メールの張る結界をパンチ1発で300枚ほど破壊する戦鬼、通路が狭いため戦鬼の大きくなった体では6本の腕のパンチは1本ずつしかその穴に通らず、破壊された分の結界をメールがその都度張り直す事でかろうじでゴンザレス太郎達は耐え凌いでいた。
そして、横穴から道を掘って別の場所に出たフーカとジルが魔法で周りに居る魔物を倒して行くのが見えた!
「よし!メールさん後少しがんばってください!」
「ハイッ!」
メールにはまだ余力があり、破壊された結界を瞬時に修復して次のパンチに備える。
神力を湯水の如く使うこの戦法はゴンザレス太郎が居なければとても使えるものではない。
その時、戦鬼の残りの腕が離れた場所でジルとフーカが倒した魔物を掴み、それを喰らう!
直ぐ様次のパンチが飛んできてメールの結界が大量に破壊される!
「やはり魔物を食べる度にパンチ力上がってます!」
メールの報告を聞きながらゴンザレス太郎は戦鬼の動きが変わらない事に少し冷や汗をかいていた。
だが数匹の魔物を食らった戦鬼が突然喰った魔物を吐き捨てた!?
この今までになかった動きに一同は希望の光を見た!
だが一体何が起こっているのかはゴンザレス太郎以外誰にも分からず、再び戦鬼は無意識に倒れている別の魔物を口に運ぶ…
「GUGYAOOOO!!」
まるで恐竜の様な雄叫びがダンジョン内に響く!?
「これは…一体何が起こって…」
マコトのその言葉にゴンザレス太郎は嬉しそうに答える。
「マコトさん、魔物を倒して残った死体から素材を剥ぎ取りしますよね?その素材ってアイテムですよね?」
「ん?あっあぁ…」
「じゃあその魔物の死体全てが素材として活用出来るとしたら、その死体はアイテムだと思いません?」
「うん…?そう…だな」
「っであれば魔物の死体を食べて回復する戦鬼にとって、魔物の死体は回復アイテムなのですよ!」
「?!」
もうお分かりだろう、ゴンザレス太郎が発動しているもう一つのコードは『回復アイテムでダメージ』であった!
「だけどこれだけじゃ後一押し足りないな…」
ゴンザレス太郎は戦鬼が死ぬまで魔物を喰らうとはとても思えなかった。
幾ら知性が低い魔物だとしても死ぬことを考えれば、食べるのを止めるのは火を見るより明らか。
であれば…何か止めに使える強力な一撃…
そんな時、楽しそうに無限に放てる魔法で魔物を蹂躙しているフーカ、その横でジルが手元に電撃魔法で何かをしているのが見えた。
そして…
「電雷弾!」
それはサラが使っていた炎王球を雷で再現したオリジナルの攻撃魔法であった!
丸く固められた電気の弾は戦鬼にぶつかり、戦鬼は痛みに雄叫びを上げる!
「駄目だ!」
予期せぬ強力な一撃に戦鬼はフーカとジルの方へ意識を向けてしまう。
そして、二人の元へ戦鬼の3本の腕によるパンチが叩き込まれるのであった!?