異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第75話 進化したユニークスキルの凄さ

「これで進化したのかな?」

 

ジルは自身の『うつせみ』を進化させた。

スキル名は変わらないが、自身のユニークスキルがどう変わったのかすごく楽しみである。

少ししてからフーカに調べてもらい、分かった事は以下の3つであった。

 

使用に消費するHPが半分になり日に2度使用できるようになった。

移動先を視界に入る範囲に指定できるようになった。

打撃を食らわなくても任意で発動出来るようになった(正確には空気との接触で発動出来るようになった)。

 

である。

特にユニークスキルの進化はまさにスキルの強化なのでこれには本人が一番喜んだ。

なにせ任意に発動可能なので打撃に限らず魔法や斬激に対しても使用でき、視界に入っていれば自由に行き先を決めて使える。

つまり牢屋等に入れられても脱出が可能と言う訳だ(対策としてスキル封じの手錠などが在る)。

 

そして、一番注目されていたゴンザレス太郎の『プロアクションマジリプレイ』の進化内容である。

 

まずコードリストの出現。

これにより過去にガチャで出たコードを一覧の中から選択するだけで再使用が可能になった。

次にコードのON/OFFスイッチの追加。

寝なくても切り替えが可能になった(これを伝える時にフーカが少し涙目になっていたりしたが…)。

最後に指定対象の選択や内容がリストから可能。

つまり好感度MAXを始めとするキャラや内容を指定する事が可能になった。

任意に獲得経験値の倍率を指定したり出来るようになった。 

だが逆にスキルの使用に今まで神力を消費しなかったのに対し、スイッチの切り替えに15000神力を消費したり、内容ごとにリストからセレクトするのに神力が必要になった。

勿論今まで通りコードを手入力して寝ることで発動すれば神力を使わずに使用することも可能である。

 

「いや、もうなんて言うか…凄いを通り越して呆れるレベルのスキルだな」

 

マコトの言葉も最もだと一同は揃って頷く。

だが神力の節約の為に膝枕がまた出来ると知ったフーカは口元がニヤけていた。

 

「ゴンザレス太郎君、フーカちゃんが居るんだから別の人に好感度MAXとか使っちゃ駄目よ」

 

メールさん、信用無いのか?

だがそのメールの言葉にフーカが無い胸を張って…

 

「大丈夫、誰かの入る余地無い」

 

『ねっ?!』って感じでアイコンタクトをしてきた…

フーカさんちょっとヤンデレ化も進化してません?

そんな馬鹿な現象に馬鹿な話が盛り上がり、一同は翌日の朝一で町へ帰るのだった。

 

 

「あっ!?マジメの皆さん!ちょっと待って下さい!」

 

町に入ろうとするところで門番に止められた。

何事かと思ったら…

 

「実は冒険者ギルドのギルドマスターから、マジメさん達が戻ったら直ぐに来るようにと言伝てを受けています」

 

そう伝令が来ていたようだ。

疲れもしっかり抜けぬまま向かう一同、ゴンザレス太郎は『親指口に入れると移動速度3倍』を試しに、眠ることなく解除してからマコト達と一緒にギルドへ向かった。

 

ギルドの中に入るとどうにもいつもと雰囲気が違った。

何やら暗い感じに包まれた雰囲気に違和感を覚える…

何故か皆がソワソワしていると言うか、会話が非常に少ないのだ。

嫌な予感を感じ、少し気が重くなりつつも受付に話を通してギルドマスターの所へ案内してもらう。

その時に実は受付にいた一人がマコト達を見て驚きに目をカッ開いていた。

その担当員は鑑定スキル持ちで、彼等のステータスを見てしまったのであろう。

既にSランク冒険者を軽く凌駕しているサリアがその中でも最弱と言う、その規格外の一同に驚きを隠しきれなかったのである。

 

そして、マコトはギルドマスターの部屋のドアをノックするのであった。


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