午前中の学校が終わりいつものようにフーカと歩いていたら…
「ゴンザレス太郎く~ん」
まただ。
僕はいつものように笑顔で振り返って手を振る。
メキッとフーカが抱き付いてる腕から鳴る筈の無い音が小さく聞こえる。
「キャーキャー」
女の子達がゴンザレス太郎が反応したことで喜び、キャーキャー言ってる。
そして左腕に抱き付いてるフーカの力が更に入り、左腕が聞こえてはいけない音を奏で始め、女の子達のキャーキャーと言う声に合わせてゴンザレス太郎は内心ギャーギャー言ってる。
あの日、アイアンとホネオがタイガとの戦いを見ていたらしく、翌日学校で皆に話したもんだからそこから話が広まって、尾びれ羽びれ苦びれが追加され今では町中の人が知ってて困ったことになってる。
そして困る事がもう一つ…
「お前がゴンザレス太郎だな?随分チビだがお前を倒したら一躍有名になれるんだ!勝負しろ!」
はいはい、またですか。
ちなみにCランク以上の冒険者なら魔物襲撃の時のを見ているので、こうやって勝負を挑んでくるのはDランク以下の冒険者か他の町から来た人だけなんだが…本当にもういい加減にしてほしい。
「ねぇそう思いません?」
「お…俺が悪かった」
相手が全く反応できない速度で近付いて背後に回り、相手の持っていた武器を相手の背中にあてがって話す。
勿論左腕にしがみついているフーカはゴンザレス太郎の邪魔になら無いように同じ速度で同じ体勢で移動して、まるで二人セットの玩具みたいな動きで付いてきてる。
走ろうがジャンプしようが定位置は譲らないと動きをトレースしてくるのだ。
「それで今日はどの実験する?」
「そうだなぁ~」
ゴンザレス太郎はユニークスキルが進化したことでメモに残す必要は無いのだが、フーカが把握しておきたいと言うので今もメモ帳には控えてある。
『射程無限』
『戦闘終了でHP全回復』
『歩数カウントMAX』
『アイテム買うとお金増える』
『全裸になる』
「ちょっ?!最後の何これ?!」
「うん、使った本人だけなのか周りもなのか怖くて使えない…」
「だね…」
「タツヤと二人っきりの時以外は…」
ゴンザレス太郎は聞こえない振りをしてそのまま歩く…
アイテム買うとお金増えるってのが、所持金がいつの間にか増えているのか、店から渡されるのか気になるって話にシフトして盛り上がりながらいつものように二人は冒険者ギルドにやってきた。
「やっと来たわね!」
そこにはマコト達に囲まれた居る筈の無い魔王姫、サラが居たのだった。