は好きだな」っと言ったからしていたりするのは誰にも言えない秘密だ。
「ゴンザレス太郎ゆっくりさっきと同じ動きして」
「こ…こう?」
ゆっくりゴンザレス太郎は頭に手を当てようとして…
「そこっ!」
その位置を見てマコトは気付いた。
「指差しか!」
「どうフーカ?」
「そうみた…いぃ?!」
ゴンザレス太郎がサリアの方を指差しながら話したら見ていたフーカが驚いて裏返った声をあげた!
「サリアの名前が…『どうフーカ』になってる…」
ゴンザレス太郎の『主要キャラの名前変更』スキル効果は対象を指差して話すと対象の名前が話した言葉に替わるのであった。