記念にお昼に追加投下させていただきました(*^^*)
シェルターが転移したのはゴンザレス太郎達が住む町からすぐの場所だった。
そう、そこはかつてゴンザレス太郎が無双したあの広場である。
突然目の前に巨大な建造物が出現したのだから、町の門を警備していた者達は慌てて領主とギルドへと報告を走らせる。
少しして、その建物から出てきたのは一人の少女と魔物達であった。
騒がしくなっているその場、門番に出ていた者達の中に一人だけその少女を知っている者が居た。
「あ…あれはまさか…」
忘れもしないその恐怖に体が強張り、冷や汗が滝のように流れ出る…
後退りして恐怖に怯えるその表情を見て、他の門番も聞いてた話を思いだし気を引き閉めた。
全員に話ではあるが以前のサラ達の襲撃については伝えられていたのだ。
あの少女一人を止めるのに町の冒険者ほぼ全てが協力して、なんとか対処できたと聞いていたのだ。
「心配するな俺が出る」
その時後ろから声が聞こえた。
門番達が振り替えるとそこにはSランク冒険者の盾極のデニムが居た。
今朝から何か胸騒ぎがしていたので、朝から外の様子を見に行こうと門まで来ていたのだ。
「デニムさん」
「お前らはとりあえず警戒をしておけ」
「はい!」
そう告げるとデニムは一人町の外へ向かった。
その時、近くで採集依頼を受けて出ていたDランク冒険者の集団が突如現れた建造物から出てきた少女に近付こうとしていた。
「ちっ馬鹿共が!」
デニムは駆け出した。
「なぁ、お前この中から出てきたよな?」
若い冒険者がサラに声を掛けるが、サラはその声を無視して周りを見回す。
そして、自身の望んだ場所と言うのがゴンザレス太郎と会った場所、その事実に溜め息を吐きながら認めざるを得ないと理解する。
「あぁん?!なんだその態度は?!」
サラのゴンザレス太郎を想う溜め息を、馬鹿にされたと勘違いした冒険者がサラの胸ぐらを掴もうと手を伸ばす。
「くそっ間に合わん!」
サラの一撃なんてくらったら一瞬で挽き肉になるのを想像したデニムであったが、その心配は杞憂に終わる。
サラの影から執事服を着た男がまるで生えてくるように出てきて冒険者の腕を掴む。
「そこまでにして頂けますかな?」
冒険者達は死を覚悟した。
触られた腕から伝わる絶対強者の力の気配に、自らが捕食される側の生き物だと理解させられたのだ。
一気に血の気が引いた冒険者だがその横にいるサラは頬を真っ赤に染めて…
(あの町にゴンザレス太郎が居るのよね、私の事忘れてないよね?)
なんて自覚してから一気に恋するモードに入り、冒険者が手を伸ばしたこともニセバスチャンがそれを止めたことも全く気付いてなかった。
「すまないな、うちのギルドの者が迷惑をかけた」
やっとたどり着いたデニムが声を掛ける声を聞いて、冒険者達はデニムの方を見て安堵の表情を浮かべる。
そして、デニムの拳で殴られて地面を転がる冒険者。
「ほぅ…」
「これで勘弁してやってくれ」
「ふむ、分かりました」
そう言い残してニセバスチャンはサラの影に再び消えた。
冒険者達は唖然として固まる。
そんな彼等を無視してデニムはサラに話し掛けた。
「それで、サラさんでよかったよな?」
「でもどんな顔して会えば…」
「あの…サラさん?」
「まず挨拶よね、お日柄も良く?こんにちわ?」
「…ゴンザレス太郎」
「ゴンザレス太郎様!?ほ、本日はおひにちわもよく…」
「………」
「………」
目が合うデニムとサラ、暫しの沈黙が流れ…
サラは涙目になりながら顔を真っ赤にして左手を上に掲げた。
「炎王球」
「だぁぁぁぁぁ待て待て!」
しかし、サラの手から出現した炎王球は次の瞬間氷の塊になって砕け散る。
予想外の出来事に真剣な面持ちでサラが振り返ると…
「相変わらず無茶苦茶しますね」
そこに居たのはマジメの3人であった。
ジルが氷魔法で炎王球を瞬時に凍らせマコトが剣圧で粉々に砕いたのだ。
それにはサラも驚きを隠せなかった。
3人の明らかに以前とは段違いの魔力を感じ取ったのである。
驚く事に、この短い期間に力の差は逆転していたのだから仕方あるまい。
「貴方達は確か…なんでこの短い期間でこんな…」
「とりあえず場所を変えよう、ここじゃ人目に付きすぎる」
「待って、この中に私の国の人々が居るの。」
「なら、俺がここに居るよ」
デニムがこの場所に残ると宣言し、それに納得したサラはマコト達に連れられてギルドの方へ向かった。
「あの…ありがとう…」
「いや、いいさ」
「ところでゴンザレス太郎…は?」
「ん?ギルドに居れば来ると思うよ」
「そっか、うん…そっか…」
それを見ていたメールとジル…
「奥さん奥さん、恋の臭いがしますよ」
「あらやだ奥さん、これから冬なのにもう春ですか」
「「オホホホホホホ」」
っと女子トークに盛り上がりながらギルドに向かい、ゴンザレス太郎が来たら全て話すとギルドマスターと一緒にゴンザレス太郎を待つのであった。