「見て見て!これオフランス製の棍棒なんだ」
ホネオがアイアンに親がお土産で買ってきた棍棒を自慢してた。
ちなみにオフランスとはここからは少し離れた国で、猛激のタイガが在籍している国である。
その名の通りOFFランスと言うくらいその国では『槍等法』という法律があり槍を所持しているだけで罪となる変な国だ。
裏ルートで槍が高額売買される秘密組織があったりなかったりするらしい…
「オースゲー良いなぁー」
「へへっアイアンちょっと振ってみてよ!」
そう言われてアイアンは棍棒を手にして素振りをする!
手に持つ部分が指にフィットするように細工がされていて凄くしっくり来る。
「ををっ?!使いやすい!」
「でしょ?でしょ?いいでしょー!」
ホネオのいつもの自慢に付き合うアイアン、お前の物は俺の物ではないらしく、ちゃんと返していた。
だが音痴なのは本人以外の誰もが知っている。
「しっかし最近変な事件が多いよな」
「そうだね、魔物襲撃に聖女様に光の矢でしょ?」
「一体何が起こってるんだろう…ん?」
アイアンが何気に道を見ていたら少し離れた所を歩いているゴンザレス太郎を見かけた。
半日授業になってからは自由登校なので、行かなくても問題はないのだが大体の子供は通学を続けている。
「あれ?ゴン太のやつ最近余り学校来ないから変だと思ったら…」
そこまで言って詰まる、よく見るといつも一緒にいるフーカの他にも町で有名な冒険者のマジメ達、それに講師としてやってきた事もある町一番の期待株ヤバイ、それに…
「ねぇ!ねぇ!あれ『猛激のタイガ』さんだよ!Sランク冒険者の名鑑図で見たことあるもん!」
「それにあの人もしかして『盾極のデニム』さんじゃね?!」
二人は雲の上の存在であるSランク冒険者を見れたことで驚いていた。
二人だけでなく、周囲の人達もSランク冒険者が二人揃っている光景に黄色い声をあげていた。
「な…なぁ…サイン…貰いに行かね?」
「いいねぇ!アイアンたまに良いこと言うね!」
「たまには余計だ!ほら行くぞ!」
二人はゴンザレス太郎の事をすっかり忘れて後を追いかけた。
そして、追い付いたのは町の外へ続く門だった。
一足早く外に出てしまったので追い付けなかったが、門の外が見える場所でゴンザレス太郎とタイガが二人向かい合って居るのが見えた。
「な、なにやってるんだろうな?」
「稽古つけてもらうとかかな?」
二人はゴンザレス太郎があんな有名人と知り合いだと知ってワクワクしながら、これから始まる事に驚愕するなんて想像もしていなかった。