異世界ツクール   作:昆布 海胆

69 / 435
第69話 ゴンザレス太郎への信頼

周囲を観察しゴンザレス太郎が声を上げた!

 

「あそこです!」

 

ゴンザレス太郎が指を指したのはかつてストーンブレイクで穴を開けてこもり、レベル上げ代行を行って脱出した部分であった。

その穴へジルとフーカが先行し穴の奥を魔法で更に広げる!

ジルが開いている穴を魔法『ストーンブレイク』で更に奥へと広げ、フーカがそれを邪魔されないように守りながら崩れないように補強していく。

スキミングで崩れそうな部位に土魔法で補強を施すフーカの動きは見事としか言いようがなかった。

ゴンザレス太郎に良いところを見せたい一心、恋する乙女は無敵である!

 

そして、マコトとサリアが近くの魔物を倒して戦鬼の足止めを行い、メールの結界で安全を確保してゴンザレス太郎が結界内でプロアクションマジリプレイを発動しコードを入力していく!

 

「OKよ!」

「こっちもだ!」

 

ジルの声が響き、続いてゴンザレス太郎の声も聞こえ一同は以前と同じように穴の中へ逃げ込む!

 

戦鬼の長い腕が届かないくらい深く掘られた穴の中へ全員が飛び込み、それをを確認してサリアのスキルとジルの魔法が飛び交う!

 

「飛べ!セーブラック!」

「スパイダーライトニング!」

 

ジルの敵味方関係なく空気中をランダムに電気が走るこの使い所が難しい魔法を使い、戦鬼の餌となる魔物を量産して時間を稼ぐ!

本来であれば後方にも電撃が走る筈なのだが、それをサリアの魔法で幸運になったジルが放つことで電撃は運良く全て前方に飛び、あちこちで感電した魔物の姿焼きが出来上がる。

 

「全属性障壁展開!物理半減障壁展開!多重結界障壁展開!」

 

それはデニムが得意とするサラが襲ってきた時に使われた多重結界!

メールはあの時見たそれを再現したのだ!

結界士としての本領発揮、デニムと言う見本があったからこそメールは大きく成長していたのだ!

更にメールもあの時のデニムを遥かに超えるレベルに達しており、展開された密集したその結界は見た目は薄いが驚くことに500を超えていた!

 

「よし!この隙に!」

「こっちも良いわよ!」

 

マコトの合図でゴンザレス太郎を寝かし付ける準備の整ったフーカとジル!

ゴンザレス太郎が視線をやると…

ジルが土魔法で豪華なベットを作り上げていた。

 

「ってなにやってんの?!」

「快適な睡眠は快適なベットから…私が頼んだ」

 

枕と思われる部分はフーカが座る様に形が作り込まれ、膝枕が高くなり過ぎないように出来上がってる…

 

「さぁおいでタツヤ」

 

座り込み、スカートを少し捲って太股をポンポンっと叩くフーカ…緊張感何処へ行った?

他の者も、もう慣れた光景なのか、4人も笑顔で親指を立ててサムズアップしている。

ゴンザレス太郎に任せれば上手くいくと確信し、安心しきってる仲間に囲まれゴンザレス太郎…

 

(俺、いける『かも』って言った筈なのに…)

 

緊迫していた筈なのにゴンザレス太郎の一言で場の空気は一気に緩み、少し悩みながらこの状況を打破するためにゴンザレス太郎はフーカの柔らかい膝枕で眠るのであった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。